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気づきのキャリア(58)元インテル役員が語る「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」 第2回:インテルで出会ったリーダーシップ・ロールモデル。ビジネスノマド・ジャーナルに寄稿しました。

 

ビジネスノマド・ジャーナルに寄稿しました。

第2回は、インテルのリーダー達の成功哲学。「インテルで出会ったリーダーシップ・ロールモデル」です。

これまで20年以上いたインテルの中でも、グローバルリーダーのトップになるのにキャリア上なにが大切なのか、自分で観察したり、トップエグゼクティブ一人一人にその成功哲学を聞いてみたことがあります。その中でも、特になるほどと参考になったものを思い出してみたいと思います。

アンディ・グローブ:シリコンバレーの巨人の強烈な執着心と自己規律

インテル3番目の社員であり、そのCEOの任期中、インテルの時価総額を24倍以上に押し上げたというシリコンバレーの巨人、アンディ・グローブ。よく知られているとおり、アンディは人にも自分にもすごく激しいリーダーでした(前回)。競争への激しい執着心とDiscipline(自己規律)のロールモデルです。

自己規律の例としては、エレベーターを使わない方が体に良いということで、1階のカフェテリアから、お盆の上に乗せたランチを両手に持って、4階のオフィスまで階段をゆっくりと登っているのを何度も見ました。それを見ても誰も止めませんでした。

執着心という点では、ある時CFOに質問があった時、話しながらCFOの後をずっとついて行きます、そして、彼がトイレに入ってもドアの前で話し続けているのです。トイレから出て、手を洗っても横でまだ話し続け、ついには彼が次に会議の部屋に入る時に、さすがに会話を終わらそうとドアを閉じようとすると、その間に顔を挟みながら言った言葉が「Are you disappearing?(あなたは逃げようとしているのか?)」。見ていて強烈でしたね。

アンディ・グローブは常に未来へのはっきりとしたビジョン(目標と方向性)を語りながら、社員を鼓舞しました。不況で、一時的に売り上げが悪くなった時に、「Recession always ends(不況には必ず終わりがある)」と言って、鉄鋼業界の歴史とグラフを見せ、戻った時の準備を我々はすぐにしなければいけないと話していたのが印象的です。

インテルの世界中の営業・マーケティング部隊を集めた年初の営業会議では、最後にQ&Aというアンディへの質問ができるコーナーがあります。その時、質問コーナーのマイクの前で並んで順番を待っている時の緊張感は半端ありません。一度、みんながアンディに記念に質問しようと押し寄せたときに、彼が「I expect intelligent question.(ちゃんとした質問だろうな)」と静かに言ったとたんに、スーッと人がいなくなりました。つまらないジョークのような質問をしようとして集まった人が怖気付いて席に戻ったのです。

"Only The Paranoid Survive(直訳すると「偏執狂こそが生き残る」、書籍の日本語名は「インテル戦略転換」)"という恐ろしい名前の本も書いています。ある女性(元CIOで、今はデータセンターのVP)が彼とワン・オン・ワン(1対1面談)をした時に、「you are not mad enough」(まだ気が狂うほどやっていない)と真顔で言われたそうです。

ブライアン・クラーザーニッチ:現在のインテルCEOはメンターを有効活用

現在のCEOである、クラーザーニッチは工場の生産性向上で非常に成果をあげたことで社内では有名でした。彼がエンジニアのときに、工場長になりたいという目標で、いろいろメンターにアドバイスをもらったそうです。中には、「君には工場長は無理だよ(you can never make it, factory manager.)」と言う人もいました。しかし、彼は工場長になることができました。実は、インテルの現会長の、アンディ・ブライアント(Andy Bryant)にも「CFOは無理だよ( you can never make it CFO)」と言われていたそうです。

クラーザーニッチですら上記のように言われてきたのです、彼は「だから君には無理だよという声が、回りから聞こえてもあきらめるな」と新入社員に話していました。もう一つ、彼は工場長になる時、「あなたの弱点は、戦略的思考の欠如だね( Your weakness is strategic thinking)」といわれてから、時間をかけて人の意見を聞くようにしたそうです。他の候補者のジョークが不適切なのを見て、反面教師として、「人のふり見てわがふり直せ」になったとも言っています。

こういったことから、彼は「メンターを持て(良い人でも反面教師でも)、5年計画をもて、自分の希望を発信しろ、間違いを認めろ、自信を示せ、部下をコーチしろ。」とキャリアについての考えを説明していました。

インテルの女性リーダー:「テフロン加工のように」「火を消すのを愛しなさい」

インテルでは、女性の立派なリーダーも多いです。インテル史上初の女性社長であったルネー・ジェームズは、女性がリーダーとして必要なことは何かと聞かれたときに、「テフロン加工のように、批判を受けても気にしないことだ」と話していました(※例えば、テフロン政治家とは、厚顔であつかましい政治家のことを指します)。

女性のリーダーは特に自分の責任でないことや、不可能なことを悩んでしまって時間を無駄にしてしまう傾向があるそうです。非常に厳しいアンディ・グローブの社長補佐として4年間働いた彼女ならではのノウハウです。

もう一人、アップルへの営業実績が認められて昇進した元CMO(Chief Marketing Offcier)の女性のポリシーは、「仕事を愛し、課題解決を楽しみなさい( Love your job, enjoy issues to resolve)」でした。大きな問題や、事件をみずから進んで解決していくことで、信頼を得て、もっと大きなタスクを任せられそうだと周りの期待値を上げることができます。だから火事を消すのを愛しましょう、誰かが消さないといけない、それなら手をあげて楽しむことで、あなたの実力と評判が上がるのです。

その他のリーダー:前CEOのポール・オッテリーニ

それ以外にも、前CEOのポール・オッテリーニはもともとファナインスのシニアポジションでしたが、マーケティング系のポジションに横移動しました。自分の元々のスキルや経験を十分に活かせない他部署への異動を不思議に感じ、なぜそのような部署移動をしたのかと聞いてみると、「もちろんファイナンスのもっと上のポジションも目標にできた。ラテラル(横移動)は給与や条件が上がるわけでもないし、未知への挑戦のリスクもあるのだが、この経験によってすごく自分のキャリアの幅を広げることができた」と言っていました。

こうした経験を自ら買って出る姿勢に感銘を受けて、私もこのアドバイスを参考にしてオペレーション部門から、新規事業開発へと異動しました。リスクがあるものの、結果としては自分の仕事の幅を広げる、大きなリターンのある経験になりました。

さらに、ポール・オッテリーニは引き際も見事でした。インテルはiPhoneのプロセッサの受注を取れるチャンスがあったのにそれを逃しました、その理由として、スマートフォン市場がこれほど大きくなると予測できなかった。それでも、CEOに留まることはできたにもかかわらず、新しい技術は若い世代にしかわからないと言って、次に譲ったのです。

彼のポリシーは「好奇心を絶やすな。デフェンスをするな。攻めろ。」でした。

インテル歴代役員たちの珠玉のキャリア名言

これまで挙げてきた歴代CEOの他にも、多様性に富むインテルの役員たちのキャリアに関する言葉をご紹介します。

▼「発言しろ(Speak up)、そして学び続けろ(Continue to learn)」:

こちらは、CEO候補だった元CSO兼CMO(Chief Sales and Mktg officer)の言葉です。

▼「すべてをやることはできない。大事な1つか2つのことにのみ集中するべきだ、その他は重要ではない(Focus 1-2 and ignore everything else.)」「リスクをとれ。上司と意見が違ったとしても自分が正しいと思うことをしろ。(Risk taking: Do what you think right even if your boss do not think)」:

これらは、イスラエル人で、製造・開発の責任者である元チーフ・プラットフォーム・テクノロジー・オフィサー(Chief Platform Technology Officer)の言葉です。イスラエル人は軍隊出身なので、日本人のように仕事にきっちりとまじめにとりくみます。彼は、低消費電力開発の立役者になりました。

▼「実績を築きなさい。常に単刀直入に。そして集中すること。(Build track record. Be direct. Stay focus. )。」「学びなさい。上司だけではなく同僚や部下からも学ぶところはあります。インテルには素晴らしい才能が結集している。社内外でネットワーキングする機会を最大限活用しなさい。(Be set up to learn. You can learn not only from managers but also from peers/subordinates. Intel has brilliant talent pool. Take the opportunity to network internally/externally)」:

これは、人格者として知られている元チーフ・セールス・オフィサー(Chief Sales Officer)の言葉です。彼は現場からのたたき上げで、人間力で営業トップになりました。誰からも学べるという彼の哲学は、松下幸之助氏のようですね。

▼「技術を学びなさい(Learn Technology)」「メンターを見つけなさい(Find sponsor/mentor)」「リスクを取りなさい(Risk taking)」:

これは、元チーフセキュリティ・オフィサー(Chief Security Officer)の言葉です。

いかがでしょう? 各自いろいろ人によってちがいがありますが、好奇心、学び続ける姿勢、メンター、リスクをとるチャレンジなどは、一貫して共通していることがわかります。これらの価値観からインテルの企業風土も垣間見えるようですね。

次回では、そう言ったインテルでのグローバルリーダーたちとの仕事のやり方を見て得たこと、自分のキャリアや気づきがどう変化したのか、なぜコーチングを始めたのかについて話したいと思います。

IT業界に限らず、現在はスキルや知識はすぐに陳腐化していきます、私の感覚としても、自分の既にある知見やスキルは毎年3割ずつ償却されて、3年ぐらいで価値がなくなるような気がしています。貪欲にあたらしいスキルを学んで、古いスキルは惜しまず捨てること、それがこれからのキャリアに非常に重要です。

 

気づきのキャリア(59)

元インテル役員が語る「インテル で学んだグローバルリーダーシップ論」第3回 リーダーシップはスキルであり、才能ではない

ビジネスノマド・ジャーナルに寄稿しました。

第3回は、「リーダーシップはスキルであり、才能ではない。」です。

今回は日本も含めてアジアで学んだリーダーシップスキルの思い出から振り返ってみます。その中でも、特に印象が強烈だったものは何だったでしょうか。

 

コミュニケーション:まず「それは二つある(2things)」と言え

最初に私が納得したのは、質問されたら、まず自分の考える答えを「それは二つある(2things)」と言ってしまえと言われたことです。一つだと少ない、三つだと最後を思いつかなかったり、忘れてしまう時がある。だからいつも「2things」と言ってから考えろといわれました。

まず結論を言って、それから簡潔に理由を説明しないと理解してもらえません。よく日本人は、背景の説明からしてしまうので、「わかりにくい」と怒られがちです。また、リーダーはそれぞれ自分の成功体験をもっており、そのために非常に自信がある、だからこそ自分に自信のある人の言うことしか聞かないんですね。たとえまだ答えが見つかっていなくても、最初に 「二つある」とズバッと言ってしまう。これは、非常に役立っている教えです。よく日本のマネジメントでも、見ていて損だなあと思うのは、非常によいことを言っているのに、声が小さくて聞こえないとか、自信がなさそうなので、伝わらないケースです。

声を大きくして、自信をもっているふりをしないと、自信のある人たち(特に経営層)はそれだけでイライラして聞いてくれません。

そのためには3倍大きい声で、3倍ゆっくり、自信あるそぶりで話せるように何回も準備して練習しましょう。私も、かつてプレゼンテーションのワークショップで、ビデオで録画したものを一緒に見て目線やテンポを確認してもらうというレッスンを受けたのですが、これが非常に役に立ちました。

 

よくわかる旗を立て、簡潔で明快な言葉で周りを引っ張る

リーダーは、ビジョンや、例え(アナロジー)論理など、よくわかる旗を立てて、いろんな文化の人を引っ張っていかなければなりません。インテルでも他の会社でもそうだと思いますが、自分なりの仮説を立てて、それをイメージ化(目新しい表現やフレーズほど良い)して伝えられる人が、やはり評価されやすい傾向にあります。

記憶に残っているものとしては、前回のアンディ・グローブの「不況は必ず終わる(Recession always end)」もそうですが、「つながるために生まれてきた(Born to be wired)」、「無線はタダになる。(Radio Free)」など簡潔で明快な言葉は、印象を与えて周りを引っ張ることができるのです。かつて、同じくアンディ・グローブが、ムーアの法則の限界について質問された時も、「ゴールは、今ははっきりと見えない。霧のようなものだ。そばまで行くと少し道が見える。少し行くともう少し見える。そうやってすこしずつ進んでいくと40年たったのだ。」 という解答も圧巻でした。

 

誰も気づいていない、誰も同意しない、あなただけの真実はなにか

時にリーダーは、周りの反対を押し切っても自分の中の真実を追及しなければいけないときもあります。著名な起業家のピーター・ティールも「誰も気づいていない、誰も同意しない、あなただけの真実はなにか」と語っています。

インテル時代、私の上司で日本人ではじめてアメリカ本部でコンシューマー製品事業部長に出世するほど頭が切れる方がいました。その方は、先ほどの「2things」を私に教えてくれた方でもあるのですが、彼は、そのあとも外資系の要職を歴任し、そうして60歳近くになった時に、意外な仕事に就きました、なんとパン屋になったのです。周りでは誰もが意外に思ったのですが、その後、彼は2年間のパン学校やパン屋の修行を経て、成功して今では鎌倉駅の前にビルをたてています。

彼の成功の秘訣はというと、立派な品質のパンというブランドをつくったことです。パン屋をつくるにあたって彼が持っていたのは、「CPUもパンもレシピ(配合)が命であり、最高の配合で最高の素材を使えば最高のものができる」という確信でした。パン屋を始めるには、パンを作るための機械設備などの初期投資が必要なのですが、競合となる他のパン屋には、ブランドマーケティングの知識があり資本力がある人間が少ないので必ず競争に勝てるというのが、彼の分析でした。彼がパン屋を始めた当時は、みんな「なんで?」とおもったのですが、彼には勝算があったのです。まさに周りは気づかなかった彼だけの真実があったのでしょう。

 

失敗から学び、立ち直りを早くする

私の上司であり、インテル日本法人の社長を10年勤めた吉田さん(元インテル株式会社代表取締役社長の吉田和正氏)も、著書にも書いてありますが3回の降格を経験しているそうです。今年インテルを退任する副社長の宗像さんも、一度最低の人事評価(要改善:Improvement Required ※ほとんど退職勧告に近いため、これをもらって残っている人はあまりいない)をもらいながら、さらには度重なる新規事業の撤退・終息という大変な仕事ばかりを引き受け、長年副社長として業界内で高い評価を得てきました。

失敗、降格、誤解などは非常に辛い体験でもあるのですが、それをいいように意味づけして受け取り、向き合い、自分を磨いていく。最近は"折れない心"(レジリエンス:Resilience)という言葉もよく聞かれますが、「心の体幹トレーニング」を積んでいくのもグローバルリーダーには必要なスキルです。私の体験で言うと、予算説明会議でうまく説明できなくて、次期CEOから、「私の説明してほしいやり方でやってくれ(Do not reformat my brain!)」 と顔を赤くして怒られたのもいい思い出です。

「早く失敗しろ(Fail faster)」という言葉もあります。失敗を早めにおこなうことで、試行錯誤を繰り返す回数が増え、短所を知り、より確度の高い試みができます。早めに失敗することで、学びの数が増えるのです。 浮動小数点エラーの問題で、インテルが危機に陥った時も、アンディ・グローブは社員全員に「危機にあった時ダメな会社は潰れる。良い会社は生き残る。優れた会社は改善される(Bad Companies are destroyed by Crisis; Good Companies survive them; Great Companies are improved by them.)」というキーホルダーを配りました。

