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キャリアについてのブログの記事をまとめています

 

気づきのキャリア(1) 成長に必要な3つのこと 1)好奇心

これまで30年ほど働いてきて、私が考えるキャリアに必要な3つのことは、1)好奇心、2)コーチング、3)ネットワーキングです。好奇心は、自分のしらないことを学び、軽い気持ちで試す原動力になります。また面白がる習慣が、元気を呼び、アンテナを立てて、漫然と見過ごしていたことに関心をもちます。知的好奇心がなくなると自分の短期的課題以外に興味がなくなり、なにごとも決まりきったルーティーンをやるようになります。チャンスを偶然のように引き寄せるには、好奇心を何かのサインとして、千回やって3つぐらいためになるぐらいでよいでしょう。自分の身の回りのことからいろいろなことを感じたり、小さな変化に気づいて、感じる力、感知力をみがく。日常の非日常化で、体験の質と量をふやしていくことが、全てのものが変化するスピードが加速して、すぐにスキルが陳腐化してします現代では必要です。

 

気づきのキャリア(2) 成長に必要な3つのこと、2)コーチング

英語よりも、MBA よりも、コーチングがこれからのキャリアには必要です。一度コーチングスキルを手に入れれば、自分を客観的に見つめて直していくことが一生できます。コーチングは、あなたの社外取締役になります。社会人もまた同じ。英語ができて、MBA の資格があっても、チームプレーヤーでなければこれからはうまくいかないでしょう。そういう人が多いのはすごく残念です。また、自身を客観視できないので、メンタル的に煮詰まる人が多いですね。どこに問題があるのか、どこに可能性があるのか分からなくなってしまうのです。英語よりもMBA よりも、コーチングは簡単で自分の可能性を広げる効果が確実にあります。日本ほど周りの人に気を遣う国はありません。それに加え、人の話を傾聴し、違いを理解し、グローバルチームをまとめられるようになれば、どこでも高く評価されるでしょう。また自分を客観視して、無駄に責めない心の筋肉をきたえることは、レジリエンスやストレスからの立ち直りの速さをもたらします。

 

気づきのキャリア(3) 成長に必要な3つのこと、3)ネットワーキング

ネットワーキングというと、ただ友達を増やすとおもわれていますが、自分の強みをわかりやすく伝えながら、積極的にそれを生かしてくれる人を探す。出会いを自分で戦略的に作ることです。こちらは、日本人はとくに謙虚なために、真面目にやっていればみとめられると考えがちです。プロボノの岡島さんは、抜擢されるブランド力と述べています。チャレンジの機会を自分で作っていくために特に意識して、自分をブランドしながら、礼儀正しい図々しさを使って、貪欲にインフルエンサーに売り込んでゆく。その結果、機会を作り出せるチャンスが100倍以上違ってくるのです

 

気づきのキャリア(4) インテルでの例1

これまで20年いたインテルでも、トップになるのでにキャリア上なにが大切か、一人一人エグゼクティブに聞いたことがあります。各自いろいろ人によってちがいがありますが、好奇心、学び続ける姿勢、情熱、チヤレンジなどは、共通しているようです。Ÿ

X-CEO,

–1. Curiosity

–2. Never play defence

Chief Sales and Mktg officer,

–1. Speak up

–2. Continue to learn

ŸChief Platform Technology Officer

–1. Risk taking: Do what you think right even if your boss do not think

–2. Focus 1-2 and ignore everything else

ŸChief Sales Officer

–1. Build track record. Be direct. Stay focus.

–2. Be set up to learn. You can learn not only from managers but also from peers/subordinates. Intel has brilliant talent pool. Take the opportunity to network internally/externally

ŸCTO, yougest VP

–1.Do a great job at current job, even if you do not like job or boss

–2.Learn and prepare the skills you need for a next job - whenever it is to be. In a dynamic environment like Intel, this rewards you.

ŸChief Marketing Offcier

–1. Love your job, enjoy issues to resolve

ŸVP, Security

–1. Learn Technology

–3. Find sponsor/mentor

–2. Risk taking

そして今のCEOは

·         Learn to admit you’re wrong

·         Confrontation.

