若い人へのコーチングのブログ記事をまとめました。

 

若い人へのコーチング(1) 「工学院生からのコーチングのフィードバック」

本日工学院大学院生にセミナーしてまいりました。非常にまじめに、ロールプレーをしていただきました。一番うれしかった感想は、「私は、社会人を2年してから、学生にもどりましたが、その時代、まさになぜできなかったのかという、思考をとめる質問をされつづけたので、非常によくわかります。質問には、答えを考えらせる質問と、ただ服従させる質問があることを。」でした。

 

若い人へのコーチング(2) 「コーチングとアイデアソン」

最近、アイデアソンというのがはやっています。たとえば、TOYOTAさんがやられているように。

「TOYOTA HackCars Days 2014 in Tokyo」では、クルマに関するアプリを開発した。デザイナーやプログラマー、企画など様々なスキルを持った人材が集まり、中には父親と一緒に参加した小学5年生の女の子もいたそうです。企業の中で各人が役割分担をすると、どうしても他部署や他人のすることに対して物申せないという遠慮が出て、それが結果として仕事の質を落としているかもしれないことに改めて気付かされるそうです。インテルの場合でも、新しい発想には、経験のないひとの考えが大切だということがわかりました。 

 

コーチングする場合も、コーチがクライアントよりもすぐれていなければいけないと考える人がいます。かならずしもそうではありません。実際は、コーチの知見よりも、クライアントがどれほど、自分の内省力に第3者の見方を利用できるかがカギです。私の、ケースでも優秀な人ほど、改善する時間と、コーチングする時間が反比例しています。コーチの力量よりも、自分の気づかない領域に対するクライアントの覚悟と柔軟性の方が大切なのです

 

若い人へのコーチング(3) 「勇気づけるコーチング」

ビジョンがわからない。なぜかモヤモヤしているなどの問題と同様に、一番最近若者で多いのは、自分の決断に自信がもてないなど、不安があるといことです。私は、このようなケースでは、できている小さなことに眼を向けて、勇気づけることをメインにコーチングしています。あれもできてない、これもやってない確認ばかりすると、自分自身がダメでできない人間だとだと思って、元気がなくなってしまう場合が多いので、気をつけています。特に、女性や、若者にこの傾向があります。自信のある、エグゼクティブ候補には、着眼点をたくさん与えるだけで、自分で取捨選択して、自分をモチベーションできるのですが。

 

若い人へのコーチング(4) 「英語よりも、MBA よりも、コーチングが21世紀には重要だ」

IT 系の若い起業家(スタートアップ)たちもコーチングで支援しています。

20~30 代の経営者にはたいへんなパッションと行動力があるのですが、エンジニアやweb デザイナーにはコミュニケーションが得意でない人もいるので、経営スキルで行き詰まることがあるんです。そこにコーチングを使って新しい視点を持ち込み、コミュニケーションや情報共有の仕方を教えると、チームとしての成果は挙がります。若い企業家やプロデューサーが次のステップに進むには、コーチングは非常に効果的だという評価をもらっています。これは発見でしたね。

 

若い人たちに伝えたいのは、「英語よりも、MBA よりも、コーチングが21世紀には重要だ」ということです。一度コーチングスキルを手に入れれば、自分を客観的に見つめて直していくことが一生できます。コーチングは、あなたの社外取締役。

 

社会人もまた同じ。英語ができて、MBA の資格があっても、チームプレーヤーでなければこれからはうまくいかないでしょう。そういう人が多いのはすごく残念です。

また、自身を客観視できないので、メンタル的に煮詰まる人が多いですね。どこに問題があるのか、どこに可能性があるのか分からなくなってしまうのです。

英語よりもMBA よりも、コーチングは簡単で自分の可能性を広げる効果が確実にあります。

 

若い人へのコーチング(5) 「昔のトラウマ」

最近の若者の中には、若いころの経験がトラウマになって、反対行動をとっている人が多いです。たとえば、学校ででしゃばって、仲間外れになったたので、なるべく人前では、自分の我を殺しているとか。意見を言っても否定されたので、人の言うことにしたがっているなど。こういった人には、昔はそうだったかもしれないが、今はその心配がないような小さいグループや、親しい場で自分の意見を話させたり、みんなをまとめたりする、小さな成功体験をつませてたりしてもらいます。やる気のない人には、やる気のある人の近くにまずいかせるなど。できることから、過去の体験大家にどおりにならない経験をつませていく必要があります。

 