 

しつこいほどにアピールする

私がアジアのボス(シンガポール人の華僑)の下で2年間勤務していた時、彼の自分の上司への成果のアピールは強烈でした。最上の顧客を落とす以上に、上司への説明力、プレゼンでのキャッチコピー、根回しがすごかったです。それを見て、逆にここまでやらないといけないのかと吹っ切れました。それから、日本人の中では、大げさなアピール、演技的プレゼンも恥ずかしがらずにできるようになりました。インテルを辞めるときにも「空気を読まない力」についてかなり評価して頂きました。しかし、そのうちつけていると思っていた仮面が脱げなくなってそのまま地だと思われていたのが、送別会の私へのフィードバックでやっとわかりましたが。

一方で、インテルでは、「建設的対立(Constructive Confrontation)」と「賛成はしない、しかし約束する(Disagree but commit)」といった文化がありました。オープンな態度で上下関係なく議論し、上司であっても対立を恐れません。これは他のポリシーである「顧客指向(Customer Oriented)」や、 「冒険(Risk Taking)」などと比較しても「古き良き、成長期の時代の(Old good days)」のインテルのユニークな文化といえます。

 

インテルのリーダーにみられる最適解を求める偏執狂的な情熱

イーロン・マスク氏の元妻ジャスティンさんは、「あらゆる困難に喜んで挑み、やり遂げたいと思える、強迫観念にも似た強い執念が必要だ」と答えています。

インテルでのシニアリーダー500人が集まるサミットに、2年連続でたまたま出席したことがあるのですが、グループに分かれて、ゲームをやるとみんな非常に負けず嫌いです。勝者への景品はというと、ただ帽子をもらうだけなのですが、それにかかわらず皆がゲームといえども真剣に全知全能を使って限界までやります。インテルのリーダーは、限られた条件の中で、正解ではなく最適解を求めることに対する情熱がパラノイア(偏執狂)的でした。

 

リーダーシップはスキルであり、生まれもった素質ではない。

米国では、リーダーシップはスキルであり、経理やMBAのように、後天的に身につけられるものだと考えられています。だから、上級経営者はみんなエグゼクティブコーチをつけて、傾聴力・質問力を鍛えることが、リーダーになるための必須スキルとされています。現場の相手の話に耳を傾ける力(特に悪い情報)がないと本当の情報がわかりません。このスキルを身につけるという意識が、日本の経営者や政治家には欠けている場合が多いです。

前出の米国本社の最年少バイスプレジデントで頭の切れで定評のあるリーダーも、コーチングを受けたことでガラリと変容した一人です。高い生産性が求められると、結果志向が強く、指示の厳しいリーダーになりがちです。そのバイスプレジデントも、それまでは大勢の前で、答えが気にいらないと罵倒したり、会議の準備が不十分だったり客が否定的だと激怒したり、なにしろ気が短く厳しかった。私も実際見たのですが、日本に来る飛行機の中で回答した78通のメールを送信するために、空港のWIFI スポット(その当時はあまりなかった)をトランジットの間に探している姿は異様でした。そして、朝6時から夜の会食までほとんど(話して意味ある人だけとの)会議やインタビューをびっちり入れないと満足しませんでした。

指示も短く、直接的で、超効率で強烈。その彼が、コーチングを受けた後、非常に我慢強くなったのです。例えば、帰りの空港への車の中で、新入社員の質問に辛抱強く、1時間半以上答えるという以前では考えられない姿をみて驚いた記憶があります。不思議に思って聞いてみたら、そのバイスプレジデントの補佐が言っていたのは、「彼はコーチングを受けたんだ。600万円はらってね。」でした。彼の変容はものすごく、最終的には本社の部下たち約2千人が、彼が部門を変わる際スタンディングオベーションを送るほどになりました。

コーチングの威力を目の当たりにするとともに、傾聴のスキルは上に立つ人間にとって必須だと再確認した瞬間でした。

次回では、スキルとして、これからのリーダーに一番必要な振り返り力とについてもう少し話したいと思います。

 

気づきのキャリア(60)人脈とは名刺の数ではなく、あなたを応援してくれるファンのことだった!

いよいよ新年度がスタートしました。春は出会いの季節ですね。

人との出会いが大切な人脈の元となりますが、「“人脈”ってなんか、意図的で厭らしい感じがする」と思っていませんか? 日本人はなぜか、必要以上にそんな風にとらえがち。

これから社会で成長していくために、いかに「人脈力」が大切か、というお話です。

 

自分にタグをつける

 

日本人はとくに、「能力やスキル開発(資格・語学など)」には一生懸命ですが、「人脈構築」を戦略的にやっている人が少なく、“真面目にやってさえいれば、きっと誰かがみとめてくれる”と、受け身に考えてしまいます。

カリスマヘッドハンターであるプロボノの岡島さんによると、「人脈力」とは、会合やSNSなどで知り合いを増やすだけではなく、自分の強みを積極的に生かしてくれる人との出会いのことをさすのだそう。

まだ若いうちに成長の「きっかけ」となる未経験のポジションを勝ち取るには、「能力開発」と「人脈開発」の両方において、戦略的努力をしていくべきだと説いています。

「極端な言い方をすれば、良い人脈ネットワークとは「チャンスが舞い込んでくる」「何かの時に声がかかる」といった、他薦をしてくれる人たちのつながりを作ること。すなわち「抜擢される人脈」なのです。

(引用元:『抜擢される人の人脈力』岡島悦子 東洋経済新報社)

ではどうやって「人脈力」を磨き、「抜擢される(買いかぶられて機会を与えられる)」のか、岡島さんの進める「人脈スパイラル・モデル」のステップを見てみましょう。

 

「他人から推薦される人材になる」には、まず自分が得意なもの、差別化できるもので、自分が何なのか訴求ポイントをはっきりさせましょう。それがあなたの“タグ”になります。

あなたの得意なものが、どこにでもいるレベルなら、残念ながらそれは単なる趣味のレベルで、人が推薦するほどではありません。

100人いる中で抜きん出て初めて、「あ、その仕事ならこういう適任者がいますよ」と名前を挙げてもらえます。

そこまでのレベルに到達するには、相当の時間と努力が必要です。今はまだそのレベルにいなくても、“やりたい! と思っているもの”をあちこちで話していることでも、まずは十分です。トップレベルじゃなくてアシスタントレベルで探している、ということだってありますからね。

 

コンテンツを作る

 

タグが出来たら、自分の経験の中から成功ポイントや気づいたこと、あるいはしくじり先生のような失敗ストーリーなどのコンテンツなどを考えましょう。振り返ることでしっかりと記憶される上に、新たな学びがあるかもしれません。またこのコンテンツを誰かに話すことで、あなたという人物が深く記憶に刻み込まれます。

そしてコンテンツができたら、それをブログやTwitterで発信したり、出会える機会があれば編集者などにも積極的に情報を提供していきましょう。

話し合う仲間と切磋琢磨する勉強会・交流会を運営するなどもいいですね。

 

 

 

チャンスを積極的に取りに行く

 

さて、自分自身のコンテンツもでき、それを語る仲間ができたら、次は少し背伸びをしてより高い目線の人たちに自分から会いに行きましょう。

上昇気流のチャンス(人脈モテキ)を逃さないように。

自分ブランドの「コア」を作りながら、抜擢されることによって上昇気流に乗る、というのが一番の成功ストーリーです。いくらストーリーができても、「個人」として認知されなければ、自己実現の道は遠くなります。

この変化の早い時代に、個人の価値を高めるために最も大切なことは「抜擢される機会を創出する力」で、「抜擢された人」と「されない人の間」には、実績という名の大きな開きができるそうです。

「私たちを取り巻くビジネス環境の変化から、個人事業主だろうが、どこかの組織に属していようが関係なく、自分自身の「個人ブランド」を独自に展開することが可能となり、一人の個人でも多くの人を巻き込んで影響力を持ち、大きな変革を推進できることができるようになってきている」

(引用元:『擢される人の人脈力』岡島悦子 東洋経済新報社)

また、コンサルタントの草分け的存在である、堀紘一さんの人脈作りのエッセンスも同様です。

彼は、タグのことを、「誰にも負けない得意技」と表現しています。そして、そのタグを拾ってくれて一緒に仕事をする人に対しては、心からの尊敬と、『I care you』の精神で奉仕することが大切だと言います。自分本位の損得勘定での作為は、結局人脈を細らせるそう。値踏みしたり、「金額に見合わない」と手を抜いたりすると、全て戻ってきますね

「BCGの創業者ブルース・ヘンダーソンは、企業経営にとって戦略は需要なものだ。しかし最重要ではない。一番大切なものは運だ。と話した。運は非常に人為的なものである。さらにいえば、運はつまるところ、人と人との出会い、縁で決まる。」

「人脈づくりの本質とは、「自分を磨く」プロセスである。小手先で人脈を築こうとしても、自分に魅力がなければ、生きた本当の意味の人脈にならない。」

(引用元:『超人脈力』堀 紘一 講談社)

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いかがでしょう?

成功者の共通点は、過去に自分の能力以上の仕事に「抜擢」され、そこで「背伸び」をしながら成長した経験をもちます。どんな素晴らしい能力があっても「抜擢」されなくては、「実績」ができません。「能力開発」だけでなく、引き上げてくれる(抜擢)される「仕組み」(人脈)が必要になるというのは、とても説得力がありますね。

「一人でも多いえらい人と知り合いになる」といった意味での人脈ではなく、「自分の可能性を信じてくれる人」が、「あなたにもう一度会いたいと」思ってもらうための実践的な方法です。

ぜひあなたのタグをつけて、覚えてもらいましょう!

参考:

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー 岡島悦子 東洋経済新報社

超人脈力 堀 紘一 講談社

ダイヤモンド・オンライン 一流の人は絶対しない! 間違った人脈づくりの発想

 

気づきのキャリア(61)自己紹介が苦手」は大損! はじめの印象を最高にする、自己紹介のコツ。 

皆さん、いよいよ新年度がはじまりました。これからしばらく、自己紹介する機会もグンと増えますね。

特に新入生、新入社員や部署異動の方は、最初に印象良く名前を覚えてもらって、気軽に声をかけてもらえるようにすることが大切です。

急に自己紹介を振られることもありますから、そんな時に動揺しないよう、しっかり準備しておきましょう。 自己紹介で絶対おさえておいて欲しいコツを紹介します。

 

第一印象最初の関門「声」

 

自己紹介で話す内容はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのが「笑顔」そして「声」。特に笑顔はとっても、とっても重要です。結局話し終わって一日も経ったら、記憶に残っているのは内容より印象=笑顔だったりするのですから。

またハキハキと大きな声で話すことも大切。小さい声でモゾモゾ話すと人に声が聞こえない上に、「暗そう」「元気がない」と、いきなりネガティブな印象を与えてしまいますよ。

 

まず基本

 

自分の生い立ち、名前の由来、など覚えてほしいところはハッキリと話しましょう。地元の方言を使う、親近感を持ってもらうため、「呼んで欲しいあだ名」をお願いするなどもいいですね。

特に自分の専門・得意分野は、聞いてくれる方の理解度に合わせて、どういう価値があるかをわかりやすく話しましょう。趣味・特技・夢中になっていることは、ポイントを絞って、面白いエピソードがあればいいですね。

長い、意味不明、自慢は嫌わることをお忘れなく。

 

喜ぶ気持ちと 今後の抱負

 

それが学校であれ職場であれ、合コンであれ、今その場にいる動機や期待など、自分の「気持ち」を語りましょう。

新入社員なら初通勤の印象や、会社がある街で感じたことなど、ほんの小さなことでも、あなたが感じたことはみんなに新鮮です。特に喜ぶ気持ちやワクワク感などを大胆に伝えると、好印象を残せますよ。

番外編

 

自己紹介とは離れますが、自分自身を主張するという意味では、上司やかなり上の先輩と話す際には勇気をもってこちらから質問なども投げかけてみましょう。思い切って支援や指導をお願いするのもいいですね。

最近人気の「しくじり先生」などの失敗エピソードでも分かるように、おっちょこちょいな性格なども素直に見せることで、逆に好感を持ってもらえます。

「そんなことありません」「何もないんです」という謙遜や、丁寧すぎることは、いつまでも相手の懐に入れず逆効果ですよ。

「良い自己紹介のポイントは「相手目線」になること。 こちらから何を話したいではなく、 相手が何を知りたがっているのか、 自分はその相手に何ができるのか……、 と考えていくと、魅力的な自己紹介が出来上がるのです。 」

(引用元:『年収が10倍になる!魔法の自己紹介 』松野恵介 フォレスト出版)

そして最後に、リハーサルして少し練習してみましょう。どんなに良い自己紹介文があっても、緊張して声がうわずってしまったら内容どころではありません。ナチュラルに話せるようになるまで、何度でも続けてください。

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いかがでしょう? 自己紹介は一生続きますが、新人の頃は、特にその機会が多いと思います。

最もうけた自己紹介を自分の定番としておくとよいのではないでしょうか。これから一緒に勉強や仕事をする機会と人たちをぜひ大切にして下さい。将来の財産になりますよ。

さあ新しい生活、頑張って!

