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なぜ気づきにコーチングが必要なのか

コーチングというと胡散臭いと感じられる方がいます。特に自分に自信がある方ほど、私をコーチできるほど経験や実績があるのかというプライドがあります。コーチングのいいところは、コーチする人が、受ける人よりも優秀である必要がないところです。タイガーウッズのコーチはタイガーよりもゴルフがうまいわけではありませんよね。しかし、右にボールがでたら、今のは右に打ったね。そのときのスイングはこうだったよ。それは、あなたの意図していたことなの。と事実をありのままに伝えて、あとはタイガーが考えるのです。自分では、見えない動作や、言動をはっきりと意識させることで自分で行動変革をしていくたすけになるのです。よいコーチだから、相手を直すことができるというのは、コーチのエゴです。相手によりそって、相手の行動を客観的につたえてあげる。相手に気づきをあたえないと、100万回アドバイスしてもきかないのです。

コーチングのきっかけ

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気づき博士が、コーチングを始めたきっかけの一つは、会社での部下からの360度評価の結果です。私に対する部下からの評価が、かなり思わしくありませんでした。80点以上が合格の10万人の社員の中の、シニアリーダー約、2千人の中で、最低の5%にはいるほどのスコアでした。いったい何が問題なのか、本を読んだり学んだりと、色々試みましたが、効果はいまひとつで一進一退だったんです。自分ではこんな気を使って、BBQパーティや賞など設定しているつもりなのに、部下からはサポートされていない、ビジョンが明確ではないという評価でした。非常にショックで、夜眠れないほど腹がたったときもあったのですが、解決できませんでした。

 

また、もうひとつのきっかけとしては、米国本社の最年少VPで頭の良さで定評のあるエグゼクティブが、エグゼクティブコーチングを受けたことでガラリと変容したことでした。高い生産性が求められると、どうしても結果志向が強く、指示の厳しいリーダーになりがちですが、そのVPは、エグゼクティブコーチングをきっかけにしてまるで別人のように変わったのです。もちろん、良い方向に。大勢の前で、答えが気にいらないと罵倒したり、会議の準備や客が否定的だと、激怒したり、なにしろ気が短く厳しかったんです。その彼が、コーチングを受けた後、非常に我慢強くなり、帰りの車の中で、新入社員の質問に辛抱強く、1時間以上答えていたのです。そのVPの補佐に聞いたところ、コーチングをおこなっているということでした。

 

そのあまりに劇的な変化に、本社の部下たち約2千人が、彼が部門を変わる際スタンディングオベーションを送りました。私も実際、彼の来日の際に目の当たりにしたのですが、部下や新入社員の話を最後まで真摯に傾聴する態度は、それまでの彼からはまったく想像もできませんでしたので、かなりの驚きと感銘を受けたのを覚えています。何があったらこれほど変われるのかと。

そしてコーチをつけるよりも、自分自身がコーチになった方が効果があるのではと考えました。

経営スタイルの変化

 

昔は工場労働者のように、上に立つ人がなんでも一番よく知っていたんで、指示を出すだけでよかった。今は、商品や顧客の嗜好がくるくるかわるので、現場の人がその変化をすぐにつたえてくれないと、つくっても売れないものができてしまう。インターネットサービスなどは計画を作るよりも、まずA/Bトライして、フィードバックがよい方を拡張するような流れになっています。そのためには、現場の声を聴いて、違和感や発見などを迅速に共有するシステムが大切です。

 

その流れから、ここ数年、 リーダーシップスタイルを変えるため、部下の意見を聞く時間を増やせとか、成果だけではなく失敗へのプロセスを評価するように変化してきました。私は、それについて質問しました。そのCEOの答は、明解でした。昔は、宇宙飛行士のように、ワークハードだった。それを期待する若者が、アップオアアウトも納得していたのですが、今の若者は、それではついてこない。だから、When generation change, Management style change だと。自分がされてイヤなことは、相手にもしないマネジメントにしないといけない。自分が厳しい上司にきたえられたから、自分がきびしい上司になってきたえなければいけないという考えは通用しない。それだと、今の若者はついてこないのだよ。あー、アメリカでもそうなのかと思いました。

 

たとえば、リーマンショック。その結果起こったのが、リーマンブラザーズです。リーマンのトップマネジメントの、部下からの評価は、100点満点0.5点であるほど、ひどかったそうです。給料はいいんですよ。何十億円ももらいますから。しかし究極の成果主義で、報酬やインセンティブだけで管理すると、最終的にはつぶれてしまいます。最終的に、ワンマンのトップダウンだと、部下が自由に意見をださなくなってしまうので、特に本当のリスクや失敗などの共有ができなくなってつぶれてしまうのです。給料はいいんですけど、燃え尽きちゃってモチベーションがわかなくなってしまうんです。そして最終的にはつぶれてしまいます。

 

 

 

成果

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IT 系の若い起業家(スタートアップ)たちもコーチングで支援しています。

20~30 代の経営者にはたいへんなパッションと行動力があるのですが、エンジニアやweb デザイナーにはコミュニケーションが得意でない人もいるので、経営スキルで行き詰まることがあるんです。そこにコーチングを使って新しい視点を持ち込み、コミュニケーションや情報共有の仕方を教えると、チームとしての成果は挙がります。若い起業家やプロデューサーが次のステップに進むには、コーチングは非常に効果的だという評価をもらっています。これは発見でしたね。

 

若い人たちに伝えたいのは、「英語よりも、MBA よりも、コーチングが21世紀には重要だ」ということです。一度コーチングスキルを手に入れれば、自分を客観的に見つめて直していくことが一生できます。コーチングは、あなたの社外取締役。

 

社会人もまた同じ。英語ができて、MBA の資格があっても、チームプレーヤーでなければこれからはうまくいかないでしょう。そういう人が多いのはすごく残念です。

また、自身を客観視できないので、メンタル的に煮詰まる人が多いですね。どこに問題があるのか、どこに可能性があるのか分からなくなってしまうのです。

英語よりもMBA よりも、コーチングは簡単で自分の可能性を広げる効果が確実にあります。

 

日本ほど周りの人に気を遣う国はありません。それに加え、人の話を傾聴し、違いを理解し、グローバルチームをまとめられるようになれば、海外で高く評価されるでしょう。

日本が「世界一思いやりのあるリーダー輩出国」になるために、コーチングは非常に有効だと思います。自分の可能性を大きく広げ、「人間にもムーアの法則」を広めたいですね。

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