若い人へのコーチング(6) 「スタートアップチームのためのコーチング 1 特徴」

スタートアップの人たちにコーチングして気づいたことは、今の若者の中では、リスクをとって起業して、キャッシュポイント・稼ぐ力を考える地頭も強いので。非常に稀有な人材です。

特徴として、

•行動動力・説得力がある。

•なにをやっても到達点が高い。

•ゆるぎない信念をもっている

••考え方が普通ではない。

•モチベーションをあげつづけている

などがあります。チームに同様に地頭の強い、人ばかりがいればよいのですが、普通の人がまじると、自分と比べてスピードが遅かったり、分析が不十分でないので、イライラしてあたります。スティーブジョブズや、ザッカ-バーグのように。そのためやめる人や、つぶれる人が続出して、組織がなりたたなくなるスタートアップもあります。タイプ別に、コミュニケーションを変えたり、モチベーションをあげる仕組みをつくることで、組織の一体感をあげていくことが必要です

 

若い人へのコーチング(7) 吉田松陰は最高のコーチだった

萩の吉田松陰の松下村塾と松陰塾に、行ってきました。志(目標)を確認して、門下生のタイプ別に対話式でやる気をださせることで、片田舎の79名の門下生から2名の総理大臣と10数名の大臣を輩出しています。門下生には、武士の子も、農民の子も、商人の子もいたそうです。「あなたは何のために生まれてきたのか」「あなたの生まれてきた役割は何か」と門下生に問い、さらに、松陰は、「あなたの長所はこんなところだ。それをどう世の中に役立てたらよいだろう?」と問いを続けたとのこと。「指導」ではなく、長所に気づかせ、門下生一人ひとりに考えさせました。「前向き」な気持ちになれるか、いかに自分に「自信」が持てるかを、個別の手紙やあだ名をつけて気にかけたそうです。対話法で、「至誠や志」を教えたながら、究極の「自己分析」をさせた。その結果、英語もさべればいのに、洋行したり、軍備を勉強してかえってきたりして、高杉晋作や、伊藤博文など、維新をつくる人材にそだったのです。来年の大河ドラマだそうです。「吉田松陰版コーチング」ですね

 

若い人へのコーチング(8) 「スタートアップチームのためのコーチング 2 組織フェーズ」

スタートアップの方から、よく質問をうけるのが、組織フェーズ(小さい集団から大きくなる場合)の段階におけるコミュニケーション頻度と内容についてです。これは組織内のチームメンバーの成熟度と役割の権限移譲によります。また、会社のビジネスモデル(とがった製品開発なのか、PDCAを早く回す人材紹介やWEB受託なのか)によっても人材に要求される質が違います。私のコーチング事例では、成功例としてはは、チーム内での問題共有、タイプ別への相手の気の使い方、新人の育成の仕組み、リーダーの自信がついて営業成績とチームワークがあがったことなどがあり、失敗例としては、あまりリーダーの行動が変革せず、また戻ってしまうこと。退職率は減らなかったこと。リーダーがメンバーに気を遣いすぎてスピードが落ちること。などがあります。インターンなどの人材育成では、個人のタイプ、習熟度に応じて、誤解しようのないタスクレベルまで落として、リーダーの側から確認して、自信をつけさせることが重要です。私も、一番気を付けているのは、できないことよりもできる強みにフォーカスして自信をつけさせることです。最終的には、基本はメンバーを家族と思えるほど相手に関心があるかです。

 

若い人へのコーチング(9) 「スタートアップチームのためのコーチング 3 共有ゴール」

時々戦略合宿などにまねかれてコーチングの内容をはなすときに、チームでやるワークショップがあります。会社と個人で、Keep(強み)、Improve(改善する)、Wish(ワクワクするビジョン)をポストイットで各自貼ってもらって、それにほかのメンバーがコメントしていくのです。たとえば、Aさんが気づいていない良い部分などを、再確認するのです。みんなで考えることがはっきりして、会社として足りないこと、手をつけていないこともはなしあえます。よくあるのは、人材育成や、ビジョンの明示化です。

 

若い人へのコーチング(10) 「炎上するかスルーか」

はっきりと意見を言うと批判されてしまうことを恐れて、「自分がこうだと思う」というポジションをとれない若者が増えています。どんな意見にも必ず、いい面と悪い面があるので、negativeな炎上はさけられません。その場合。スルーすると少しずつ均衡化しながら鎮静していきます。エグゼクティブコーチであるマーシャルも悪口を言った本人は寝ているのだが、言われた当人は悔しくて眠ることができないと言っています。特に女性には。こころの筋肉を強くして、negativeな意見はスルーして忘れてしまうように、コーチングしています。ブロック、ブロック、削除、削除。以前よりもSNSにより、自分のいやな批判が目につくようになっているので、「意図的に見ない、聞かない、感じない」ように習慣づけることが必要です。