参考

日経ビジネスアカデミー|第1回 印象に残る自己紹介のコツ

all about|プレゼンテーション/効果的なプレゼンテーション思い通りの自己紹介をする7つのポイント

キャリアパーク|新入社員が入社式の挨拶&自己紹介で意識すべき3点と例文

『年収が10倍になる!魔法の自己紹介 』松野恵介 フォレスト出版

 

気づきのキャリア(62)元インテル役員が語る「インテル で学んだグローバルリーダーシップ論」:経営の巨人 アンディ・グローブ「パラノイアこそが生き残る」

ビジネスノマド・ジャーナルに寄稿しました。

2016年3月21日、半導体正解最大手のインテル は、元会長兼最高経営責任者(CEO)であるアンディ・グローブ氏が亡くなったと発表しました。グローブ氏は1968年にロバート・ノイス氏とゴードン・ムーア氏が創業したインテルに、3番目の社員として入社。その黄金時代を築き、その実績と強烈な個性でも知られています。

今回は、インテルに21年在社し、新規事業開発など幅広く15以上の職務を歴任された元インテル執行役員の板越正彦氏に、アンディ・グローブ氏についての回想をいただきました。

アンディ・グローブ。その質問力

アンディ・グローブが亡くなって、いろいろ取り上げられていますが、第1回・第2回で話さなかった他のエピソードも思い出しましたので、追悼編ということで書いてみます。

グローブは苦学して入ったフェアチャイルドを32歳で退社して、1968年のインテル創業から参加しています。42歳でCOOに就任した1979年から、CEOを退任する1998年までの20年間で、インテルの売上を約7億ドルから260億ドルへと約40倍に、利益を8千万ドルから60億ドルへと約80倍に増加させました。私が入社した1994年には、まだまだ血気盛んで(1997年から会長になり2005年に引退しましたが)、よく年初の全世界営業ミーティングでは、喝を入れるメッセージを話していました。その中でも、自分自身と組織の両方に、正しい質問を設定することにより、正解ではなく最適解へのスピードを上げていたことが記憶に残ります。

「我々がクビになって、取締役会が連れてくる新しいCEOは何をするだろう?」

これは、アンディ・グローブが、インテルの事業をメモリーからCPUに戦略的に舵を切るためにした一番有名な質問です。当時のインテルは、創業時の事業であるDRAMのシェアが、日本企業の低価格攻勢により、なんと80%から1%にまで落ち込みます。

その苦境の中、アンディ・グローブは、「このままでは価格と品質で負けてしまう。もし我々が、社外取締役の立場だったら、どういう決断をするだろう。一度、部屋の外に出て、取締役がなんと言うか真剣に考えてみよう。そこで、どうせ新しいCEOがやるのなら、私たちでやろう」と決心して、DRAM事業を撤退し、30%の人員をカットして、CPUに大きく戦略転換しました。 これまで投資してきた資源や成功体験、ホッケースティックのように売り上げがもどるかもという根拠のない期待が、決断のスピードを遅らせる場合が多いです。シャープの液晶などもこの例でしょう。しがらみのない、客観的視点をもつことが重要です。

しかし頭でわかっていても実行するのは非常にむずかしいのです。第3者の立場に立って、素直に自分たちに正しい質問ができるか?それが一番重要であることを教えてくれる事例です。

インテルのフェアな文化。全社員からの質問に率直に答える

インテルでは、「オープンフォーラム」という文化があり。4半期に一度は必ず、全従業員からの質問を受けてCEOはそれに答えます。事業部長や本部長も同様に自分の部下たちからの質問に答えます。その際は、どんな質問であってもみんなの前で毅然として答えなければなりません。「なぜ商品開発が遅れているの?」、「競合企業に負けているのでは?」、「新規事業はいつ目がでるのだ。」、「ストックは上がるのか?」などの質問をみんなから受けて、自分のわかる範囲で答えなければなりません。

これが非常にフェアで良い文化です。リーダーにとっても、短時間で理解してもらえるメッセージを作るという、頭の回転を速くする練習になります。どんな質問をしても、ひどい冗談や皮肉でない限り怒られません。「最近のA-ha(気づいたこと)は?」、「お子さんは元気?」、「あなたが新入社員の時どんなだった?」など軽い質問も相手によっては喜ばれます。

私も入社して初めて、日本にグローブが来た時に、記念にと思って質問しました。少し遅れて会場に入ったのですが、「日本の強みは何ですか?」という質問に、「冒頭で話したんだが、あなたは聞いていなかったな。」と言いながら、丁寧にまた説明してくれました。確か「技術と微細加工、品質、顧客」などだったと思います。かなり緊張しました。

同じようにムーアの法則の父であるゴードン・ムーアが来た時に(10年以上前です)、誰かが「日本の課題は?」と聞いた質問に、彼は「少子化」であるとズバッと即答しました。ムーアは、グローブと違ってすごく語調が柔らかく、優しそうなのですが、頭のキレはさすがです。非常に謙虚で、釣りが趣味なのですが、社員からの「どうやってあなたのような素晴らしいキャリアを作ればいいのですか?」という質問に、「その場その場でコツコツやればいい。私も大きな野望があったのではないんだ。それなのにここまでこれた。」と言っていました。本心なのでしょう。

失敗を認め、理由を明確に

私のインテルでの20年間で一番嬉しかったのも、やはり世界でも有数のスマートな人たちに直接質問できたことです。個人的にも、WiMAX事業の日本での責任者になり、インテルも通信に乗り出そうとして非常に大きな投資をしましたが、撤退しました。技術的には良い技術ですし、日本でもKDDIさんと一緒にうまく展開できたのですが、世界ではLTEに負けた為、4Gとして広がりませんでした。

その時のCEOに、「WiMAX事業で学んだことは何か?」と質問したことがあります。彼が答えたのは、「昔からの通信事業関係者とエコシステムの力を過小評価していた。我々は良い技術でさえあれば広がると思っていた。しかし、彼らはインドでのWiMAXの通信帯域を単に使えなくして、LTEを有利にするために2千億円の投資決断ができる。政治力を甘く見ていた。」

明解でした。WiFiも非常に早くPCに入れて、セントリーノとして売り出したのですが、早すぎてホットスポットが面になるほど追いつきませんでした。結局WiFiが広がったのは10年後、スマホのオフロードのためでした。皮肉ですが、技術だけでは、インフラとしては広がらないのです。

またVPやエグゼクティブなどが日本に来た時には、「あなたがこれまで一番きつかった客や事件はなんですか?」ということも聞けます。「事業はうまくいっていたのに、戦略的に頑張った人をリストラしなければならなかった。」、「会議に出て顧客から直接、それまで知らなかったクレームを聞いた。」など率直に話してくれます。

ある営業部長は、昼食会議で初めて会った気難しそうな顧客のトップから、「俺は何で今日インテルに会わなきゃならないのかわからないんだ。」と言われて、「私もわかりませんが、お腹は空いています。」と言って話してから、時間をかけて最良の顧客にしていったそうです。

あきらめるという手段はない(Giving up is not an option)

グローブは、自分が前立腺がんになった時も、ネットで前立腺ガンに関するフォーラム、手術や放射線治療、副作用、再発率、論文を分析し、事実を元に、複数の治療法を比較しました。そこで医療に対する造詣が深くなったので、この分野のIT化が遅れているのに気づき、インテルでもデジタルヘルス事業部を立ち上げることにしました。

私は、その立ち上げ会合で質問しました。「インテルは新規事業が下手だ。データセンターや、WEBサービスなど、将来性があっても我慢しないでやめる。しかし医療は一度始めると、その責任の重さから簡単にやめることはできない。大丈夫か?」と。その時、グローブは、「あきらめるという手段はない(Giving up is not an option)。なぜならこの分野のIT化は必ず起こる。」と答えました。

私はこの質問をした時に、隣の人から「お前は勇敢だ。(You are brave.)」と言われました。なるほど外国人でもグローブには言い難いのかと。

最終的には、次のCEOがヘルス事業はGEに売却するのですが、彼にも質問しました。「グローブがあきらめるという手段はないと言ったのになぜやめるんだと。」

彼は、「グローブも以前にメモリーをあきらめたじゃないか。」と答えました。

変化に気づき、転換する勇気。カサンドラの声を聞く

ギリシャ神話のトロイ王女カサンドラは呪いにより、予言の能力があるもののその言葉を誰も信じることができません。グローブは、著書の中で、「変化を予知できるカサンドラの声を聞くことが社内で必要だ」と言っています。変化に気づき、転換する勇気。他者に先駆け、あるいは追随して低価格や低消費電力商品の開発した際にも、この組織内のカサンドラが訴えるノイズかシグナルに反応して、次に何が起こるのかを理解しなければならない。それがパラノイア(偏執狂)であるべきリーダーだと説いています。

ビジョンを語るロバート・ノイス、新技術を極めるムーア、規律をもって確実に実行するグローブの三者が一体になって(トリニティ)、PCとCPUの市場が一気に広がりました。現在は PCよりもクラウドの時代になり、端末の価値は下がっていますが、グローブならどうしていたかという質問の解は、まだ見えていません。

 

気づきのキャリア(63)【マネジメント】「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」第4回

ビジネスノマド・ジャーナルに寄稿しました。

これからのリーダーに一番必要な、振り返り力

前回、インテルでも上級エグゼクティブにはコーチがつくことについて触れました。インテルでは、より上のポジションにつく前に、徹底的に「振り返り力」を鍛えられ、リーダーとしてふさわしくない行動を修正されます。今回は、その理由と効果についてお話しします。

グローバル企業における、成果主義の勝者にありがちなもの

グローバル企業では、成果を出さない人はもちろん退職させられますし、昇格による給料や権限も非常に差が出ます。プレーヤーとして 優秀な人ほど勝利への執着心や負けず嫌いの努力で、スピード昇進していくため、成果を出していく人たちの基本となるコミュニケーション能力や事務処理・分析能力は異様に高いです。しかし、それゆえに自分のやり方に対する自信とプライドが高くなりすぎて、自分の悪い行動を素直に認めて修正することが難しくなります。

成功した人は、自分の強みを過大評価する一方で、弱みを過小評価し、得意分野の領域でのみ他人と比較して、相手の方が劣っていると思い込みます。例えば自分の思う通りに部下が動かなかったり、見当違いの意見を言われたりすると、「違う。違う」、「なんでわからないんだ?」、「前に言っただろ」と、イライラして納得できないのです。

他人の評価を受けいれる力。振り返り力とは

しかし、プレーヤーとして成果を出してきた人が、さらに次のステージ、つまり「次のリーダーを育てる」などの段階にレベルアップするためには、それまでとは異なる行動が必要になります。自分が頑張るということに加えて、知らず知らずに行っている「リーダーとしてふさわしくない行動」に気づかなければなりません。

米国では、ガバナンスの観点から、違う意見に耳をかたむけ、否定されたからといって激怒して批判をしないスキルを身に着けないとCEOなどのポジションになるのが難しくなっています。そこで取締役会などが、候補者にエグゼクティブコーチをつけて、リーダーらしくない振る舞いや、行動を直させるんですね。人の言うことを聞かなかったり、破壊的なコメントをするなどのクセを直さないと、社員が現場の課題を意図的に隠してしまうこともあるからです。

リーダーは、他人から見えている自分の姿にも、多少なりとも正しい部分があると感じることが必要です。そうして、部下や周りの評価を受けいれ、素早く行動修正できれば、大きな間違いをする(地雷を踏む)リスクが減り、組織のモチベーションも上がります。傾聴や感謝で、まず信頼関係を築き、あの人を応援したいと思ってもらわないと、リーダーがいくらビジョンを語っても動かないのです。

部下・周りから評価されるということ

インテルでも取り入れている360度評価、上司や部下・同僚や一緒に仕事をした経験のある他部署の人などの複数の評価者による評価方法です。この360度評価を部下からもらうと、その内容に、最初は愕然とします。「おれは、こんなに気をつかっているのに」、「何回も説明しているのになんでわからないんだ」と。

こうした機会に初めて気づくのですが、リーダー本人の行動とまわりが認識しているギャップは非常に大きいことが多い。このギャップを正確に、中立的な目でみることが必要になります。いわば、フィギュアスケートで自分では3回転回っているつもりでも、画像でみせてあげると実は2回転であったことがわかるように、中立かつ客観的にギャップを認識しなくてはいけません。

組織では上に行けば行くほど周囲から良い情報ばかり入るようになり、周囲も真実を伝えにくくなります。周囲がイエスマンばかりになると組織としては危険です。だからこそ批判的な意見を伝えてくれる人、否定的な情報も大切にすべきなのです。

ある本部長は、ワン・オン・ワンという1対1のミーティングで、いつも自分が話す時間が9割だったのを、周りの声を実際に聞くまで気づいていませんでした。それから「常に60%の時間は相手のいうことを聞く」や、「怒っているときには話さない。」などを約束すると宣言して、そういう行動をみつけたら注意してほしいと部長会議で伝えました。また、自分では怒っていない、語気が荒い程度のつもりでも、周囲としては彼が怒っているように感じていることもあります。

「頷いてるけどわかってない」状態。立場が違うと思いが違う。

また、リーダーになると、「どうも言っていることが伝わらないなあ。みんな頷いているんだけど」と感じる機会も増えます。それは、立場がちがうということを理解できていないからです。

 

「ビジョンが浸透しない」、「現場から能動的に意見がでてこない」などの不満を抱えているリーダーの話をよく聞きます。しかし、どこまで理解できているのか確かめながら話さないと伝わりません。「これは、あなたにとってどういう意味なの。どうすればあなたは貢献できると思う?」など、誤解しようのないレベルまで掘り下げて、向こうの意見や感じたことを確認してみないと、100万回伝えてもうまく伝わりません。

特に、リーダーが信頼されていない場合には、このように伝えたいメッセージを相手の理解できる言葉にする必要が有ります。なぜ、このような理解力のギャップがうまれるかというと、情報量と思いが立場によって異なるからです。リーダーは全体をみており、部下が持っていない情報も持っていますが、部下は、共有されていない情報があり、自分の立場しか見ていません。このギャップは想像以上に大きいのです。リーダー自身から心を開いて部下に歩み寄っていかないと、部下も心を開きません。

リーダー失格の烙印。失敗は成功のあと、万能感が出てきたときに起きる

私も、20年あまりのインテル人生の中で、2度ほどリーダー失格と評価されたことがあります。一度目は、米国勤務から帰国し、インテルの部署で実績を積み上げ肩書をもらえて頭でっかちになっていた時です。チームが仲良く仕事をできるようなケアを一切せず、成果主義だけに走った私は、優秀な社員をやめさせてしまい、チームを壊してしまいました。 失敗は昇進や成功のあと、傲慢さや自分の万能感が出てきたときに起きるのですが、その時は気づきませんでした。 「なりたくてなる天狗はいない」といいますが、その通りですね。

当時の私はというと、状況を打開するために、部下たちに積極的に声をかけるようになりました。チームの輪を第一に、無理強いはしないようにしていったことが実を結び、その後はなんとか信頼度が上がっていきました。そうして1度目の失敗を乗り越えていきました。

しかし、また10年後に、昇進や社長賞などをもらって天狗になると、2度目の同じ失敗が待ちかまえていました。インテルの部下からの360度評価は、80点以上が合格となります。私はシニアリーダーとなったある年の360度評価で、インテル10万人の社員の中のシニアリーダー約3千人の中で、最低の5%にはいるほどの低いスコアになりました。このレベルの得点はリーダー失格の烙印に近く、即退職勧告でも不思議ではありません。

いったい何が問題なのか、本を読んだりセミナーに出たりと、色々試みましたが、効果はいまひとつでした。自分ではこんなに気を使って、BBQパーティや部内表彰、ビジョンの説明などをやっているのに、部下からは「サポートされていない」、「ビジョンが明確ではない」、「キャリア支援されていない」という評価でした。非常にショックで、夜眠れないほど腹がたちましたが、良い解決策が見つかりませんでした。

そうして悩んでいると、そのときの上司が、「俺もそうだったんだよ。簡単にはいかないけど、じっくり2年ぐらいかけるつもりで直していけばいいよ。」と、言ってくれました。この言葉に助けられました。落ち着いて、自分で直せるものならば直してみようと考えました。その時に、前回のエグゼクティブの思い出から、コーチングを受けてみようと考えたのですが、むしろ自分がコーチになった方が早いと思いコーチングの資格を取ることにしました。これがターニングポイントでした。

成功体験からの驕りに要注意。振り返りにより気づいたこと

360度評価の低い結果を受けて、部下のタイプ別に指導の仕方を変え、マイクロマネジメントをやめるようにしました。実は、私もそれまではかなり細かいマイクロマネジメントをしていました。

また秘書の人にも相談してみました。「ビジョンも話してるんだけどなあ」、「バーベキューとか、歓迎会もしてるんだけどなあ」、私がブツブツ言っていると、「月に1回、月次報告会をして、会社や部の状況をちゃんと話しましょう。」「部員の誕生会を毎月しましょう。」など、具体的なアイデアが出てきました。そしてそれを少しずつ続けていくと、部下の評価も、チームの雰囲気も良くなってきました。自分で考えていても、見えていない部分があるのです。

その結果、部下からの多面評価は徐々に改善されて、1年でスコアは約100%アップしました。100点満点で40点が80点になった感じです。自己分析すると 自分自身が過去のスパルタ上司から受けた経験と、これまでの成功体験による驕りがあったのですね。自分がそれまで評価していなかった人にも我慢強く、よいところを見付けてタイプ別に対処するようにしました。

最終的には「こんなに笑う人だったんですね」と言われるようにもなりましたし、部門を異動する際に大変感謝されるまでになりました。

容易ではないプレーヤーからマネジメントへのステップ

今回は筆者のインテルでの経験を基に、それまで成果主義で評価を受けてきたプレーヤーからマネジメント、組織のリーダーへと自己変革していった経緯についてお話ししました。当然ですが、プレーヤーからマネジメントには大きなギャップがあり、プレーヤーとして成功した人がマネジメントとしてそのまま成功するとはいえず、むしろその成功体験が足かせとなる場合があります。

プレーヤーとして成果を上げてきたからこそ、自身の成功体験をもとに、自分のやり方を押し付け、マイクロマネジメントに陥りがちです。しかしそれでは本当の組織マネジメントはできません、形ばかりの組織ができたとしても、いつかは壁に突き当たります。

他人の評価を受け入れ、自分には見えていない点を認識し、立場の違いを考慮したコミュニケーションをとる、これらは言われると簡単にみえることに思えます。しかし、実際にこれらを実践できているリーダーは多くはありません。

インテルでは、上司や評価システムで、それらに気付き、修正する機会が与えられています。しかし、ベンチャー企業のマネジメント層やたたき上げの経営者には、これらのリーダーとして育成される機会が与えられていません、失敗してから学んでいくしかありません、悪くするとそのまま組織崩壊や事業の停滞へとつながります。だからこそ、リーダー育成の機会やコーチングが重要になってくるのです。

 

次回は、振り返りとコーチングによって気づき、変わっていった具体例とそのステップをもう少し詳しく話したいと思います。

 

気づきのキャリア(64)人生は習慣で変えられる! 才能よりずっと大切な「習慣化」の技術。

 Study Hackerに寄稿しました。

早起きしたいのになかなかできない、ジョギングが続かない、変わりたいのに変われない。

そんなこと、ありませんか?

