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気づきの書評(46)【書評】『成長思考 心の壁を打ち破る7つのアクション』


気づきの書評(45)【書評】『成長思考 心の壁を打ち破る7つのアクション』

Study Hackerに寄稿しました。

現代の若手ビジネスパーソンは、自分を成長させてくれる仕事や職場、上司を何よりも第一にもとめる傾向があると言われています。しかし、その「成長」の意味は人それぞれ。「できないことができるようになること」「営業がうまくなること」「人に気遣いができること」「チームを運営する立場に立つこと」など、何をもって成長とするのかについては多様な解釈があります。

自分にとっての成長が何なのか、だいたいの定義づけができて、そのためのTipsが分かったとしても、どうすれば成長意欲を持ち続けられるのか、成長するための取り組みをし続けるにはどうすればよいのかについて、よくわからないという人は多いはず。それなのに、「成長願望を現実のものにする心得」はあまり教えられていないようです。

よくあるビジネス書や業務マニュアル、仕事の手引書の類は、効率的な仕事の進め方は説明していても、実際に読み手が行動を変えるところにまで踏み込んだものは多くはないもの。また、著名人の成功談には、その人の当時の心境が事細かに語られていますが、読み手がそれを真似るのは決して簡単ではありません。自己啓発書やすごい人の本は、読めば高揚感は得られますが、読み手がその後の行動を実際に変えるのは想像以上に難しいことなのです。

今回紹介するのは、「成長したいけれど、成長の仕方が分からない」というビジネスパーソンの悩みにこたえる一冊。成長したいという気持ちを実際の行動に変えるためのヒントが詰まっています。

(以下引用は本書より)

「適切な目標設定をし、自信を保つためのあらゆる工夫をし、意識して小さな成功体験を積み上げ、ポジティブな人と付き合い、コンディショニングをし、仲間を作ってやっていくと確実に変わります。どんな人でも、成長し続けることができるようになります。」

著者は、『ゼロ秒思考』の著者として知られる赤羽雄二氏。マッキンゼーで14年間活躍した赤羽さんがまとめた、成長するための7つのポイントをしっかり押さえましょう。

アクション1:思い切ってハードルを下げる

成長したいと願う人ほど、目標を高くしがち。しかし、これまでの成果を無視して高すぎる目標を設定すると、自信がなくなり、最後までやりきれず、挑戦を止めてもいいのではという誘惑に負けてしまいます。

目標は、まず低めに設定して、達成感を得ましょう。三日坊主に終わっても、また気軽に再開できるようなものがいいですよ。得られた達成感が、さらなる成長意欲をかきたてるのです。

アクション2:つらくない努力、楽しくなる努力をする

高みを目指せば目指すほど、辛い努力の積み重ねこそが大事だと考えてしまうことがあります。しかし、「やみくもに頑張る努力」より、「結果が出る、楽しい努力」を考えていきましょう。頑張るのが辛いなら、楽しく頑張るようにする工夫も必要です。

仕事でも勉強でもそうですが、苦しいことは継続ができません。努力は、継続することによってはじめて実を結ぶのですから。

アクション3:自信を持つための工夫をする

成長するには、自信を持っていることが肝心。自信があれば、前向きな気持ちになり、挑戦する意欲が湧いてくるからです。

そのために、ポジティブな人と時間を共にしましょう。ポジティブな人と一緒にいると、やる気が出ます。自己肯定感が強まり、自信が生まれ、前向きになれるのです。自分を否定する人とは接することなく、ネガティブな気持ちは極力遠ざけましょう。著者も、ネガティブな方に気持ちが傾いている時は、できるだけポジティブな人と会うようにするそうです。

自分がいかに頑張っているか、調子がいいかといったことなどをメモに書くのも効果的。自分の頑張りが目で見て確認できるので、より強く、自分の努力する姿が目に焼き付き、自信が深まるでしょう。また、頭の中のモヤモヤはメモに書き出しておけば、心が落ち着き、解決策が浮かんだり不安が取り除かれたりする効果がありますよ。

アクション4:好循環を生み出す

「好循環を生み出す」とは、自分が打つ布石(準備・種まき)によって、成果に追い風を吹かせ、ねらいを実現することです。

例えば、発信力をつけるためのブログの投稿、講演の実施、リーダーシップをつけるためのプロジェクトへの参加、人を巻き込むための事務支援など。こうしたひとつひとつのことから得られた成果は、好循環を起こし、大元の目標の実現にもつながります。できることから試していきましょう。

アクション5:ポジティブ思考を身につける

ポジティブな人は、やり方を工夫して、目標を実現できるまで物事をやり続けることができます。一方ネガティブな人は、できない理由ばかりを言い、「今後どうしていけばいいのか」を考えません。

物事をポジティブに考えるかネガティブに考えるかは、自分で操作することができるもの。成長したいなら、ネガティブ思考は捨ててポジティブ思考にシフトすることです。

アクション6:コンディションを維持する特別な工夫をする

コンディションを維持することは、「努力の結果を引き出すための基盤」です。トップアスリートのように、コンディショニングに気を使うことで、ビジネスパーソンとしての戦闘力は上がり、成長が加速します。

具体的には、起床・就寝時刻、睡眠時間、食事、運動、音楽などの気分転換、オフィスの環境、照明などの最適化などです。

例えば、起床時間、寝る時間を変えないこと。規則正しく睡眠をとれば、眠くて怠い状態や、何となく体調がすぐれないといったことを防げます。起きている時間をフルに、全力で使うことができるのです。

また、心のコンディションを調えるには、相談できる相手を、5歳上、10歳上、同年齢、5歳下で、2人ずつ計8名を確保するといいそうですよ。異なる立場から様々な有益なアドバイスが得られるでしょう。

アクション7:人の力を借り、仲間と一緒に成長する

仲間がいれば、困難な挑戦であっても脱落しにくくなります。人は弱いもので、自分だけで頑張ろうとしても、すぐ諦めてしまいたくなります。部活動、プロジェクト、研究発表など、どんなケースでも同じです。

仲間の存在に加え、友人・周囲などから激励されたり承認されたりすることは、努力を支えるのにとても効果的。できる限り人の力を借りて、仲間と共に成長できる機会を作るとよいでしょう。

***

「たぶん一番嬉しいのは、「自分が成長している」と感じているときではないでしょうか。しかも、100%、自分の努力でコントロールできているときです。成長して、それまでできなかったことができるようになる。自信を持てるようになる。これは素晴らしいことです。一過性ではなく積み上げであり、自分の可能性がどんどん広がっていく感じがします。」

成長を実感するには、自分に自信を保つことが大切。そのためには、「自分への肯定感」「成長のための効果的な考え方と具体的な努力」「小さな成功体験の蓄積」が大事だと、赤羽さんは述べています。

さあ、成長への一歩を踏み出しましょう。

(参考)

赤羽雄二著(2016),『成長思考 心の壁を打ち破る7つのアクション』,日本経済新聞出版社.

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