 

若い人へのコーチング(11) 「スタートアップチームのためのコーチング 4 組織・人材のカベ」

今週2日間、続けてスタートアップ向けに、コーチングのワークショップをする機会がありました。いつも感じるのは、問題意識・質問が非常にレベルが高く、経営陣には最高の人材が集まってきているのを感じます。いつも最初に、ワークショップに対する期待値を聞いているのですが、共通することがありました。みなさん、組織の仕組み・人材育成・自発的現場力などの課題をあげられます。その理由としては、社内での対場からくる危機感のGAPや、情報量の不一致、ワクワクするビジョンの言語化・伝え方、中途半端な権限移譲などがあります。リーダーが、こういったことに気づいて、あくまで個別に各自の強み・弱みを、意図をもって対話法で質問しながら、言語化してGAPを埋めていかないと、画一的なやり方では対応できないのです。

 

若い人へのコーチング(12) 「理系でおたくの時代が来た」

30年前に、私が卒業したこところの就活では、体育会系のリーダーで、元気があって、地頭がつよい学生がもとめられていた気がします。その頃の、1番人気は、東京海上火災や、住友銀行でした。営業などで、お客に好かれる気配り力、人間力が評価されていたからです。最近、若いベンチャーの経営層をみていると、理系でおたくで、空気を読まずに、真理を追究するタイプが、みとめられているような気がします。デジタルとクラウドの進化でにより、対面でお客に気に入れられるよりも、データを分析することで、微妙なすりあわせや嗜好のアルゴリズムを、公式化できるからです。

 

若い人へのコーチング(13) 「自分に何が向いているかわからない? 松下村塾に学ぶ『なすべきこと』の見つけ方。」

 

Study hackerでの掲載記事を添付します。

 

「わたしに何が向いているのかわからない。」という悩みをよく聞きます。自分にもっと向いているもの、何か別に得意なことがあるのではないかと考えてしまうのです。一説によると、若い人で目的がはっきりしているひとはおよそ3分の1だそうです。残りの人達は、現状にモヤモヤとした気持ちを抱きつつ過ごしているということですね。介護ロボットの分野で有名なサイバーダイン社の山海教授は、そういった悩みを抱える学生に「まず、元気のある、熱量の高い学生のそばに行きなさい。」とアドバイスするそうです。これには一体どんな意図があるのでしょうか。

元気のある熱量の高い学生たちのそばにいくと何が起こるのか?

山海教授は、「元気のある学生のそばに行くと、その熱量に影響され、それまでモヤモヤと悩んでいた学生のエネルギー量があがってくる」と言います。ハングリーさ、根気強さが育まれチャレンジできるようになるそうです。とても単純なことにも思えますが、その効果は見違えるほど。チャレンジできるようになると、好きなことや夢中になれること、得意なことを発見できるという訳ですね。

なぜハングリーさが大切なのか?

著名なグローバルリーダーのひとりである藤井清孝氏によると、最近のシリコンバレーの起業家には東欧・ロシア・インド・中国などの移民系の人たちが多いとのこと。移民である彼らの、ハングリー精神や執着心が成功の要因となっているのです。また、アメリカには、才能あるハングリーな若者をサポートしてビジネスを大きくするシステムがあります。例えば、写真投稿SNSのインスタグラムなどは、社員10名の時期におよそ1千億円の調達を果たしました。一方日本にも、若者のハングリー精神を利用して活性化に成功した例があります。それは、「大相撲」。近年活躍するモンゴル人力士は、その激しさ、ハングリーさ、熱量で角界を魅力ある場所にしてくれています。

松下村塾の「対話法」と「集団欲」

大河ドラマ「花萌ゆ」は、吉田松陰の松下村塾に集う幕末志士たちのお話。

身分や学問経験を問わず学ぶことができたその私塾から、明治維新を果たし、その後の日本を形づくった多くの偉人が輩出されました。萩の片田舎の、どこにでもいそうな若者たちに、どうしてあんなにも大きなことができたのでしょうか。松下村塾では何が起こっていたのでしょうか。「対話法」と「集団欲」というふたつの視点から考えてみたいと思います。