人材育成コンサルタントの三浦将さんによると、あたらしい習慣を身につけるには、まず「スイッチとなる習慣」を見つけ、潜在意識を利用しながら、できるだけ簡単なことから始めるのがコツだそうです。

習慣は才能を超える力を持っています。良い習慣を1つ始めると、悪い習慣がすべて変わり、脳の力まで向上するそうですよ。

今回は、そんな習慣力について考えてみたいと思います。

 習慣化とは、意思の力を使う要素を少なくし、潜在意識によって自動化することである。

引用 自分を変える習慣力 三浦 将著 ビジネスライフ

では、習慣化へのステップを具体的に見てみましょう。

意志の力を使う要素を少なくする

新しいことを始める時、はじめは違和感があります。これまでと違うことをするのですから当然ですね。ですから、急に大きく始めるのではなく、徐々に負荷をかけていくようにしましょう。少しずつ初めて、違和感を最小限に抑えとにかく続けられるようにすることがたいせつ。意思の力は、実は使えば消耗するものなのです、大きく初めても結局続かないのはこのため。

世界的に有名なサッカーのネイマール選手。彼がドリブルをする際の脳の動きを調べると、なんとアマチュアの1割程度しか使っていないそうです。動きが自動化されて、何も考えなくても体が動いているという状態が作られているからこその、あのパフォーマンスなのです。

最初は習慣から得られる「成果」ではなく「定着」を目指す

はじめから「成果をあげる」ことを目指すのは得策ではありません。まず「定着させること」を狙いましょう。

簡単なことでいいので、とにかく「できた」という快感を体に覚えさせてください。「一駅歩く」とか「5分間体操をする」などの小さなことを、「達成」してください。徐々にハードルをあげていくこともよいでしょう。質より回数。最初から難しいことにチャレンジすれば、定着する可能性はさがってしまいます。

行動科学マネジメントで有名な石田淳さんも、習慣化に必要なのは強い意志などではなく「やり方」だと話しています。いっぺんにやろうとしたり。高すぎる目標を設定すると、脳が「無理」だと捉えて行動が続きません。

フルマラソン完走への目標も、週に1-2度、30分歩くという練習からはじめたことが成功への秘訣だったそうですよ。

石田さんは、今では100kmも走れる長距離ランナーだそうです。

 

目標を実行できたらご褒美を用意

「勉強を1時間やったらお菓子を食べる」「一週間散歩が続いたら、好きな漫画を買う」など、具体的な楽しみがあるご褒美があるといいですね。

習慣になるには、まず脳に覚えさせないと。

宣言して約束しましょう。

ブログやSNSで自分が習慣化したい目標について宣言ましょう。「今日ランニングしました」という書き込みは、備忘録にもなるし、友達が「いいね」してくれると嬉しいものです。習慣化は孤独な作業ですが、周囲の励ましがあると、続けやすくなります。

「始める習慣」と「止める習慣」を一緒にする。

良い習慣を始めるときには、それを邪魔する悪い習慣をやめることも重要です。朝早く起きるためには、前の夜に早く寝ないとダメですね。

「前の夜にテレビを見ながらだらだら過ごしてしまう」ということが就寝が遅くなる原因なら、まずそれを止めること。

散歩に出たり、本屋に行くなど、コントロールしやすいことに置き換えましょう。ジムの個人トレーナーを予約してしまうのもいいでしょう。

***

いかがですか?

最初は「とにかく続ける」ことで、自己肯定感を上げ、小さな「できた」を繰り返すことです。

人間は習慣の塊です。人生を変えたいなら、まず習慣を変えましょう!

参考資料

自分を変える習慣力 三浦 将著 ビジネスライフ

行動科学で人生がみるみる変わる! 「結果」が出る習慣術 石田 淳著 角川マガジンズ

習慣力 1日1分7つのステップ 今村 暁 角川書店

気づきのキャリア(65)How are you? にはどう返す? fine, thank you. 以外の表現を集めてみました。

海外から観光客も増え、街で話しかけられる機会も増えてきましたね。みなさん、初めの挨拶である、”How are you?” に対してどう答えていますか? 学生時代に習った “I’m Fine, thank you. And you?” を律儀に繰り返している人も多いと思います。

しかしこれ、実は実際にネイティブはほとんど使わない表現だとよくいわれますよね? しかも “And you?” と聞いている以上相手が色々答えてくるので、英語に自信がない人には聞き取れるかどうか、不安を誘うフレーズでもあります。

今回は “I’m Fine, thank you. And you?” に変わる色々な答え方をご紹介しましょう。”Fine” や “Good” もいいですが、ちょっと洒落た答え方もありますよ。いろいろ試すことで、「あれ、面白い人だな」、「もっと話そう」と思われます。 教科書で習った ”I’m fine. Thank you, and you? “から卒業することで、小さな一歩が広がります。怖がらずにぜひトライしてみましょう!

では使える洒落た表現見ていきますよ。

まあまあ。悪くないよ

「調子どう?」と聞かれた時、いつだってfineとは限りません。まあまあ普通、という時にオススメの表現です。

“doing good”“OK”“Not too bad”(悪くないよ)

いつでも使える表現なので、面倒臭くなったらこれを言っておくといいかもしれません。大きい声ではっきりとスマイルしながら言いましょう。ジェスチャーなどつけると、良い雰囲気も伝わります。

いいよー。最高

とっても調子が良い、絶好調の時もありますよね。そんな時に包み隠さずにその気持ちを表現するのも、英語的。

“Pretty good”(いいよー)“Excellent”(最高)“Awesome”(すごいよ)

自分の気分がいい感じの時に使いましょう。日本人なら150%増しぐらいでちょうどです。いつもこういう返事しておくと、「親しみやすい元気な日本人」と思われて、コミュニケーションの機会が増えること受け合いです。

ちょっと大変

“Busy”(忙しいよ)“Litte tired”(ちょっと疲れ気味)

教科書で習ったとおり、無理に「fine」に見せる必要もありません。気持ちが落ちている時は本当の気持ちを表すのもいいですね。その後、なんでか聞かれたら、説明するのもいい勉強です。話が広がりますよ。

ちょっと洒落た表現

“Hanging out” (のんびりしてる)

“Hanging in there”(頑張ってる)

これらはドラマや映画などによく出てくる表現。特に「頑張っている」というと、みんな感心して応援してくれますよ。

質問返し

“What’s up?”(どうした)

“What’s new?”(何か新しいことある?)

“How are you? “

とおうむ返しで返して、 先に自分から聞くのもいいんですよ。その時の返答も参考になります。あくまで親しみを込めた会話なので、文法なんかあまり気にしないでOK。

***

会話の必ず最初に来る、”How are you?” を怖がらず、自分から積極的に会話を続けましょう。文法、発音、順番間違っても誰も気にしません。「会話をした」という経験が自信につながり、どんどん上達してきます。

東京オリンピックまで盛り上げていきましょう。

“Hang in there!” (頑張って!)

(参考)

DMM ブログ|“How are you?”への返事でコミュニケーションは劇的に変わる

英トピ|How are you?の返事、ネイティブは何て言う? I’m Fineから卒業しよう!

英語の達人|アメリカ人は「How are you?」にどう答えるかロスに住む12人対象に実験してみた

気づきのキャリア(66)「英語でプレゼン」できますか? こなれた英語プレゼンのための、25のフレーズ。

Study  Hackerに寄稿しました。3日でいいね700ヒットしました。プレゼンは関心高いですね。

英語でプレゼン」できますか? こなれた英語プレゼンのための、25のフレーズ。

「今度、英語でプロジェクトの説明しなきゃいけないんだよね。日本語でも大変なのに、質問がきたらどうしよう。」

こんな経験をしたことがある人、いませんか? グローバル化の時代。これから、どんどんこういう機会が増えていきますよ。「英語でプレゼン」なんて、経験が無い人からしたら大変なことですが、実は意外と簡単です。気をつけるのは話す順番と構成。これに、こなれて見えるフレーズを追加するだけで、もう英語プレゼン上級者になってしまいます。

最初から出来る人などはいません。怖がらずにぜひトライしてみてください。では鍵となるポイントやフレーズを見てみましょう。

挨拶は元気よく

まずはプレゼンにのぞむ態度。大きい声で、ゆっくりと、スマイルも大切ですね。プレゼンの機会をもらったことをまず喜んで伝えましょう。最初にしっかりと「つかむ」ためのフレーズです。

I am happy to be here.(お目にかかれて幸せです)

Thank you for your time.(お時間いただいてありがとうございます)

Hi, everyone.(皆さん、こんにちは)

It is a great pleasure to make an presentation.(プレゼン出来るのは嬉しいことです)

目的をはっきりと

いよいよ内容にはいります。まずは、何を話すか伝えましょう。大事なのは、プレゼンの内容を一言で簡潔にまとめて伝えること。人間は、「次に何が起こるか」ということが分かると安心する生き物です。この習性を利用すれば、安心して聞いてもらうことができるのです。

The purpose of my presentation is ~(プレゼンの目的は) 

I would like to talk about~(話したいことは)

目的を話してから、Agenda(議題)を見せるのもいいですね。伝える内容は3つに分けるor絞るといいですよ。

There are three things.(3つあります)

Firstly, secondly, thirdly, (一つ目は、二つ目は、三つ目は)

First of all, ~ / next,~  / and finally,~(まず最初に/次に/最後に)

説明する

実際のスライドは、ページごとに内容を示して説明しましょう。図やグラフを使って、言いたいメッセージはシンプルに書いておきましょう。

Please look at the first page of ~(最初のページをみてください)

You’ll find that ~(~とお判りになるでしょう)

On this foil, you can see~(このスライドでわかるのは)

This graph shows (グラフが示しているのは)

According to ~(~によると)、As a result(結果として)

Compared to~(~と比べると)

If you look at ~(~をご覧いただくと)

このようなフレーズを盛り込みながら、説明をしていくと良いでしょう。

 

まとめる

そして最後は、振り返りです。要点をまとめて伝えましょう。

This is the end of my presentation.(これで私のプレゼンを終わります)

Let me summarize (まとめたいと思います)

In conclusion, (終わりに)

The key message from my presentation is(私のプレゼンテーションの要点は)

感謝とコメント・質問

プレゼンが終了したら、忘れずにお礼を言って質問やフィードバックの時間をもちましょう。「質問の意味が分からなかったらどうしよう」という心配をよく聞きますが、怖がらないで、よくわかるまで何度でも聞くのがコツですよ。Feedback is gift.(フィードバックは大事な贈り物)ですから。

Thank you all very much for your attention(ご静聴ありがとうございました)

Are there any questions? (質問はありますか)

If you have any comments,we would welcome them(どうぞ気楽にコメントしてください)

Can you repeat your question?(ご質問をもう一度言っていただけますか。)

Thank you very much for pointing it out.(ご指摘大変ありがとうございます)

***

プレゼンテーションというのは、あなたの考えを伝える気持ちです。多少言葉や文法に自信がなくても、身振り・手振りで伝わります。堂々とした態度が、あなたのメッセージをしっかりと伝えるサポートになります。情熱をもって、思いっきり発表しましょう!

(参考)

All about これでうまくいく!|英語プレゼンの進め方Sketch life|はじめての英語プレゼン完全対策、すぐに使える厳選フレーズ集付きKageto 必携! 学生のための英語プレゼンテーション例文iKow プレゼンテーションで使う英語表現

気づきのキャリア(67) “プリンシパル” が成功の鍵。Mr.拒否権と呼ばれた男、白洲次郎に学ぶ「筋を通す」生き方

Study Hackerに寄稿しました。

みなさん、白洲次郎という人をご存知ですか。

日本の敗戦後の復興期に、吉田茂首相の側近として日本国憲法の策定にあたったほか、弱腰だった他の政治家たちの代わりに、連合国軍の幹部と互角に渡り合いました。

彼の口癖だった言葉は、「人間にはプリンシプル(自分の軸となるもの、何があっても絶対に譲れないもの)が一番大事」。プリンシプルという言葉について、白洲氏は次のように語っています。

「プリンシプルとは何と訳したらよいか知らない。原則とでもいうのか。…西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である。日本も明治維新前までの武士階級等は、総ての言動は本能的にプリンシプルによらなければならないという教育を徹底的にたたき込まれたものらしい」(「諸君」昭和44年(1969年)9月号)

(引用元:Wikipedia|白洲次郎

端正な顔立ちでお洒落な身なりの白洲氏は「日本で最初にジーンズを穿いた男」と言われ、若い頃からダンディーで車好き。英国留学の経験もあり、スポーツ万能。晩年にはファッションデザイナー三宅一生のモデルもやり、ゴルフも相当の腕前。生涯を通して異色の存在感を放っていたようです。

では、そんな白洲氏の「プリンシプル」を見てみましょう。

人様に叱られたくらいで引込むような心臓は、持ち合わせがない。

敗戦で意気消沈した日本において、日本人としての「魂」を忘れなかった白洲氏は、連合国軍内で「従順ならざる唯一の日本人」と言われ、「ミスター・ヴィトー(拒否権)」と呼ばれたそうです。誰かに叱られたり批判されたりすることなど、白洲氏にとっては何の問題もないこと。落胆とは無縁の人物であったことがうかがえます。

白洲氏の度胸を伝えるエピソードは他にもあります。ケンブリッジ大への留学で得た流暢なイギリス英語をアメリカ准将に褒められたときには、「閣下、あなたの英語も、もっと練習したら上達しますよ。(If you study a little harder, you will improve your English.)」と返答しました。度胸が並ではないですね。

