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気づきのキャリア(88)ソフトバンク孫社長に学べ! 目標達成のためのすごいメソッド『高速PDCA』


Studay hacker に寄稿しました。

毎日忙しいのになぜか成果が出ない、こんなに働いているのになかなか仕事が終わらない、もしかして自分の能力が低いのではないか。そんな風に考えてしまうときはありませんか?

そのような方は、ぜひ「高速PDCA」を試してみてください。これは、ゼロからスタートしたソフトバンクを30数年で年商9兆円を超える規模に成長させた、孫正義社長の仕事技術です。

現在ソフトバンク社員約6万人超が実践するという高速PDCAプロセスは、特別な能力がなくても、どんな人でも使える技術なのです。孫社長の目標達成術とともにご紹介しましょう。

高速PDCAの8ステップ

「PDCA」とは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルを回すこととされています。しかし、ソフトバンクで実践されている「高速PDCA」は、「もっと早く、確実に」そのサイクルを回すのです。

では、高速PDCAとは具体的にどんな方法なのでしょうか。孫社長の右腕だった元ソフトバンク社長室長の三木雄信氏は、自身の著書『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA』の中で、以下のように説明しています。

1. 大きな目標を立てる(週、月単位など)

2. 小さな目標を立てる(1日が原則)

3. 目標達成に有効な方法をリストアップする

4. 期間を決めて、すべての方法を同時に試していく

5. 毎日、目標と結果の違いを検証する

6. 検証をもとに、毎日改善する

7. 一番すぐれた方法を明らかにする

8. 一番すぐれた方法を磨き上げる

例えば、新人の営業担当者がなかなか契約を取れないとしたら理由はどんなことだと思いますか? ①何も考えずに電話する②結果を記録しない③仕事を数字で管理しないの3つではないでしょうか。そしてこの例を、「高速PDCAの8ステップ」に当てはめて改善してみます。

1.「1ヶ月5件の契約を取る」を大きな目標に設定

2、「1日に10人の見込み客と3分以上話をする」という小さな目標を立てる

3.「見込み客リスト」を活用

4. 「見込み客リスト」に電話して「何分話せたか、どんな話をしたか」を記録

5. 1日の終わりに、小さな目標を達成できたかチェックする

6. 明日はどう電話をするべきか考える

7. 記録から様々な傾向に気づく(相手の職業や会話時間、会話内容など)

8. 記録をもとに、次の週は話しやすい属性の見込み客に電話をかける

このように8ステップを実行することで、経験やテクニックが少ない新人でも、目標を達成することが可能になるのです。もちろんこの高速PDCAは営業に限らず、制作やマーケティングなどあらゆる部署で活用できます。

孫社長の目標達成術

また孫社長は、驚異的なスピードで目標を達成しています。

19歳のときに立てた「20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を最低で1,000億円貯め、40代でひと勝負し、50代で事業を完成させ、60代で事業を後継者に引き継ぐ。」という人生50年計画の話は有名ですよね。

孫社長はなぜそんなことができるのか、その理由は「『なりたい自分』と『現在の自分』のギャップを最短最速で埋めるノウハウを持っているから」です。

そのノウハウをいくつかご紹介しましょう。

1.わらしべ長者戦略

孫社長は儲からない上に手間のかかる「ADSL事業」からスタートし、ボーダフォン日本法人を回収しました。これはゴールまで遠回りしているように見えて、実はゴールまで最短で到達する方法だったのです。まずはゴールとする大きな目標を立て(高速PDCAステップ1)、次に中間的な小さな目標(高速PDCAステップ2)を立てたと言えるでしょう。

このように、一見するとあまり価値がなさそうだとしても、まず今の自分ができそうなことから始めてみるのです。受験や就職などの大きな目標の前に、バイトやインターン、夏期講座など、今できる経験から自信をつけると良いですよ。

2.ナンバーワン戦略

また孫社長は「小さい市場」にターゲットを絞り、その中でダントツのナンバーワンになることで会社を大きくしてきました。確かにいくら頑張ったとしても、競争相手が多すぎてはナンバーワンになることは難しいですよね。そこで、自分で勝手に領域を区切ってしまうのです。フランス菓子の教室はたくさんあるかもしれませんが、チリ菓子講師という肩書はあまり聞いたことがないと思いませんか?

また自分の得意技を掛け算することでナンバーワンを名乗ることができるようになるかもしれません。例えば、「歴史が得意×釣り好き」「絵が得意×国歌マニア」「筋トレが日課×裁縫好き」などです。面接や接待などでナンバーワンアピールができるでしょう。

3.くじ箱戦略

孫社長がIT分野で起業したのは、「これから発展するのが確実な業界だ」と考えたからだそう。また孫社長は1990年代、「アメリカで成功しているビジネスは、日本でも成功する確率が高い。つまり当たりが多そうなくじ箱だから、どんどん引いていこう」とアメリカで成功している企業や事業と組んでジョイントベンチャーを次々に作っていました。

当たりそうなくじ箱を選ぶことは非常に大切なのです。海外で仕事をしたいのであれば、海外の事業所が多い会社や、海外展開に積極的な企業を選んでみることです。

***

三木氏の入社当時、初めて孫社長から命じられた仕事は「3日で経営要素1万件をピックアップしろ」という“むちゃぶり”でした。しかし孫社長自身は誰もが無理だと思っていることを次々とやりとげている……。

そこで三木氏は仕事のやり方を徹底的に分析し、仕事を滞らせている原因には、「計画に完璧さを求めること」「一球入魂主義」「期限の甘さ」「数値で設定されていない曖昧なゴール」「検証の中途半端さ」「自前主義」があることに気づきました。

ソフトバンクで実践されている“高速PDCA”は、この問題解決からきているのですね。

さあ、あなたも孫さんのPDCAをコピーして、大きな目標を達成しましょう!

(参考)

三木雄信著(2017),『孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA』,ダイヤモンド社.

三木雄信著(2016),『孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術』,PHP研究所.

リクナビNEXTジャーナル|ソフトバンク元社長室長が“むちゃぶり”から習得した「すごいPDCA」とは?

Wikipedia|孫正義

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