「対話法」とは、簡単にいうと、教え込むのではなく対話によって動機付けをさせること。

松陰は、「あなたは何のために生まれてきたのか」「あなたが人生で果たすべき役割は何か」と門下生に問い続けます。門下生それぞれの志を確認し、その上で「あなたの長所はこんなところだ。それを世の中にどう役立てるのだ。」と対話をしていくのです。それは「指導」ではなく、ひとりひとりに深く考えさせるプロセスでした。前向きな気持ちを持ち、自信をつけることができるか、細かく気に掛けたそうです。いわば究極の「自己分析」をさせたのです。対話法により、79名の門下生から2名の総理大臣、十数名の大臣を輩出します。中でも、高杉晋作や伊藤博文は、維新の中心となる人材へと育てられました。その時の原動力は「集団欲」であったと、松陰神社の松田学芸顧問(90歳)はおっしゃっています。よい集団の中にいれば、お互いに影響を与えあい、啓発し合い、勇気づけられます。これを「集団欲」といいます。

「力が目覚めるとき。自分の中に眠り、まだ日の目をみない人望と才能。それを引き出してくれるのは、ほぼ例外なく自分の仲間になる人か、自分の師匠にあたる人物です。だからこそ、品格が高い人ほど、「誰と付き合うか」をいつも真剣に考え、激しく選んでいるのです。」

引用 覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰  池田貴将

松陰の門下生は、自分が日本のために何をなすべきか、対話法を用いて問われました。

そんな門下生同士の「集団欲」によりエネルギーを満たされ、自信を深めていった塾生たちは、外国語もままならないまま、想いだけを胸に外遊します。欧米列強に侵略されていしまった清国の轍を踏まないよう、軍備や社会制度を学んだのです。そして彼らは、日本の明日のために幕府と戦う勢力の中心となっていきました。

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いかがですか?

熱量の高い人のそばでみんな影響されたんですね。熱い夏に、熱い人たちを探してそばに行きましょう!

 

若い人へのコーチング(14) 「変わらなきゃ!」を邪魔するのは自分自身。 理想の自分になるために知っておくべき『こころの免疫機能』

変わりたい、変わりたいと思っていても、どうしても変われない人たちがいます。

一説によると、何かを変えよう、始めようと思って実際に行動に移せるのは15%程度だそう。変わる必要性を認識していても、85%の人が行動を起こせないのはなぜなのか?

今回は、その理由を「免疫とトラウマ理論」から説明している本を紹介します。

「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」

ロバート・キーガン著 リサ・ラスコウ・レイヒー著 池村千秋翻訳

英治出版 2013年

本書によると、自分自身を変えるためには「こういう理由で変わりたいのだ」というモチベーションだけでは足りないそう。それよりもむしろ、変化を阻害する原因、阻害行動を起こしているトラウマをつかむことが重要だと説明されています。

私達が直面する多くの課題は、まず全体像を把握し、阻害原因をきちんと把握しないことには解決はできないのです。

免疫マップとはなにか?

口では変えたいと言いながら、本心では変わりたくないと思っている。本書は、その思考のメカニズムを、「免疫マップ」という概念によって説明していきます。

変化に対して自分を守ろうとする働きは、次の4つのステップで説明できます。

1.改善目標

(例:「これからは意見をはっきり言おう!」と目標を決定する)

2.阻害行動

(例:目標を立てたものの、意見を否定されることを懸念して発言できない)

3.裏の目標

(例:自分ができないことが知られてしまう。それを避けよう)

4.強烈な固定観念

(例:どうせ自分の意見は、上司に否定される)

 

最初に目標を立ててから、結果的に行動を起こさないと決めるまで、上記のプロセスを踏んでいると考えるのです。

特に気になるのは、4番の「強烈な固定観念」。

せっかく新しいことを始めようとしても、「いや、絶対◯◯に決まっている!」という強い思い込みがあったら、うまくいくものもうまくいきません。

このような場合には、「ちょっと待って。あなたの意見を常に否定した上司は今もあなたの上司?人は同じだったとしても、環境が変われば違う対応を取るのでは?そもそも、あなたが失敗したとしたってそれは職場の発展のためにやった行動であって、何一つマイナスではありませんよ」と、一つ一つトラウマを取り除く必要があります。

人間は何か新しいことを始めようとすると、ついつい自分自身を正当化する言い訳を探し出してしまいます。それを、一つ一つ消していく作業が必要です。

 

あなたのトラウマはみつかりましたか?