また、留学経験から英国流ジェントルマンシップ、品格と誇りを備えた白洲氏は「われわれは戦争に負けたが、奴隷になったのではない。(Although we were defeated in war, we didn’t become slaves.)」と説いたのだといいます。

自分よりも目下と思われる人間には親切にしろよ。

吉田政権が終焉する少し前の1951年、白洲氏は東北電力の会長に就任。そして吉田政権崩壊後は本格的に実業界へと復帰しました。

1950年代に白洲氏がいた東北電力東京事務所では、「職場禁煙、喫煙したければ外で吸え」」「女子職員のお茶汲み廃止、お茶飲みたければ自分で入れろ」を徹底したそうです。1950年代当時ですでにこうした取り組みを推し進めていたとは、先進的ですね。

また、運転手つきの社用車に乗るとき、白洲氏は好んで助手席に座り、食事の店に来ると「何でもいいから、先に運転手に食べさせて」と、運転手の食べ物を注文するのが常だったそうです。「運転手を待たしてゴルフする奴なんか、ゴルフをする資格はない。」とも言っています。

「地位が上がれば役得ではなく“役損”と言うものがあるんだよ」と地位に固執せず、「政治家も財界のお偉方も志がない。立場で手に入れただけの権力を自分の能力だと勘違いしている奴が多い」と批判しています。現代でも通用するほど立派な考えと言えるでしょう。

人に好かれようと思って仕事をするな。むしろ、半分の人には嫌われるように積極的に努力しないと良い仕事はできない。

これは、サングラスと長靴で走りまわる異色の会長を務めていた東北電力時代に、大変過酷なダム建設事業を請け負った前田建設工業の社長に言ったアドバイスです。

白洲氏は終戦直後、商工省の外局として設立された貿易庁の長官に就任すると、接待や汚職根絶などに辣腕を振るい、商工省を改組し通商産業省(のちの経済産業省)を設立しました。その当時、他者に嫌われることなど厭わない激しい白洲氏の仕事ぶりは、「白洲三百人力」と吉田首相に表現されたのだそうです。

また、その頃すでに、このようなことを言っていました。「今の日本の若い人に、一番足りないのは勇気だ。『そういう事を言ったら損する』って事ばかり考えている。」

***

軽妙なジョークも好きだった白洲氏。夫婦円満の秘訣はと尋ねられて、「一緒にいないことだよ」。晩年、東京赤坂病院に入院する前には、テレビで相撲を見ながら長女に「相撲も千秋楽、パパも千秋楽」と話し、入院した病院で看護師に「右利きですか? 左利きですか?」と尋ねられたときは、「右利きです。でも夜は左(でお酒を飲む)」と答えたそうです。

妻の正子と子息への遺言書には「葬式無用 戒名不用」と書いていたそう。彼のプリンシプルはここまで貫かれていたようです。

最後まで颯爽とダンディーですね。

(参考)

KIWABISM|ブレない人間は格好いい。そのためには自分の生き方の軸を持っていないといけない。

Wikipedia|白洲次郎

北康利著(2005),『白洲次郎 占領を背負った男』,講談社.

青柳恵介著(2000),『風の男 白洲次郎』,新潮社.

気づきのキャリア(68) 外国人と食事!? ”英語ディナー” を切り抜けるための6つのコツ。

Study Hackerに寄稿しました。

「いやー。外人と食事しなきゃいけないよ。会議や仕事の話ならなんとかなるんだけど……食事の最中、いったい何話せばいいんだろう」

外国の企業と取引したり、英語を使って仕事をしたりするビジネスパーソンなら、外国人と英語で会食をしなければならない場面が出てきます。まだそういう機会がないという若手の方も、今後仕事の幅が広がるにつれ、どんどんこういう機会が増えていきますよ。外国人と会食するとき、あなたは臆することなく食事の場を盛り上げることができるでしょうか?

いまは自信がない方でも大丈夫です。英語で食事中会話するのは、それほど難しくありません。慣れるまでは少々不安があるかもしれませんが、怖がらずにトライし、場数を踏んでEnjoyできるようになれば、「英語で会食なんて無理」というコンプレックスがなくなり、気軽に自分から誘えるようにもなるでしょう。

英語が話せる「Party People(パリピ、社交的な場でノリよく楽しく過ごす人)」になると、シリアスな仕事の場面以外でも、どこでも楽しく過ごせます。控えめにみられている日本人のなかでも目立つこと請け合いです。ではそのためには何をすればよいのか、いくつかコツを見ていきましょう。

一緒に遊ぶ

食事する場所に、ビリヤードやダーツ、ゲームなど、一緒に遊べる場所が併設されているところを選ぶといいですね。

テーブルについて食事するだけよりも、何かイベントを交えたほうが、話題が増えるだけでなく、何よりその場が盛り上がります。

カラオケに誘うのも最高です。意外にみんな歌うの好きですよ。

スマホの写真を見せる

これは、携帯電話など普及していなかった昔にはできなかったこと。今では、スマホにいっぱい写真が入っていますよね。

旅行、友達、家族、ペットなど、どんなものでもいいですから、あなたの写真を見せてあげましょう。自分のものを見せたあとは相手にも話を振る、といったように話がはずみますし、英語で説明する練習にもなりますよ。

また、カメラを持参しておき、相手に差し支えなければ記念写真を撮らせてもらうのも良いかもしれません。

料理を訳してあげる

外国人を日本流におもてなしするとき、日本料理のお店に行くことが多いですよね。そういう場所で出される日本料理は、ちょっと見ただけでは、中身が何かわからないもの。

スマホの辞書などで、素材や作り方などを訳しながら教えてあげましょう。お店の方に料理の内容を聞き、それを英語に翻訳してもよいですね。特にお寿司の時は、説明するとすごく喜ばれますよ。

趣味の話をする

映画やテレビ、音楽、スポーツなど。自分のこだわりのあるジャンルのことなら、英語でもかなり話せますね。

接続詞や文法など、細かいことは全く気にしないで大丈夫。相手が知っていそうな名前を出すだけでも十分です。「イチロー、イチロー、you know(知ってる?)」、でいいんですよ。

質問する

いろいろ話題を提供しても、言葉に詰まったり、何を話せばよいかよくわからなくなったりしたら、こちらから質問しましょう。相手だって話したいはず。質問するだけで喜んで話してくれますから、会話の間が持ちますよ。

相手が話している間は、リアクションを大きくして、合いの手を入れましょう。「Reallly?(本当)」、「Unbelievable(信じられない)」、「No way!( まさか!)」、「You’re kidding( 冗談でしょう?)」など、進んで言ってみるのです。どんな反応をすれば喜ばれるか、相手の国や文化に注意して、あらかじめ調べておくともっといいですね。

相手の話にどんどんリアクションを入れて、それに対する反応を見ながら、次々に会話をつないでいきましょう。

先に酔う

最後に、お酒を交えた会食なら、先に軽く飲んで酔ってしまうのも効果的ですよ。

酒に酔って気が大きくなったような経験はありませんか? 実は、酒を飲むと不安な気持ちが減る(専門的な言葉では、「情意フィルターが下がる」と言います)という研究結果があります。

酒に酔っておけば、恥ずかしい気持ち、不安な気持ちがなくなって、びっくりするほどどんどん英語を話せます。でも飲み過ぎには注意して!

***

英語を使ったカジュアルな食事の回数を増やすことが、英会話の上達に一役買いますよ。細かいことを気にしないで、自分から食事に誘いましょう。

また、相手との関係も、仕事や勉強の話だけで終わってしまってはビジネスライクな関係は変わりません。「何食べたい?」と聞いて、まずは自分から心のバリアーを外しましょう!

(参考)

NIKKEI STYLE|ライフスタイル 外国人と食事をするときに盛り上がる話題は?同時通訳者の英会話レッスン

nikkei BPnet|洋食のマナー(4)~外国人と食事するときに気をつけたいこと~

STUDY HACKER|英語はどうすればできる? みんなの質問を集めて、 “英語のプロトレーナー”にぶつけてみた。 第1回

気づきのキャリア(69) 成功の秘訣は “職業の道楽化” にあり! 公園の父 本多静六は、なぜ一代で巨万の富を築けたのか。

Study Hackerに寄稿しました。

「仕事が楽しくない。だけど、収入を得るためにどうにか頑張って仕事しなくてはいけない」

「がんばって働いているのに、お金が貯まらない。成功して稼いでいる同世代もいるのに……」

そんなふうに、辛い気持ちで日々の仕事に向き合っている人はいませんか。

確かに、楽して稼げればそれほど嬉しいことはないでしょうし、成功している人ほど効率よく稼いでいるように見えるものです。自分は毎日こんなに残業しているのに、疲れて仕方がないほど仕事をしているのに、どうして成功者の象徴である富を得ることができないのか。そう思うビジネスパーソンは少なくないはずです。

では、仕事とは本当に辛いものなのでしょうか? 辛い苦労をひたすら重ねる以外に、財を築く方法はないのでしょうか? 今回は仕事と富についての考え方を、ある一人の偉大な人物から学びたいと思います。

莫大な資産を築いた、本多静六という学者兼実業家

みなさん、本多静六と言う方をご存知ですか?

貧農に生まれながら苦学し、国内外の大学で学んだのち林学博士の学位を得て東大教授に。明治時代には「日比谷公園」をはじめ、「東京駅丸の内口駅前広場」、皇居前から東京駅までの「行幸通り」など、たくさんの公園や建築物等の設計を手掛け、学問と実業の両方で立派な業績を残した、日本の「公園の父」と呼ばれる人物です。

本多先生がユニークなのは、独自の理論による貯金と投資により莫大な資産を築いたことに加え、「人生の最大の幸福は職業の道楽化にある」と話していることです。

学者でありながら、「自由を得るためにも、カネを遠ざけてはならない」と説いた本多先生。まず収入の25%を強制的に貯蓄するというシンプルな蓄財手段でお金を貯めた後は、その資産を利用して、独自の仮説に基づき株式と山林を購入し資産を築きました。

本多先生のこうした考え方は、「金というのは重宝なものだ。ところが、世の中には、往々間違った考えにとらわれて、この人生に最も大切な金を、頭から否定してかかる手合いがある」という自説に基づくものでした。

「仕事とは元々楽しいものであり、カネを稼がなければならないという呪縛から一定の自由を得ることで、仕事の面白さを追求できる」「金儲けを甘くみてはいけない。世俗的な成功の第一義は、まずなんとしても経済生活の独立にある。これなくしては何ごとの成功もおぼつかなく、またどんな成功も、本当の成功とは世間で認めてくれない。」

(引用元:本多静六著(2013),『私の財産告白』,実業之日本社.)

本多先生は、仕事や財産だけでなく人づき合いなどについても、普遍の人生訓を語っています。富を成すことに積極的だった本多先生の、職業哲学、人生哲学とはとのようなものだったのか、見てみましょう。

経済生活の独立

「満40才までの15年間は、馬鹿と笑われようが、一途に奮闘努力、勤倹貯蓄、もって一家の独立安定の基礎を築くこと」という持論を展開し、本多先生自身、収入が少ない間も1/4は必ず貯蓄をし、「好景気には貯蓄、不景気には投資」の鉄則を守り、貯金と株式に分散投資を実施していました。

「何人も貯金の門をくぐらずに、巨富には至り得ない。貧乏や失敗は、人間が一人前になるのに、どうしても一度はやらねばならぬハシカだから、同じやるなら、なるべく早いうちにやるがいい」と、やむを得ずではなく、積極的に勤勉貯蓄につとめるべきだと説いています。その結果、本多先生は貯金が不必要になるほどまで蓄財したのです。

よき人生は、よき人生計画に始まる。

また、本多先生は、早くから自らの「人生計画」を立て、実行する必要性を説いていました。自身も、毎日1ページ原稿を書くという計画を守ったため、最終的には370冊を超える著作を生み出しました。その行いは、「真の成功には速成というものはない。登山も人生も同じで、牛の歩みよりおそくとも倦まず、たゆまざることを、第一の心掛けとしなければならぬ」という言葉に象徴されています。

本多先生が語る常に不敗の職業戦術とは「仕事に追われないで、仕事を追う」こと。仕事は真面目にコツコツと。仕事に追われがちな現代のビジネスパーソンがぜひ見習うべき考え方ではないでしょうか。

 

人とのつきあい方

学者でありながら膨大な資産を築いていた本多先生は、周囲から妬まれることもあったようで、傲慢になってはならない、とことさら注意していたそうです。

対人関係はお互いの誠心誠意が基調であると考え、些細なことでも周囲の思惑を考慮し、「人の長所を用いて、人の短所を責めてはいけない」、「他人の説や他人の仕事を批評する場合には、必ずその改良案を添える」など、謙虚であろうと常に心がけていました。

努力そのものが幸福

本多先生は、「最高の満足は、努力そのものの中にある」と言い、プロセスを重視する人でもありました。人生の成功と幸福は青年時代の汗の量に比例するものであり、「常に上位を取れる実力の勉強を先回りしてする」ことが大切なのだと話しています。

また、「比較の対象は他人ではなく、自分の中におくこと」、「仕事に遠慮、謙遜は無用」とも語っています。私たちは、社会にいれば必ず競争にさらされます。そうした環境では、つい何かと自分と他者を比較してしまいがちですが、比較する以前に自分がどれだけ努力するかによって成功するかどうかは決まるのであり、その点においては遠慮することなく全力を出し切るべきなのだ、と説いているのです。

「人間というのは、結果を得て幸福になるのではない。努力そのものが幸福なのだ。」

(引用元:同上)

***

本多先生の人生哲学からは、仕事によって富を得ようとする気持ちは大事だが、金を目当てにした仕事ではいずれ苦しくなってしまう、ということが学べます。稼ぐことからは離れて、真面目に仕事をコツコツとやっていけば、仕事の面白さを追求することができ、結果的に成功して蓄財できるということなのです。

いくら積極的に財を築くとはいえ、人並み外れた大財産は身のため子孫のためには全くもって有害無益である、という考えから、本多先生は東大教授を定年退官したのを機に、築き上げた財産すべてを教育・公共機関に寄付したのだと言います。無欲さと有言実行が見事ですね。私たちが先生の偉業を簡単にまねできるわけではありませんが、そのエッセンスを取り入れることはできるでしょう。

さあ、本多先生のように「職業の道楽化」を目指しましょう!

(参考)

本多静六著(2013),『私の財産告白』,実業之日本社.

本多静六著(2013),『人生計画の立て方』,実業之日本社.

本多静六著(2013),『私の生活流儀』,実業之日本社.