·         Speak up:

·         Practice, practice, practice:

·         Start coaching people:

·         Show your self-confidence:

 

気づきのキャリア(5) インテルでの例2

これもインテルでの例なのですが、最年少でVPになった、Pat Gelsingarという人がいました。7人兄弟で、オランダ系の移民なのですが、根性と優秀さで、学士と修士をインテルで働きながら、とったすごい秀才で、アンディーグローブの再来ともよばれていました。

彼のキャリアに対する、考え方は現在にもあてはまります。

Ÿ

彼は30年間、常に学び続け、弱点をなおしてゆくことの大切さを説いています。

–1. Do a great job at whatever you are currently doing, even if you do not like it.(仕事では成果を出せ。その仕事が好きでもきらいでも。)

–2. At the same time, be learning the skills you need in order to do your next job well- wherever it is you want to be next.(同時に、次にの仕事に必要なスキル準備しはじめよ。いつなりたいとしても。)

 

気づきのキャリア(6) 「人生の初期設定のパラメーターをゴールに最適化しろ」

PCの初期設定では、画像やネットワークI/Oなどいろいろなパラメーターを決めます。人生においても「英語TOEIC900、プレゼン毎週TED学習、経理決算責任など」、いろいろな目標を設定して(途中で変更してもよい)、それに向かって今日できることからやっていくことが重要です。スキル以外にも、部下へのモチベーション、チームの率い方、ビジョンの策定など、タスクに落として管理していくマネジメントの経験もあります。こちらは、座学よりも、修羅場を経験するなどの臨床例の数が有効です。初期設定のパラメーターを自分のゴールに最適化すること。それが最初のステップです。

 

気づきのキャリア(7) 質問できるか?

「自分がわからないことを質問できるか?」は非常にシンプルですが、日本人、特に若い人にはチャレンジングです。変な質問をしたら笑われるとか、いい恰好つけてるとか。偉い人の時間を無駄にしてしまわないかなどの恐怖からなかなか質問できません。しかし、インド人や中国人は、前の人が言った質問や、講師が説明したことなどでも、平気で質問します。自分がわからないことを質問して、答えを理解して、かんがえていることをわからせるのは、簡単ですが、やり続けるのはむずかしい。経験を積めば積むほど、わかりきっていることは質問しなくてもよいと思うからです。インテル時代、日本人で、どんなにえらい人が来ても、質問がなければ質問し続けていた人は、最後に常務になりました。

 

気づきのキャリア(8) シュートを打っていますか?

シュートを枠内に打たないと点は取れません。シュートするのが怖くて、後ろにパスばかりしていると自分の評価につながりません。私は、アイスホッケーをしたことがありますが、1流のNHLの選手でも、8本打って1本なのです。普通の選手なら10本以上打っても1点とれればよいでしょう。これは、営業の新規顧客や、上司への提案など、経験値があがってきても、100%は無理です。特に若いうちは、シュートを上司や客の枠を狙って打つこと。自分で問題があると手を上げて、それを自分で解決していくこと。その解決のための苦しみの過程が成長です。枠をはずれることを恐れないで!

 

気づきのキャリア(9) スケールしない分野を狙え

キャリアとスタートアップの戦略とは、かなり相関があります。地元の飲食店からフードデリバリーを提供するスタートアップDoorDashの創業者であり、Yコンビネーター出身者のStanley Tang(スタンリー・タン)氏がYコンビネーターで語られる「スケールしないことをしよう」という起業哲学もそうです。最初はとにかく始める。プロダクトマーケットフィット(製品の市場でバリュー・強み)を見つけることに集中する。成功する(スケールする)のはあとでよい。自分のキャリアにプラスになるかどうかは、後になってみないとわからない。まずはじめてみる。MVP(Minumum Viable Product、検証可能な最小限の製品)を作って、検証するように、キャリアのMVPを仮定していろいろ試す。これはキャリアに対する考え方である「偶発的引き寄せ」に似ています。ジョブズのコネクティングドットや、DeNAの川田さんがISVで語っている「一歩足を踏み出した途端に、つまり実際に自分がやろうと思って調べ始めた瞬間に、あるいは何か準備して、動いただけで入ってくる情報量が全然違う。悩んで選んでいる段階だと全然情報が浅いんだけれども、一歩足を踏み出した途端、情報がドワーッと山のようにくるから。次の方向性はどっちに進むべきかっていう意思決定がものすごい楽になるんですよね。その一歩を踏み出せないでモヤモヤしてる時ってどうなるかって言うと、自我を見ちゃう。自分を見つめ始めて、内向的になって外を見ないんです。だから事に当たるんじゃなくて自分を見ちゃうんですね。自意識過剰になって、俺はどうだとかキャリアがどうとか考え始めると段々病んでくる。そういう時期なんですよ。皆さんがこれから社会人になっていく20代前半くらいって。僕は病むのは危険だと思います。病む前に一歩踏み出す。悩むんじゃなくて問題を解く。具体的な一歩踏み出した瞬間にものすごい物事が具体的になるから。具体的になった後は数学の問題解くのと同じになるわけですよ。ものすごい気持ちが楽になります。だから僕は皆さんには病んで欲しくなくて。とにかく一歩、物理的に足を踏み出す。悩むのではなくてきちんと問題を解く、課題に当たる。そういうふうに動いて、この20代前半を乗り切ってほしいと思います。」のも、スケールしなくても、まずできるところからやっているという意味で同じです。今やりたいことが見つからなくても、目の前のことを一生懸命やること。特に何が自分に向いているか、世界がどこに映り変わっていくかわからない若いうちは。失敗することを、恐れても恐れなくても失敗するときは失敗します。それは失敗という経験を積んだだけで、次の成功のための準備なのです。