 変革が進まないのは「意志」が弱いからではなく、「変化⇔防御」という拮抗状態を解消できないからだと説きます。

「変革を実現できないのは、二つの相反する目標の両方を本気で達成したいからなのだ。

阻害行動を改めることによって問題を解決しようというのは、・・・技術的なアプローチによって問題を解決しようとする行動の典型。

しかしほとんどの人は、このやり方ではうまくいかない。

ハイフェッツに言わせれば、リーダーが犯す最も大きな過ちは、適応を要する課題を解決したいときに技術的手段を用いてしまうことだ。

(引用元:「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」)

いかがですか?

私たちも、組織はある程度上手くいくと、もう変わらなくていいような気がします。変わることの不安定さや恐怖に直面して、 自分を防御している状態です。しかし課題を解消するには、痛みや不安を乗り越えなけれなりません。なかなか変化できない時には、「自分の免疫は何だろう。」「自分は何を一番恐れているのだろう?」まずそこにしっかりと向き合いましょう。

参考

「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」

ロバート・キーガン (著), リサ・ラスコウ・レイヒー (著), 池村千秋 (翻訳) 著 英治出版 2013年

 

若い人へのコーチング(15) 自分で見つけた答えは一生忘れない。

NHKの奇跡のレッスン(海外の一流プロコーチの教え方に学ぶ)で、フットサルのコーチが、子供のチームを教える時に、「何が何でも自分で答えを見つけさせる」ため、我慢強く、問い続けることが大事だと説いています。型にはめたり、外から押し付けたり、答えを教えると自分では考えない。幾つかのアイデアや、着眼点を与えて、自分で答えを選ばせる、失敗が最良の教師なので、怒らない。萎縮してしまうので。どんなアドバイスよりも自分の経験から学べるように辛抱強く問い続ける、相手の目標、目線に合わせて、信頼関係を築くために、チームのバランス(性格や年齢)を重視する。まさにコーチングのお手本ですね。

 

若い人へのコーチング(16) 羽生選手のコーチ、ブライアン・オーサー氏に学ぶリーダー術

Study Hackerに寄稿しましたので引用します。

世界最高点322点を取った羽生結弦選手のコーチであるブライアン・オーサー氏は、自身もオリンピックで銀メダルを2回とった選手でありながら、その経験ややり方を押し付るのではなく、選手ごとに異なる自信を与える方法で成果を出しています。

キム・ヨナ選手、ハビエル・フェルナンデス選手など、全く違うタイプの選手の個性を見極め、選手に合った練習方法、モチベーションの高め方を利用するのです。

コーチはたとえクライアントよりもよい成績をもっていても、押し付けてはいけない。重要なのは、羽生君にあった技術とゴールを決めること、誰でも異なるクセがあるので、それを見極めることである

出典:「チーム・ブライアン」講談社

その指導の結果が、今回の最高得点。頭ごなしに練習をさせていくのではなく、自分で考えさせ、導き、生徒に寄り添って指導して行く「チーム・ブライアン」のコーチング法をみてみましょう。

ピーク・パフォーマスをコントロールする

キム・ヨナ選手、浅田真央選手、羽生結弦選手など、アジア人は苦しくて辛い練習であるほど、良いと考えてしまうそうです。しかし、オリンピックで調子を最高にするには、その前に練習しすぎないこと、失敗しても気にしないことが大事だと説きます。

やみくもに長い練習や、きつい練習をするのではなく、それをあえてやらせずに練習不足だと思わせない。採点のポイントをあげるためには、「華があり、皆がとびたがるトリプルアクセルなどの難しい技を、あえて選ばせないことも重要だ」と説いています。基礎スケーティングをしっかりやることが、ジャンプの安定につながり、オリンピックのような大舞台では緊張に押しつぶされずにどれだけ日常状態でピークを迎えられるかが鍵だそうです。

本番の入試の前に、難問ばかりやって、自信を失うよりも、基礎をしっかりやることに共通しますね。

 

個性に合った指導をする

「放っておくと、1日中寝ています」と自分自身も語っているハビエル・フェルナンデス選手は、コーチがしっかり管理しないと、寝坊したり靴紐に気をつかわなかったり集中力が持たないので、怒らないで細かくフォローして面倒を見る必要があります。

反対に羽生選手は真面目すぎて、すべて完璧にやりたがり事前練習で疲れてしまう時があるそう。羽生選手に対しては、たとえ調子が悪い時があっても心配させないようにルーティンを決め、オフをとって休ませるなど、全く正反対の二人には、違ったアプローチを行っています。