地球の名言|本多静六の名言

Wikipedia|本多静六

気づきのキャリア(70) 未完成は可能性! LinkedIn 創業者に学ぶ、永遠のβ版という “生き方” のルール

 

Study Hackerに寄稿しました。

ITやインターネットをはじめとするテクノロジーの変化には凄まじいものがありますね。刻一刻と変わるビジネスの世界に生きるビジネスパーソンは、技術や環境の変化に合わせ、自分自身も成長し変化していく必要があります。ではどのようにすれば、時代の流れとともに自分自身を進化させることができるのでしょうか。ニュースや本で知識を得るだけで、果たして十分と言えるのでしょうか。

世界中に新たなテクノロジーを発信し続けるシリコンバレーでは、計画通りに物事が進むことなど何ひとつないと言われています。つまり、その時その時生じる変化に応じて、ビジネスはしなやかに形を変えながら進めていかなければならないということ。

シリコンバレー発、ビジネスに特化したSNS「LinkedIn(リンクトイン)」の創業者で会長のリード・ホフマン氏によると、ITの世界だけでなく、自分のキャリアについても、いつまでも変化しつづける「永遠のベータ版(未完成品)」ととらえることが大切だそうです。

「様々な人と交流することで、自分の強みを再確認すると同時に、自分に足りない要素や成長の余地も見えてきて、自分がまだまだ未完成であることに気づくはず。なぜなら私たち起業家には『完成』は禁句なのですから。むしろ私たちは永遠に未完成のβ版でなくてはなりません。自分自身を『永遠のβ版』と位置づけ、常に動き、学び、成長し続けるべきなのです」

(引用元:リード・ホフマン著,ベン・カスノーカ著,伊藤穣一序文,有賀裕子訳(2012)『スタートアップ! シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣』,日経BP社.)

では、自分自身を「永遠のβ版」として考えるためのフレームワークを、ホフマン氏に学びながら見ていきましょう。

大志、資産、市場環境の3つのバランスをとる

ホフマン氏によれば、自分の強みを活かすうえで重要になるのは、大志(ビジョン)、資産(現金のようなハードの資産と、スキルのようなソフトの資産)、市場環境(周囲が求めているもの)だそうです。この3つが備わっているかどうか、これらがいかに充実しているかよって、自分の競争力が決まります。

自分にとって、この3つとは何かを常に考えましょう。欠けているものがあれば補ってください。3つの間でバランスを取りながら、自分という資産に投資をすれば、自身の価値が高まり、チャンスが広がります。

ABZプランニングで柔軟に

「失敗は許されない」はもう古いのです。リスクをとって挑戦し、違ったら戦略を変更する柔軟さが欠かせません。

ホフマン氏は、ビジネスを成功させるために大切な柔軟さを「ABZプランニング」によって確保することを提唱しています。

Aは現段階でベストだと思われるプラン。BはAのプランがつまづいた場合やAよりすぐれた方法が見つかった場合に切り替えるプラン。Zは保険的なプランで、いざという時のためのものです。ホフマン氏に当てはめてみると、オックスフォード大学への進学がAプラン。Appleで働き始めたのがBプラン。そして、Zプランについては「いざとなったら両親の家に住まわせてもらって次の手を練ろう、というZプランがあった」のだそう。

ホフマン氏は、キャリアでもビジネスと同様に考えるべきだといいます。つまり、たとえ失敗したとしても、再起不能という最悪のケースに陥ってしまわないために、ABZプランニングによって逃げ道を考えておくのです。自分自身を追い込まないこと。それが、今目の前に取り組んでいることに集中するためのカギになります。

人脈作り

ホフマン氏がLinkedInというビジネスに特化したSNSを作ろうと発想したのは、ビジネスで出会ったプロフェッショナルな人脈がきっかけで、問題を解決することができたという経験があったからです。

ホフマン氏はLinkedInを立ち上げる前、AプランとしてSocial NetというSNSを始めたものの業績不振によりサービス停止、その後Bプランとして電子マネー送信サービスのPaypalに参画し、重要な職務を担当しました。当時のことを、ホフマン氏は次のように語ります。

「この時期に痛感したのが、人脈の重要性です。理念や志を共有し、強い絆で結ばれた人脈はもちろん、必要な時に的確なアドバイスや情報、スキルを提供してくれるプロフェッショナルな人脈に、私は何度助けられたか知れません」

(引用元:日経Bizアカデミー|「永遠のβ版」として生きようLinkedIn 共同創業者兼会長 リード・ホフマン氏(上)

実は、アメリカ人の70%は知人を介して配偶者と出会い、転職先は、よく会う友人からより「たまにしか会わない」友人から紹介される方が多いのだそうです。毎日会う親密な関係にないからといって、ビジネスでの人脈をおろそかにしてはいけないのだということが分かりますね。

 

リスクに向き合う

ホフマン氏は、リスクに対して次のように考えているといいます。人はリスクを大きめに見積もるので、不確実性とリスクを混同してはいけない。先行きが不確実だからといって、必ずしもリスクが大きいとは限らない。このように他の人がリスクを誤解しているのだから、自分はそのチャンスを追い求めればよいのだ、と。

ホフマン氏は、アメリカの名高い投資家ウォーレン・バフェット氏が「みんながどん欲になっている時は臆病になり、臆病なときはどん欲であれ」を持論にしていることにも言及しています。これは、周囲が考えるよりはリスクが低く、しかも大きな見返りが期待できる機会を追求するべきだということです。

最近の例では、2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩氏も、失敗というリスクがあったとしても、それは経験の一端にすぎないのだと、ポジティブにとらえています。

「失敗を恐れるのではなく、条件を変えたらどんな結果が得られるのかを楽しめばよい」

(中略)

「<不可能>はうまくいかない人の<言い訳>だったりする。まだ試していない条件は何か粘って探せばよい」

(引用元:The Huffington Post Japan|天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

***

いつまでも成長し続ける「永遠のβ版」であるためには、挑戦を喜ぶ姿勢を大切にし、失敗をしても粘り強くあきらめず、すこしずつ自信をつけることが必要です。計画がうまくいかないからといって落ち込むのではなく、問題が見つかったら、その都度、ピボット(転換)していけばいいんですから。

さああなたのβ(ベータ)を楽しみましょう!

(参考)

リード・ホフマン著,ベン・カスノーカ著,伊藤穣一序文,有賀裕子訳(2012)『スタートアップ! シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣』,日経BP社.

日経Bizアカデミー|「永遠のβ版」として生きようLinkedIn 共同創業者兼会長 リード・ホフマン氏(上)

The Huffington Post Japan|天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

気づきのキャリア(71) 英語の会議も怖くない! これだけは知っておきたい “会議の英語フレーズ” まとめ

Study Hackerに寄稿しました。「来週の会議。海外の取引先が来日するから、英語で仕切れって言われている……。どうすりゃいいんだろう。まいったなー。」

グローバル化の時代。たとえ同僚に外国人がいなくても、海外と取引をしているとか、外国人の顧客を抱えているというビジネスパーソンなら誰にでも、英語で会議を進行しなければならない機会はやってきます。そんな時、あなたは英語で司会できますか?

英語で会議を進行できる日本人はとても少ないようです。しかし、必要なのは、度胸と場数。フレーズさえ覚えれば、あとは回を重ねるごとに慣れていきますよ。

会議での司会の役割は、役職者のようないわゆる偉い人だけでなく、若手にも回ってくるもの。英語での進行がスムーズにこなせれば、一目置かれることは間違いありません。さあ今から準備してみましょう。

会議前の雰囲気作り(アイスブレイク)が大切

英語を話さなければいけないと思うと、緊張してしまって、気まずくなりがちですね。

でも、大事なのは、会議の前の雰囲気作り(アイスブレイク)です。デキる司会者は、すぐ本題に入りません。自己紹介やスモールトーク(時事・雑談ネタ)で、緊張感をやわらげます。「雑談力」が大事、というのは、日本語に限ったことではないのですね。ちょっとした雑談力があるだけで、英語の会議に熟練しているという雰囲気を醸し出すことができるでしょう。

例えば、「ニックネームで呼んで」のように、会議が和やかに進むよう親密さを演出するような呼びかけをするといいですよ。

I’m Yasushi, call me Yasu.(ヤスと呼んで)How’s the weather? Hot?(天気どう? 暑い?)How was your weekend?(週末何した?)

会議をスムーズに始めるフレーズ

Let’s start the meeting.(さあ会議を始めましょう)

まず最初に、この会議では何を話し合うのか、確認しましょう。

We will talk about~またはWe will cover~ (~について話します)

The purpose of this meeting is to discuss~ (目的は、~について議論することです)

議題は前もってメールで送っておいたり、ホワイトボードなどに図で書いておいたりしてもいいですね。わざわざ口頭で説明しなくても、「これを見てください」と言う方が確実です。

Do you have a copy of the agenda?(アジェンダはお手元にありますか?)Please take a look at the agenda.(議題を見てください)

時間管理のためのフレーズ

言語を問わず、会議の時間管理はとても大切です。もし議論が混乱したり長引いたりしたら、うまくその場をまとめて次への誘導をしましょう。それができるだけでとてもスマートに見えますよ。

We are running out of time. Is it OK to move on to the next agenda?(時間がなくなってきたので、次の議題に移っていきましょう。)Let’s get back on topic,……(議題に戻りましょう)We have 10 minutes, so let’s summarize.(残り10分です。まとめましょう)Is that clear so far? Any question?(ここまで大丈夫ですか?質問ありますか?)

会議進行中の便利なフレーズ

会議の司会者には、参加者の発言をきちんと理解することが求められます。そのためには、司会者として相槌を入れながら傾聴するとよいでしょう。

I see.(なるほど)Is that right?(そうですか?)Great!(すごい)Exactly!(その通り)That’s an interesting idea. Would you tell us more about it?(面白いアイデアです。もっとお聞かせください)

もし、会議で発言しすぎる人がいれば、抑えるように言いましょう。

Could you let her finish?(彼女の話を最後まで聞きましょう)

議論の先行きが見えないときや、結論が出そうもない時は、そのことを優しく指摘しましょう。

I’m afraid we’re gettng nowhere.(結論が見えませんね)

また、あまり議論に参加していない人には、発言を促しましょう。司会の役割は、会議の出席者が皆、話す機会を持てているかどうか確認をすることです。うまく発言できない人がいれば、後で意見を聞いてもよいでしょう。

What are your opinions?(何か意見はありますか)

会議を締めくくるフレーズ

会議の終わりには、出席者への感謝と、会議で決まったことを簡単に伝えましょう。そうすれば、メンバーは会議のあとすぐ行動を起こすことができます。

What we have decided is that ~ (決定したことは~です)We talked about ~(私達が話したのは~です)Thank you for your participation. That was a great help.(参加ありがとう。助かりました)I will send a minute.(議事録送ります)If you have a question, feel free to contact me.(質問あれば連絡してね)

***

英語で会議を進行するスキルを身につければ、優秀なビジネスパーソンとして周囲に差をつけられること請け合いです。さあ、恐れることなく自分から仕切りましょう。スベることを心配しすぎないで! 自信をもって、こう言えるようになることを祈っています。

Let me chair the meeting.(司会させて!)

(参考)

Daijob.com|ビジネス英語テクニック 会議での議長としての進め方

日経Bizアカデミー|会議で司会者が使う英語を覚えよう

All About|英語で会議をスムーズにスタートさせる! 会議で使う英語表現集 No.1

東洋経済ONLINE|英語の会議で重宝する「5つの決めフレーズ」

 

気づきのキャリア(72) 成功者は「失敗」しない。成功をつかむ人の “失敗の使い方”。

Study Hackerに寄稿しました。

人並み以上の努力はしているつもりなのに、なぜか失敗ばかり。入りたかった企業への入社試験に失敗したり、苦労して出した企画がボツになったり、毎日頑張って営業しているのに肝心なところでライバルに負けたり。うまくいかないことが多すぎて、仕事で一旗揚げる、なんて程遠い。そう感じているビジネスパーソンの方はいることでしょう。

ビジネスや歴史の世界のいわゆる「成功者」と自分とでは、いったい何が違うのか。彼らは失敗などとは無縁で、とんとん拍子に成功していったに違いない。そう考える人もいるかもしれません。

ここに3人の成功者を紹介しましょう。エイブラハム・リンカーン、ジャック・マー(Alibaba CEO)、スティーブ・ジョブズ。

この3人の共通点はわかりますか? それは、普通の人なら1回でめげてしまう、途方も無い失敗の連続を経験したにもかかわらず、決してあきらめず最後には目標や事業をやり遂げていることです。

こちらはマーの言葉。

「たくさんの失敗をしてきたが、あきらめるという最大の失敗はしなかった」

(引用元:事業構想PROJECT DESIGN ONLINE|World Project Design Alibaba創業者、ジャック・マー「あきらめることが、最大の失敗」

では、3人がどのようにして失敗の連続から立ち上がったのか、私たちがそれから学べることは何か、見ていきましょう。

リンカーンの失敗

まずリンカーンから見ていきます。クリントン元大統領の選挙顧問を務めたジェームズ・カーヴィル氏は、リンカーンの失敗について次のように説明しています。

彼は小売店の店主としてビジネスで失敗しました。農場主としても失敗しました。議員にもなりましたが、やめました。恋人も失いました。神経症にも苦しみました。やっと議員になり、議長にもなりましたが、辞めました。彼は副大統領にもなりましたが、辞めました。上院議員にもなりましたが、再び辞めました。

(引用元:logmi|ビジネスに失敗し、鬱病にもなった–リンカーン元大統領の失敗だらけの人生から学ぶこと

そして、52歳でアメリカ合衆国大統領となります。失敗するたびに七転び八起きですばやく起き上がり、失敗の原因を分析する知恵を神に求め、次の挑戦に臨んだということです。

リンカーンは次のような言葉を残しました。

「成功とは、情熱を失わずに失敗を重ねつづけることである」

(引用元:名言格言集|リンカーン語録

一度や二度失敗したくらいで落ち込んでいては、成功は遠いのだということが分かります。

失敗を重ね続けていたリンカーンも、落選して落ち込んだ時は、よく行くレストランでお腹一杯になるまでおいしい料理を食べ、理髪店にいくことが、気分転換だったそうです。やはり、失敗のストレスをやっつけるものは食事と身なりなのですね。

マーの失敗

次は、中国の巨大企業Alibaba(アリババ)の創業者、ジャック・マーです。

マーは、中国杭州市の大学入試には3度落ち、就職活動では30社以上断られ、最初に立ち上げた翻訳会社では経理の女の子に売上をごまかされ、英語ができる政府外交員としてアメリカに派遣されたときには、交渉相手が詐欺集団であることがわかったために協力要請を拒否したことで軟禁されてしまいます。1999年にAlibabaを創業した当時は、中国人にとってインターネットははるか遠い存在で、創業してから3年は利益がゼロだったそうです。

このように挑戦と失敗を繰り返していたマーでしたが、この後Alibabaを世界最大のeコマース企業へと成長させ、2014年には米ニューヨーク証券取引所に時価総額2,300億ドル(約25兆円)で上場を果たしました。

マーは、自身の経営哲学を次のように語っています。

何もなく成功する経営者はほとんどいない。成功に繋がる過程の一部として失敗があるのだと思います。

(引用元:名言DB|ジャック・マーの名言|成功に繋がる過程の一部として失敗がある

挑戦無くして成功はない。挑戦には失敗がつきものであり、それは成功への道のりのひとつに過ぎないのだ。そんなことを、マーの人生からは学ぶことができます。

 

ジョブズの失敗

最後は、アップルの共同設立者の一人、スティーブ・ジョブズです。

ジョブズ氏の失敗経歴は、次のようなものでした。リード大学をたった6ヶ月で退学。自分が創業したアップルを30歳の時クビになる。その後教育コンピュータの会社ネクストを起業するも、失敗しアップルに買収される。

ジョブズは、アップルを追放されたときのことを振り返り、次のように語っています。

公然たる大失敗だったので、このまま逃げ出してしまおうかとさえ思いました。しかし、ゆっくりと何か希望がわいてきたのです。自分が打ち込んできたことが、やはり大好きだったのです。アップルでのつらい出来事があっても、この一点だけは変わらなかった。会社を追われはしましたが、もう一度挑戦しようと思えるようになったのです。

そのときは気づきませんでしたが、アップルから追い出されたことは、人生でもっとも幸運な出来事だったのです。将来に対する確証は持てなくなりましたが、会社を発展させるという重圧は、もう一度挑戦者になるという身軽さにとってかわりました。アップルを離れたことで、私は人生でもっとも創造的な時期を迎えることができたのです。

(引用元:日本経済新聞|「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳

これは、ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行った有名な演説の中での一節。失敗は、挑戦の機会になるのだということです。

またジョブズ氏は、同じ演説の中で、「点と点は、いつの日にか、つながる。未来は予想できないが、未来のために点をしっかり創り続けていくことが大切だ」ということも語っています。ここで言われている「点」は、たとえ失敗であっても、将来無駄になることはないのです。それを乗り越えた時に、必ず成功がやってくると言っています。

ここまで海外の成功者を見てきましたが、日本の有名な実業家である松下幸之助も、

世にいう失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに原因があるように思われる。最後の最後まで諦めてはいけない。

(引用元:名言DB|松下幸之助の名言・格言|失敗の大半は、成功するまでに諦めてしまうことが原因

と語っています。3人と真理は共通していますね。

***

ちなみにマーは、好きな映画として『フォレスト・ガンプ/一期一会』を挙げています。何度失敗してもあきらめない主人公の姿は、マーと重なる部分が多いですね。失敗は成功のためのひとつの過程に過ぎない。それを心得ることが、成功者に近づくための第一歩だと言えそうです。

(参考)

週間アスキー|怪物企業の創業前夜 アリババCEOジャック・マーが経験した失敗・挫折・苦難とは

事業構想PROJECT DESIGN ONLINE|World Project Design Alibaba創業者、ジャック・マー「あきらめることが、最大の失敗」

U-NOTE|「花開いたのは50歳を過ぎてから…」- エイブラハム・リンカーンから学ぶ、挑戦し続けることの大切さ

竹内一正著(2010),『スティーブ・ジョブズ 失敗を勝利に変える底力』,PHPビジネス新書.