「結弦もヨナも、私のところへ来る前から的確な指導を受けていた。だからこそ国際レベルに成長した。過去の指導を否定したり、クセを直そうとしてはいけません。選手のすべてを受け入れ、こちらが合わせるのです」

「結弦と2年間やってきたことは、結弦の性格や練習のタイプを知り、彼が求めているモノを与えることです。彼の場合は自分で考えながら練習したいタイプですから、むやみに口出しすることは控えました。私はトリプルアクセルが得意でしたが、私と同じフォームで跳べと言ったことは一度もありません」

(引用元:「チーム・ブライアン」)

以上の発言からも、自分の成功体験を押し付けない、選手個人個人の性格をしっかりと見極め、その結果一人一人の性格に合った指導法を導きだしている様子がうかがえます。

リーダーだからって抱え込まない。指導者をあえて増やす作戦

また、「チーム・ブライアン」と呼ばれるだけあり、スピン、ジャンプ、メンタル、振り付け、マーケティングなど、分野別に20人ぐらいの専門家に任せることでプログラムの指導を完璧にします。やろうと思えば自分で全てできる分野であっても、それぞれ細分化して専門家をつけることで、より高度でロジカルな指導が可能となったのでしょう。このチーム、驚くことに、結成以来8年間誰も辞めていないそう。そこにも、チームや選手の満足度が表れていますね。

ラグビーのエディー・ジョーンズ監督は、スクラム強化のために元フランス代表の選手を呼び寄せて特訓をした結果、春シリーズでのスクラムのクリーンボール供給率は80%を超えた、と話しています。

このように、任せられる部分は全幅の信頼を置いた他人に預けることもチームのパフォーマンス向上におおいに役に立ちます。

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いかがですか?

選手に対してはもちろん、監督仲間にも自分の考えや方法を押し付けず、それぞれの個性や指導法を尊重して、まさにチーム一丸となって最高の結果を導きだしたことが分かります。

日本でよく、「トップ営業マンが良い上司になれるとは限らない」と言われますが、それは成功体験があるからこそ自分の経験を押し付けがちだから。チームのメンバーの性格や得手不得手はあなたとは違います。チーム運営で結果を出すリーダーを目指す方にすごく参考になりますね。

まずメンバーの性格をしっかりと考えるところからスタートしてみましょう!

若い人へのコーチング(17)ベンチャーでのコーチングが効果的な理由

Business Nomad Journalに寄稿しましたので引用します。

これまでインテルでの経験と、大企業でのリーダーのコーチングの具体例についてお話ししました。今回からは、ベンチャーでのコーチングの事例についてご紹介します。ベンチャー向けのコーチングで、いつも感じるのは、ベンチャー創業期の人材は、問題意識・質問のレベルが非常に高く、経営陣には、同世代で最高の人材が集まっていることです。

 

一方で、ベンチャーでは組織の拡張に応じて入ってくる人材とのスキルやメンタリティのギャップが生まれやすいとも言えます。さらに、成長期のベンチャーでは、商品開発や技術力のみが注力されて、組織力、社内のインフラ作りが後回しになりがちです。リーダーが、こういった違和感に素早く気づいて、意図をもって対話法で質問しながら、言語化してギャップを埋めていかないと、画一的なやり方では対応できないのです。

 

ベンチャー創業期の質の高い人材、チーム拡大に伴って訪れる危機

起業してベンチャーで働いている人たちは、すでにリスクをとって起業して、ビジネスモデルとキャッシュポイントを考えて行動する強い意志と行動力を持ち合わせています。

 

これまで多くのベンチャー経営層をみてきて、彼らの特徴として、同世代の就活している若者と比べ、以下の5点について卓越している傾向にあります。

行動力・実行力がある

目標の高さ、到達するべき点を高く設定している

意志の強さ。ゆるぎない信念をもっている

考え方の柔軟さ。(いい意味で)普通ではない考え方ができる

モチベーションの高さとそれを維持し続けている

 

経営陣と同様に、チームにも地頭のよさと事業への執着心の強い人ばかりが集まればよいのですが、組織の拡張に応じて、どうしても(経営陣と比較すると)普通の人やスローな人が混じってしまいます。

すると、創業期の経営陣からすると、自分と比べてスピードが遅く、アウトプットが不十分と感じることがあります。ベンチャーの拡大期には、そのプレッシャーを受けてやめてしまう人や、つぶれる人が出て、結果として組織がなりたたなくなるケースが多くあります。

 

インフラ作りがあとまわしになると、成長期のボトルネックに

特に、成長期のベンチャーでは、商品開発や技術力のみが注力されて、組織力、社内のインフラ作りが後回しになりがちです。

 

インフラ作りがあとまわしになると、今度は成長期のボトルネックになり、組織構造の歪み、社員同士の好き嫌い、情報共有の不足、信頼関係などが、商品開発のスピードに影響してくるのです。こういったところに、第三者であるコーチが入ることに意味があります。コーチが、社員の不満・希望などを吸い上げ、共感しながらCEOに課題をまとめて、対策を立てていくことができるのです。

 

組織フェーズの変化に伴い、変化するコミュニケーションの頻度と内容

組織フェーズ(小さい集団から大きく・複雑になる場合)の段階において、必要なコミュニケーション頻度と内容は変化していきます。これは組織内のチームメンバーの成熟度と、役割の権限移譲の進捗度に応じて変わっていくからです。

 

また、会社のビジネスモデル(先端的な製品開発なのか、PDCAを早く回すことが大事な人材紹介ビジネスやWEB受託なのか)によっても、人材に要求される質が違ってきます。

いずれにせよ、チーム内での問題共有、タイプ別への相手の気の使い方、新人の育成の仕組み、リーダーの意思決定迅速化・自信増強などへの必要性を認識し、仕組みで解決することにより、営業成績とチームワークがあがっていくことは確実です。

 

また、スタッフのタイプ別に、指示や励ましのコミュニケーションのスタイルを変えたり、モチベーションをあげる評価の仕組みをつくることで、組織の一体感をあげていくことが可能です。例えば、インターンや新人などの人材育成では、個人のタイプ、習熟度に応じて、誤解しようのない作業タスクのレベルまで落として、リーダーの側から確認して、自信をつけさせることが重要です。

 

そうでないと、「退職率が減らない」、「リーダーがメンバーに気を遣いすぎてスピードが落ちる」、「リーダーが自分の悪い行動(怒る、人の言うことを聞かないなど)を変革せず、また戻ってしまう」といったよくない状況に陥ります。

 

私も、コーチングの際に一番気を付けているのは、できないことよりも、各自のできる強みにフォーカスして自信をつけさせることです。チーム力を上げるには、メンバーを家族と思えるほど相手に関心を持ってもらうことが、遠回りのようで近道です。

 

リーダーが気付くべき組織の違和感

組織の仕組み・人材育成・自発的現場力などの課題を、もう少し具体的に見ると、社内での対場の違いからくる危機感のギャップや、情報量の格差、ワクワクするビジョンの言語化・伝え方、中途半端な権限移譲などがあります。リーダーが、こういった違和感に素早く気づいて、個別に各自の強み・弱みをに沿って、意図をもって対話法で質問しながら、言語化してギャップを埋めていかないと、画一的なやり方では対応できません。

 

解決方法の一つとして、例えば会社と個人の行動について、Keep(強み)、Improve(改善する)、Wish(ワクワクするビジョン)をポストイットで各自貼ってもらって、それにほかのメンバーがコメントしていくといったことも効果的です。Aさんが気づいていない彼の(彼女の)良い部分などを、みんなで再確認するのです。頭で考えることが明文化されてはっきりして、会社として足りないこと、手をつけていないことが話し合えます。

 

問題が複雑に、変化が速く、競争が激しくなればなるほど、仕事へのコミットメントと同時に、個人の価値観が仕事のそれと合致していることも求められるからです。

 

重傷になる前にケアする

このように悪い情報や問題の兆しを、リーダーと早期に共有することで、大きな問題になる前に対処することができます。怪我のうちに応急処置をして、悩みを聞き、すぐに部下にヒーリングや面談などで対処することで、退職や休職などの「重傷」になるのを防げます。経営層や社員にコーチングしてから約1年で、問題を発見して素早くケアするようにしてから、離職率がゼロになったケースもあります。創業期のベンチャーは、仕事が雑多で、非常にみんなが忙しくて、人間関係やコミュニケーションなどの小さな問題の芽を見逃しがちです。そういった時に第三者であるコーチが、客観的な視点を与えて、早期に対処することで、防ぐことができるのです。

 

理系で「オタク」の時代が来たからこそ、アナログのコミュニケーションが重要に

30年前に、私が卒業したこところの就活では、体育会系のリーダーや主務が、元気があって、気配りができ、地頭がつよい学生としてもとめられていました。就職先としてのその頃の1番人気は、東京海上火災や、住友銀行、マスコミなどでした。営業などで、お客に好かれる気配り力、人間力が評価されていたからです。

 