名言DB|松下幸之助の名言・格言|失敗の大半は、成功するまでに諦めてしまうことが原因

日本経済新聞|アリババ株、初値は92.70ドル 時価総額25兆円

名言格言集|リンカーン語録

名言DB|ジャック・マーの名言|成功に繋がる過程の一部として失敗がある

日本経済新聞|「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳

Wikipedia|エイブラハム・リンカーン

logmi|ビジネスに失敗し、鬱病にもなった–リンカーン元大統領の失敗だらけの人生から学ぶこと

ジョン・クゥアン著,吉田英里子訳(2010),『ホワイトハウスを祈りの家にした大統領リンカーン』,小牧者出版.

気づきのキャリア(73) 今なぜ田中角栄ブーム? ビジネスパーソンにこそ求められる角栄流 “人心掌握術”

Study Hackerに寄稿しました。

最近、書籍や雑誌、テレビなどで田中角栄(1918-1993)が特集されることが多く、「田中角栄ブーム」が再燃していると言われています。なぜ今、田中角栄にこんなに注目が集まっているのでしょう?

若手のビジネスパーソンにとっては、田中角栄と言われてもピンと来ないかもしれません。田中角栄の活躍はすでに歴史上の出来事だし、田中角栄から何かを学ぶといっても自分とはスケールが違う。だいいち自分は政治家じゃない。田中角栄ブームなんて、政治に関心のある一部の人の間でだけ起きていることなのではないか。そう考える若い人は多いことでしょう。

しかし、田中角栄の政治哲学、人生哲学には、今のビジネスパーソンが学ぶべき要素が詰まっているのです。その理由は、高等小学校卒業という学歴ながら、総理大臣まで上り詰めた実績が語っています。彼は、強烈な人心掌握術を持っていました。また、膨大かつ明晰な知識と、徹底してやり抜く実行力から「コンピュータ付きブルドーザー」と呼ばれていたという話もあります。

「私が田中角栄だ。小学校高等科卒業である。諸君は日本中の秀才代表であり、財政金融の専門家ぞろいだ。私は素人だが、トゲの多い門松をたくさんくぐってきて、いささか仕事のコツを知っている。・・・・・・一緒に仕事をするには互いによく知り合うことが大切だ。われと思わん者は誰でも遠慮なく大臣室にきてほしい。何でも言ってくれ。上司の許可を得る必要はない。・・・・・・できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上。」

(引用元:Spotlight|リーダーシップを学ぶならこの人しかいない!「田中角栄名言15選」

これは、44歳で大蔵大臣に就任した際に、大蔵省幹部を前にして行った挨拶です。彼独特の思いが現れていますね。また、それに先立つ郵政大臣時代には、職員のだらけた勤務態度の原因が省内の二大派閥にあると突き止めると、すぐに二大派閥のボス同士を人事異動で更迭させました。これはほんの一例ですが、田中角栄の大胆さは、さまざまなエピソードに見ることができます。

日本が発展するために激動の時代を推進した田中角栄流の生き方から、私たちは何を学ぶことができるのでしょうか。彼の哲学を見てみましょう。

素早く決断・実行する

休日の東京・目白の田中邸には、朝から各界、各層の陳情客が100人単位で列をなしていたそうです。田中はいつも、一人一人順番に陳情の内容を聞き、「よし分かった」、「それは出来る」、「それは出来ない」とその場で陳情をさばいていきました。

田中が「分かった」と言ったものに関しては100%実行されたといいます。口癖は、「結論を先に言え、理由を三つに限定しろ。それで説明できないことはない」。そして、田中は「『できない』と断ることは勇気がいること」だとも語っていたのだそうです。

やってみたい仕事、リスクのある挑戦。できるかできないか、チャレンジしてみようかやめておこうか、いろいろ考えた挙句尻込みしてしまうことはありませんか。物事はシンプルに、理由を三つに絞って考えてみましょう。田中にしてみれば、「できない」と考えることは忌避すべきこと。「できない」と考えるよりも「できる」理由を三つ考えてみてはどうでしょう。そうして即断したら、あとは100%実行に移すのです。

政治の原点は市井にあり

田中は、「政治家を志す人間は、人を愛さなきゃダメだ」と説いています。頭のいい人は理論重視で、現実の人間を軽蔑しがち。しかし政治家は、八百屋のおっちゃん、おばちゃん、その人たちをそのままで愛し、彼らの希望を聞くべきであり、それこそが政治の原点なのだと田中は話しています。

田中は、「これからは東京から新潟へ出稼ぎに行く時代が来る」、「俺の目標は、年寄りも孫も一緒に、楽しく暮らせる世の中をつくることなんだ」と語っていました。これらの言葉には、田中の地元・新潟の人々の期待に答えなければならないという思いが詰まっていたのです。

仕事が毎日のルーティーンになってしまい、そつなくこなすことだけが目的となり、情熱を失ってしまうことはありませんか。仕事が面白くなくなったときは、自分が誰のために仕事をしているのか、考えてみてはどうでしょうか。社員のため、顧客のため、家族のため、夢を実現したい自分のため。働く原点を、思い出せるかもしれません。

将来を見据え、ビジョンを示す

田中は、「雪国と都会の格差の解消」「国土の均衡ある発展」を唱え、自動車道や新幹線のような大規模事業から、山間部の各集落が冬でも孤立しないためのトンネル整備など、多様な公共事業を推進しました。

また、郵政大臣時代の1957年には、全国の民放テレビ放送36局の一括免許交付に踏み切り、「今後15年くらいでテレビは1,500万台を越えると見込まれます」と答弁。その通りにテレビは大量生産され、各家庭に普及していきました。田中には、鋭い構想力と予見性があったことがわかります。

なにか目新しいビジョンを示したい、イノベーションを起こしたいと考えるなら、将来を見据える力を田中に学びましょう。将来を表現する強い言葉には、その通りに実現する可能性が秘められているのです。

名前を覚える

学生時代、英和辞典を隅から丸暗記して、覚えたページは破り捨てたという驚異的な記憶力で、田中は有権者の名前、家族の年齢、悩み、仕事など大量の情報を記憶し、瞬時に思い出していました。政治家としての全盛期には、田中のもとに届いた8,000枚もの年賀状の差出人は、ほとんど面識のない選挙民が大半でしたが、すべてに目を通して記憶していたのだといいます。

そんな田中でも、相手の名前をどうしても思い出せないときがあったそう。そんな時は「あなた誰だっけ」と聞き、相手が苗字で返すと「そうじゃない。苗字は知っているが、名前を聞いているんだ」と言ったというエピソードがあります。名前を覚えることが、すべての気遣いの元だと考えていたのですね。これは政治家だけに必要な要素ではありません。すべての仕事には相手があります。相手のことを覚え、きちんと思い出す。ビジネスパーソンに不可欠なマナーであると言えるでしょう。

***

発想力と権限をもった政治家が指揮しないと、役人も国も動きません。田中にはその力がありました。そして、田中が一番大事にしていたのは、「現場の声に耳を傾け、できることを実行し、できないことを約束しない」ことだったのです。

「分かったようなことを言うな。気の利いたことを言うな。そんなものは聞いている者は一発で見抜く。借り物でない自分の言葉で、全力で話せ。そうすれば、初めて人が聞く耳を持ってくれる。」

「人間は、やっぱり出来損ないだ。みんな失敗もする。その出来損ないの人間そのままを愛せるかどうかなんだ。政治家を志す人間は、人を愛さなきゃダメだ。」

(引用元:地球の名言|田中角栄の名言

「コンピュータ付きブルドーザー」と呼ばれた田中ですが、芯は人間味のあふれる政治家だったことがうかがえます。政治や人にかける熱い思い。ビジネスパーソンの私たちも大いに学びたいものですね。

(参考)

後藤謙次監修(2016),『人を動かす天才 田中角栄の人間力』,小学館.

石原慎太郎著(2016),『天才』,幻冬舎.

Wikipedia|田中角栄

地球の名言|田中角栄の名言

Spotlight|リーダーシップを学ぶならこの人しかいない!「田中角栄名言15選」

気づきのキャリア(74) 変化の時代に “正解” はない。時代を切り開いた偉人に学ぶ「自分で考え、動く」ということ。

Business Nomad Journalに寄稿しました。

技術革新のスピードがますます速くなっている現代。昔と比べると驚くような変化が、身の回りでは起きています。

例えば、1946年に発表された世界最初のコンピュータと言われるENIACは、非常に高価で、重量は約30トン、大きさは倉庫1個分にもなる巨大なものでした。それから70年後の今、コンピュータ機能は、PC、タブレット、スマートフォン、腕時計のような通信端末だけでなく、「モノのインターネット」(IoT: Internet of Things)としてあらゆるものに搭載され、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながる社会が進んでいます。こうした「インターネットにつながるモノ」の数は爆発的に増加し、2020年までに約530億個まで増大するのだそうです。

あなたは、こうした時代の劇的な変化に、ついていくことができていますか? 変わりゆく時代で活躍できる人材だという自信はあるでしょうか? ただ最新の情報を知っているだけでは、十分ではありません。では、新しい知識やスキルを身に着ける以外に、どのような心構えをしておくべきなのでしょうか。

価値ある人材になるには、行動することで自ら変化を作り出す

「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ(The best way to predict the future is to invent it.)」という言葉があります。これは、パーソナルコンピュータの父と言われ、アメリカの教育者でもあるアラン・ケイ氏による言葉。

この言葉にある通り、未来を予測して切り開き、変化の激しい時代に活躍する人材となるためには、自ら学び、考え、行動し、新たなものを創り出すことが必要です。このような時代では、スキルや知識はすぐに陳腐化してしまいます。古いスキルは惜しまず捨て、常に貪欲に新しいスキルを学び続けることが、とても大切です。

ビジネスパーソンにも、時代の変化は影響を及ぼしています。

例えば、過去に就職先として人気が高かった、化学、造船、鉄鋼、家電、銀行、TVなどの業種は、グローバル競争の中で勢いが弱くなり、その当時成績優秀でこれらの上位企業に入社した人たちは今、能力を存分に生かす場が少なくなっています。

その反面、以前はまだ規模が小さく、知名度もなかったインターネットサービスやゲーム関連企業などに就職したり、自分で起業したりした人の市場価値は、今やとても高くなっています。ベンチャーへの憧れも高まり、大企業よりもベンチャーに就職することを選択する学生も増えてきました。

また、AI(人工知能)の登場により、従来人が担ってきた仕事はAIに取って代わられる傾向にあります。驚くべきことに、10年後には702もの職業が必要なくなるという研究結果があるのです。一方で、データサイエンティストなど新しい職種も次々生まれています。時代の変化に応じて、職種は生まれたり廃れたりするということ。これについて、インテル元社長の吉田和正氏は、文部科学省の会合で次のように述べています。

2010年の人気職というのは2004年には存在してないものであろうと、2004年にこれを言った人がいます。今2011年ですから、どういう職種があるか調べてみますと、アメリカのランキング4位になっています、医療データ情報技術者、これは2004年には存在してなかった。あと、もう一つ調べてみたらば、イギリスでのランキング1位は、データコミュニケーションアナリスト。(中略)科学技術アドバイザーとか、職種というのはどんどん変化しています。

(引用元:文部科学省|今後の高校教育の在り方に関するヒアリング(第7回)配布資料・議事録 吉田和正氏(インテル株式会社代表取締役社長)意見発表

吉田氏によれば、「18歳から40歳までにおよそ11の仕事を経験するだろう」「今後の100年に起こる変化は、過去の2万年分の変化に相当する」などとも言われているのだといいます。そのような時代においては、環境変化にしなやかに対応するだけでなく、常に行動し、新しいものや変化を自ら作り出すほどの気概がなければならないのです。

変化の重要性を説いた土光敏夫氏

日本にも、将来を予測するよりも常に「行動し変化を自ら作り出す」ことの重要性を提唱した人たちがいました。一人は、石川島播磨重工業・東芝・経団連などの再建リーダーを歴任し、辣腕を振るった土光敏夫氏です。

土光氏は、抜群の行動力と質素な生活から「ミスター合理化」と呼ばれました。東芝社長に就任して事業再建に取り掛かった時には、「諸君にはこれから3倍働いてもらう。役員は10倍働け。俺はそれ以上に働く」と社員に語ったというエピソードがあります。

土光氏の考えは、変化を重んじるものでした。次のような言葉によく象徴されています。

「この変化の激しい時代に固定したものの考え方は許されない。スローガンは逆に新しいものの考え方をはばむ。もしつくるなら、毎日変わる社是社訓をつくるべきだ。」

「変化することが企業の本質であり、変化に先んじて変化を作り出す企業が必要ではないか。」

「考えるより当たれ。体当たりによって生きたアイデアが生まれる。」

(引用元:名言DB|土光敏夫の名言 一覧

土光氏は、ルールをはじめたときは新鮮味があっても、すぐマンネリになってしまうので、企業と組織には絶えずダイナミックに揺さぶりをかけておく必要があると説いています。清水でも動かなければ腐るそうです。私たち自身にも同じことが言えますね。

自分から変わる姿勢を重んじた実業家たち

積極的に変わることを重視した実業家。もう一人は、江戸末期から大正初期までを生き、多種多様な企業の設立・経営に関わり「日本資本主義の父」ともいわれた、渋沢栄一です。