一方で、最近の若いベンチャーの経営層をみていると、理系でオタクで、空気を読まずに、真理を追究するハッカータイプが増えているような気がします。デジタルとクラウドの進化により、対面でお客に気に入れられるよりも、データを分析することで、微妙なすりあわせや嗜好のアルゴリズムを、公式化できるスキルが、評価されるようになっています。

 

デジタル機器を使いこなすのが当たり前のこの世代は、アナログなやりとりを苦手としがちで、彼らがチームでのリーダーになった際に、チャレンジとなっているのがコミュニケーションです。

 

立場がちがうと思いが違う。リーダーと部下のギャップ

「どうも言っていることが伝わらないんだよね。なんか、皆フンフンといっているんだけど。」と不満を話すベンチャーのCEOがいました。

なぜ伝わらないか?それは、立場がちがうからです。リーダーのビジョンが浸透しない、現場から能動的に意見がでてこないなどの不満を抱えているリーダーの話は非常に多いです。伝えるために、わかりやすい話で、何回も話すといったやり方はよく本にでていますが、どこまで理解できているのか一つ一つ確かめながら話さないと伝わらないのです。

 

「これは、あなたにとってどういう意味なの。どうすればあなたが貢献できると思う?」など、誤解しようのないレベルまで掘り下げて話してみないと、100万回、「顧客が大事」とつたえてもつたわらないでしょう。特に、リーダーが信頼されていない場合には。

リーダーは全体をみています。部下は、共有されていない情報があり、自分の立場の関係が不安です。このギャップは想像以上に大きいのです。リーダー自身から部下に歩み寄っていかないとなにも変わらない。そのポイントを気づかせてくれるのがコーチなのです。

 

「バカヤロー、でも俺はお前のことを考えてるんだよ」では伝わらない 

もうすこし、ギャップの部分を中立的にみることの重要性について話します。

 

例えば、フィギュアスケート競技のトレーニングでは、自分では3回転をしているつもりでも、2回転でしたよと客観的なデータや画像でみないとわかりません。同様に、メンバーとの人間関係のなかで、なんとなく気まずくなっているときに、「前の会議で攻撃したためか」「前の発言が刺激したのかな」と考えるものなのですが、自分で思っているのとは別の理由かもしれません。物事は客観的に、中立的に見ておく必要があるのです。

 

チームの関係の質を高めるには、まず自分のリーダーシップを高めなければいけません。例えば傾聴や感謝など、個人のリーダーシップの質を高めて、あの人を応援したいと思ってもらわないと、リーダーがいくらビジョンを語っても動かないのです。

 

最初はプロダクトを作るためにメンバーが集まり、チームを作っていくだけであっても、人が増えていくにつれて、ビジョンやミッション、人事制度が必要になってくるのです。

 

 

暗黙知・経験値の共有。チームとして成果をあげるには

「個人のモチベーションはあがっても、それが組織力になるのか?」という質問もよくあります。コーチングして、発奮して、やる気はでますが、チームとして成果をあげるには、経験値とスキルが、チーム内で迅速に共有できなければなりません。

例えば、「これぐらいでわかるだろう」という上司からの教え方がなぜ機能しないかについては、タスクレべルまでおとして分析してもらう必要があります。課題を明文化して、本質を分析しながら、なぜそう判断したのか。その判断した背景を要件定義することで経験値を類型化して、共有しやすくします。このように手間がかかりますが、どんな暗黙知も、経験=知識、スキル=評価基準、言葉の選択・ストーリー構成=フローチャート手順と分解することで伝えることが理解しやすくなります。

 

現在は、引き継ぐべき経験値や暗黙知の境界が複数に広がっていることが、マニュアル作りを難しくしています。同じようなプロセスで単純化して仕事ができた時代には、マニュアルが有効でした。しかし、商品の幅が広がり、競合する分野もかさなり、なによりもあっという間に陳腐化してしまうほどスピードがはやいので、マニュアル作りしても、すぐつかえなくなってしまうのです。

 

無印良品のようにマニュアルを誤解しようのないレベルで、こまかく改定できるか。GitHubのようにログが残っているたくさんの情報から、タグだけで検索できてそのエキスをつたえられるようにする。インデックスと、検索のインテリジェント化がもとめられます。「社内知識のNAVERまとめ」が不可欠なのです。

 

次回は、ベンチャーの中で実際に起こった事件の中で、振り返りとコーチングによって気づき変わることができたリーダーの具体例と、それぞれの仕組みやよい質問をタイプ別に詳しく話したいと思います。

 

 

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