世の人が元気をなくしており、社会の発展が停滞している。

いままでの仕事を守って間違いなくするよりも、さらに大きな計画をして発展させ、世界と競争するのがよいのだ。

(引用元:cocoaCANA|【渋沢栄一名言集】ドラッカー「経営において右に出る者はいない」- 明治を築いた人物の言葉

また、阪急電鉄・宝塚歌劇団・阪急百貨店・東宝をはじめとする阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の創業者、小林一三も、将来は自分から切り開くべきだと説いていました。

今日の若い人々は学校を出て就職する時、名の通った大会社に入りたがるが大会社に入れば一生楽に暮らせるわけではない。どこでも激しい生存競争はある。偉そうに振舞えても単なる機構の一部の上で踊っているかかしに過ぎぬ。中小企業に進んで就職する方がよほど身のためになる。中小企業で仕事をする ということは、その目的がサラリーマンになることではない。将来独立自営の主になるのが目的なので、仕事はその見習いが主になる。したがってサラリーマン 希望で入ったら大いに当てが外れるだろう。むしろ月給はいらない、手に職を与えてもらう、その道の専門家に生き方を教わる心構えで入らなければならない。

(引用元:名言DB|小林一三の名言 一覧

急速に変わりゆく近代日本で活躍した人々の言葉は、テクノロジーの急激な進展により今までにない変化を遂げつつある現代にも通用するものだと言えるでしょう。

***

どんな時代であろうと、自分の将来は自分が決めること、自ら変わることで価値ある人材になることが非常に大切なのだということが学べます。

最後に、土光氏にまつわる話をもう一つ紹介しましょう。

ある人が自宅の庭木の手入れは植木屋に頼んでいることを知った土光氏は、「じゃあ経団連をやめて暇になるから、僕が行くよ。僕のほかにも会社を辞めて植木屋のアルバイトをやっている人がいるから、2、3人連れて行く」と本気で語ったそうです。

こんなユニークなエピソードにまで、土光氏の行動力が見てとれますね。

(参考)

名言DB|土光敏夫の名言 一覧

総務省|平成27年版情報通信白書 第2部 ICTが拓く未来社会

Wikipedia|小林一三

名言DB|小林一三の名言 一覧

名言DB|渋沢栄一の名言 一覧

cocoaCANA|【渋沢栄一名言集】ドラッカー「経営において右に出る者はいない」- 明治を築いた人物の言葉

就職・転職情報ナビ|過去30年の就職人気企業ランキング

Spotlight|10年後90%でなくなる仕事が発表されました!あなたの仕事は大丈夫!?失業前に転職を考えましょう

文部科学省|今後の高校教育の在り方に関するヒアリング(第7回)配布資料・議事録 吉田和正氏(インテル株式会社代表取締役社長)意見発表

Wikipedia|ENIAC

Wikipedia|アラン・ケイ

Wikipedia|土光敏夫

 

気づきのキャリア(75)【ノマドの働き方】インテル役員が独立して1年。「ノマドになって気づいた10のこと」:複数社で働くノマド生活を振り返る(前編)

Business Nomad Journalに寄稿しました。

退職してからの人生が長い時代、大企業の役員は退職後にどのような働き方をしているのでしょうか。ノマドワーカーとして、複数社で働くのも一つの選択肢です。

 

インテルを退職して1年間のノマドワーカー生活をした筆者。現在、顧問が2社、コーチングを受けている先の個人が約10人、セミナーや講演が月1−2回、ベンチャーは5社のコンサルティングを行っています。週3回ぐらい東京に来て実働2−3時間、平日は1日ゴルフ、報告書作成や、読書やトレーニングの生活です。

 

これまで「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」にて10回にわたり、インテルとIT業界での経験とコーチングの関係についてお話ししてきた筆者ですが、最後に、昨年インテルを退職してからの、自分のノマド生活についての感想と、準備に必要だと気づいたことなどを整理してまとめていただきました。

 

前編では以下のうち1から5について取り上げます。

「ノマドになって気づいた10のこと」

1)固定費を下げる。損益分岐点を確認しておく

2)税理士に相談する。還付金やふるさと納税など

3)健康が一番大事。トレーニングと人間ドック

4)認知症予防には若い人とのコミュニケーション

5)営業の歩留まり(成約率)を測定する

6)ブログや記事寄稿で、発信する

7)今の顧客に集中する。口コミが最大の営業効果

8)仕事をする上でのルールを決める

9)小さい組織の仕事のやり方に合わせる

10)新しいことに挑戦し続ける

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

1)固定費を下げる。損益分岐点を確認しておく

まず退職準備をしてから、収入が安定して入るまでには、どれぐらいかかるのか予測しなければなりません。私も、まず顧問企業からコーチに派遣されたり、個別に受けるセミナー講師や、ファシリテーション、コンサルティングなどから始めました。最初は個人事業主として始め、つくば自宅を事務所にしたり、これまで使っていた費用を経費にしたりして、収支を見直した結果、損益分岐点をかなり低く抑えられました。

 

固定費を下げて損益分岐点を可視化することによって、「最低これだけ稼げば生活するには大丈夫」と言う安心感が得られるので、新規営業の焦りを防ぎます。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

2)税理士に相談する。還付金やふるさと納税など

長年勤めた企業を退職した時は、退職一時金などでかなり多額の源泉徴収税を払います(特に外資系の方は)。そのため、退職金控除枠を超える一時所得があれば、経費やPC器材・車の減価償却などで相殺し、初年度が赤字の場合は、還付で戻ってくる額が多くなります。

 

当初は予定していなかったのですが、以前コーチングをしていた税理士からアドバイスを受けることによって、還付金をもらえたので、大変助かりました(翌年の住民税、年金、保険などを自分で納入するため)。また、ふるさと納税もかなり利用でき、自宅用のPCやオフィス機器だけでなく、ゴルフ用品・食料品なども獲得することができました。

 

特にサラリーマンから個人事業者になられる方(会社を作らなくても)は、初年度は、税理士に相談だけでもした方が良いと思います。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

3)健康が一番大事。トレーニングと人間ドック

ノマドになると、年金だけでなく健康保険なども自分で納めます。会社時代に属する健康保険組合の中には、退職後も2年間継続できるものもあります。そちらの方が、組合の平均額適応なので、個人で払うよりも安くなる場合があります。私も2年間継続しています。

 

体が資本ともいえるノマドには健康が一番大事です。歯、持病チェック、人間ドックなどは、やめる前にしておいたほうがいいでしょう。ノマドになってからも、週1回の平日ゴルフや、ゴルフのための体幹トレーニングなどの運動を続けて、足腰はかなり強くなりました。周りの70代、80代で元気で活発な人たちを見ると、みんな継続して運動している人が多いです。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

4)認知症予防には若い人とのコミュニケーション

IT 系の若い起業家(スタートアップ)たちもコーチングで支援しています。20~30 代の経営者にはたいへんなパッションと行動力があります。しかし、エンジニアやweb デザイナー出身の方にはコツコツ目の前のことをやるのは得意ですが、スタッフ管理や目標設定が得意でない人もいるので、経営スキルで行き詰まることがあります。

 

そこに9回目で話したコーチング質問の例などを使って、新しい視点を持ち込み、情報共有や、顧客提案へのステップなどの仕方を教えると、組織としての生産性が上がるのが見えます。また若い人たちの真剣で、真面目な問題意識を聞いていると、私自身の頭の回転も速くなり、会話の返しのコミュニケーションが速くなる感じがします。彼らの速い話のテンポ・フレーズについていけているか、相手の話を傾聴して、本質を理解できているかなど、頭の老化防止の良いチェックポイントになります。コーチングは漫才と似ているところがあって、「あ、これはこういうオチかな」というパターンがわかると、返しがはやくなり、対応できるパターンが増えていきます。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

5)営業の歩留まり(成約率)を測定する

最初は、どこで仕事がとれるのかわからないので、新規に引き合いがあるといろいろ営業しますが、数をこなすと、だんだんどこに行けば、どれぐらいの確率で成約できるのかが、感覚的にわかってきます。それが1割でも2割でも、ログを残して、分析することをおすすめします。その歩留まり(成約率)さえ推測できれば、10件会えば、1−2件はそろそろ見積もりまで行けるのではないかなど、不安がなくなっていきます。

 

気づきのキャリア(76)【ノマドの働き方】インテル役員が独立して1年。「ノマドになって気づいた10のこと」:複数社で働くノマド生活を振り返る(後編)

Business Nomad Journalに寄稿しました。

退職してからの人生が長い時代、大企業の役員は退職後にどのような働き方をしているのでしょうか。ノマドワーカーとして、複数社で働くのも一つの選択肢です。

 

これまで「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」にて10回にわたり、インテルとIT業界での経験とコーチングの関係についてお話ししてきた筆者ですが、最後に、昨年インテルを退職してからの、自分のノマド生活についての感想と、準備に必要だと気づいたことなどを整理してまとめていただきました。

 

後編では以下のうち6から10について取り上げます。

「ノマドになって気づいた10のこと」

1)固定費を下げる。損益分岐点を確認しておく

2)税理士に相談する。還付金やふるさと納税など

3)健康が一番大事。トレーニングと人間ドック

4)認知症予防には若い人とのコミュニケーション

5)営業の歩留まり(成約率)を測定する

6)ブログや記事寄稿で、発信する

7)今の顧客に集中する。口コミが最大の営業効果

8)仕事をする上でのルールを決める

9)小さい組織の仕事のやり方に合わせる

10)新しいことに挑戦し続ける

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

6)ブログや記事寄稿で、発信する

こちらのノマドジャーナルもそうですが、ブログや、記事寄稿など、自分の考えをまとめて、少しずつでも発信するのが非常に有効です。

当初は、自分のミッションや、会社の事業範囲などがしっかり決まっていないので、そこにじっくり時間をかけるまで発信を控える方も多いのですが、まずやってみて、発信したURLを見込客や、引き合いの客に送ったり、フィードバックをもらったりできるので、そこから営業につながることがあります。また、自分の考えや思いを整理するコンテントとしても使えます。私も、2年間のブログ上で、コーチングの気づき、質問、キャリア、などを書き留めて約500本ぐらいのコンテントを作っていたおかげで、いろいろ参照例として素早く利用することができました。

 

これまで、インテルでのキャリアから、コーチングでの経験、ノマドとしての生活などを記事として発信してきましたが、振り返る非常に良いきっかけにもなりました。また、このノマドの記事を参照してもらうようにしてから、コーチング、セミナー、顧問、出版などの企画が決まる際の大きな支援になっています。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

7)今の顧客に集中する。口コミが最大の営業効果

当初は、新規顧客開拓のやり方がわからなくて、広告や、ビジネス交流会、セミナーなどに参加しましたが、効率がわからず、成果を出すことができませんでした。自分では「コーチングは効果があり、よい結果が出る」と思っていましたし、楽観的な気持ちで考えていましたが、「コーチング」というサービス自体が、日本市場ではイメージが悪いのと、時期早性なのかと迷い、いいポジションがあれば再就職しようかとも考えました。

 

しかし「今の顧客に対してサービスの質を上げることに集中しよう」と考え、新規営業開拓は控えて、現サービスの付加価値向上に集中しました。コーチングしている時に、コーチングの仕方や、注意するポイント、プレゼン、無償で事業戦略のまとめなどを作りました。暗黙知の明文化マニュアルを作ったりして、一人ひとりの顧客を大切におつきあいすると、その方の紹介で他の会社を、気軽に紹介してくれるようになりました。いわゆるクチコミが一番の営業効果がありました。マーケティング資料で、訪問営業した時と比べると10倍以上の効率で、かなりの確率で契約が取れる気がします。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

8)仕事をする上でのルールを決める

当初は、ミッションや目標は変化しますが、基本となるルールを決めておくと決断が早くなりました。私の場合では、「若い人に頼まれたら一度は会う」、「相見積もりされる仕事はしない」、「今の顧客を大事にする」、「自分が強烈に興味のあるセミナー・交流会・勉強会以外は、誘われても週末は行かない」、「自分が変わる気のないクライアントはコーチしない」などです。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

9)小さい組織の仕事のやり方に合わせる

大企業でしたら周りの人がやってくれるような地味な仕事も自分でやらなければいません。「こんな仕事は自分にはふさわしくない。面倒くさい。」という発想になると、いくら能力があっても仕事になりません。

細かい事務仕事を前倒しでやったり、昔の実績や地位のプライドを捨て、小さい組織の仕事のやり方に自分を合わせる必要があります。また、30年ぶりで、初めてWindowsから、 Macに変更してみましたが、使いやすさに驚いています。これまでやっていないことにトライすることも大事です。

 

「ノマドになって気づいた10のこと」

10)新しいことに挑戦し続ける

コーチングは、これまで対面の1対1での、非常にアナログなプロセスで育ってきましたが、IT技術の進歩による、クラウド、ビッグデータ、AI、などと相性がいいのがわかってきました。例えば、性格タイプ別の行動アドバイスや、習慣になりやすい仕組みなどを、過去のデータにもとづいた確率論で話すことで、HRテック企業としての変革の可能性が大です。こちらに、私がインテルでこれまで経験した知見が活用できるのではないかということで、ワクワクしています。顧問の会社では、スマホ対応でのリーダーシップ行動チェックリストも始めましたが非常に評判がいいです。

 

ノマド生活1年で見えてきたこと

ノマドになってちょうど1年ぐらい経ちましたが、現在顧問が2社、コーチングをしている個人が10人、セミナーや講演が月1−2回、ベンチャーは5社ぐらいコンサルしています。また、大学や研究所での講義の機会もあります。週3回ぐらい東京に来て実働2−3時間、平日は1日ゴルフ、1日報告書作成や、読書・体幹トレーニングをしています。一番の目標のゴルフのベストスコア更新とクラブでのメンバー予選を通りました。

 

損益的にも、つくばの家を事務所にして、固定費が低いので、単月度黒字になり、個人事業主ながら、後10年ぐらいは続けていけそうな気がします。退職してからの人生の方が長い時代になったので、自分のノマドスキルを提供し、感謝してもらえる場を準備することは大変大事だと思います。今後も、高田純次さんのように、「威張らず、昔話をせず、説教しない」ことに気をつけて、自分のスキルで、初心に戻って、若い人を支援することで生計が立てられれば、それに勝るものはないと思う今日この頃です。

気づきのキャリア(77)「3秒わからなかったら、俺に聞け」 部下が悩みを相談できますか?

部下の側から、相談できやすい、話しかけやすい雰囲気にするには、先に自分の方から心を開けなければなりません。今の若者は、上の人の時間を使うことは悪いと思っている子が多いので、特に急いでいるときは話しかけづらいのです。最近若手社員から聞いたすごいリーダーの言葉は、1)「3秒わからなかったら、俺に聞け」と言われた。「それ以上考えるのは時間の無駄だ。忙しそうでも俺捕まえれば答える。」心強かったそうです。2)「二つだけ教えてくれ。なにがあなたの生産性を上げるのか。なにをしたらやめたくなるのか。」あとの質問が良かったそうです。ゆとり教育が悪いというより、社会全体が子どもたちを揉んで大人にしようとしない中、大量生産・単純指示の時代から、育成にも個別対応の時代が来たということでしょうか。しかし、時間がかかっても個別最適対応で、自信をつけさせることが、成長へ最も効率的(3勝7敗を後押しする)な「前向きな部下の育て方」であると思います。お客を落とすように、部下の気持ちを落とさなければいけない時代になったことにリーダーは気づかなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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