 

気づきのキャリア(10) キャリアが振れた

日本の会社、国連、インテルという3つの組織、そしてグローバルITという別のキャリアに進んだことは、私にとっては非常に重要なキャリアパスだったと思います。同じ業界の似たような会社間での転職だと、あまりやることも変わらなかったりする。でもあえて違うことをやってみたので、飛躍できたと思います。人事組織コンサルティングのエキスパートで高橋俊介先生(慶應義塾大学SFC研究所上席所員)の話を伺ったことがあったんですが、先生は、大きな成長のために「キャリアを振る」ということが大事と言われています。同じようなところから同じようなところへの転職・異動だとキャリアは伸びない、なので違うことをやったほうがスキルアップになる、ということを「振る」と呼ばれていたんですが、私の場合は、まさにインテルに行くことで「グローバルITにキャリアが振れた」ということです。

 

気づきのキャリア(11) 自信、粘り、変化こそが成長である

今年ノーベル賞をとった天野さんが、東北大学の後援会で語った言葉が、失敗を経験とポジティブにとらえています。; 「失敗を恐れるのではなく、条件を変えたらどんな結果が得られるのかを楽しめばよい」「目の前のことに集中すること、そうすると<アンテナ>が立って敏感になり、<ひらめき>を得ることができる」「何よりも<完成した・成功したイメージ>を描くのが大事」「<不可能>はうまくいかない人の<言い訳>だったりする。まだ試していない条件は何か粘って探せばよい」

これからの若者はがつく仕事は今まで存在していないものがたくさんでてきます。

·         今日の若者は、18歳から40歳までにおよそ11の仕事を経験                  (United States Department of Labor. 25 Aug 2006)                        

·         2010年の人気職は2004年には存在していないものであろう (Steve Gunderson, Roberts Jones, Kathryn Scanland. Jan 2004)

そういった中で、粘り強く失敗をしてもあきらめず、すこしずつ自信を付けてみずから、変化だけが成長だと思える人間。前例や親の言うことを、疑えるハートが必要です。言うのは簡単でやるのは難しいですが。

 

気づきのキャリア(12) わたしに何が向いているのかわかりません。

いろいろこれまで仕事をやってきたが、なにが本当にむいているのかわからないという質問を良く受けます。もっと向いているものが、得意なものがあるのではないかと考えるのです。だいたい、若い人の間では、3分の1が、わかっていて、3分の2が疑問をもちながらモヤモヤしているといわれています。私は、こういった場合に私がアドバイスするのは二つです。、3分の1のわかっている人のそばに行きなさい。彼らの熱量と執念に良い意味で影響されるので。もうひとつは、なんでもやってみて、そこの1番になるぐらい工夫してみてください。自分がまったく気がついていない領域で、好きになったり得意だったりするところを発見するので。

 

気づきのキャリア(13) インテルでの例3

現在のCEOである、BKが新入社員むけに語った彼のキャリアについてのエピソードがおもしろかったので少し。彼は、フォトグラファーのエンジニアだったときに、工場長になりたいという目標をもって、いろいろメンターにアドバイスをもらいにいったそうです。その中で、中には、you can never  make it, factory manager. (君には無理だよ) と言う人もした。しかし、自分はそうではなかったので、無理だといわれてもあきらめるな。現在の会長の、Andy Bryant もyou can never  make it CFO. (CFOには無理だよ)と言われたそうです。君には無理だよという声が、回りと自分から聞こえてもあきらめるなと。もう一つ、彼はfactory manager..になるときYour weakness is strategic thinkingといわれてからそこに時間をかけて人の意見を聞くようにしているそうです。たとえば、Data center についてはよくわからなかったので、去年25%の時間をかけたと言ってます。またMaturity of leadershipにきづいたのは、彼がfactory manager.に応募して、製造部門トップであるMike Splinterが面接官だったとき、他の候補者のToo familiar inappropriate jokeが瞬間的にnegative mentor となり、人のふり見てわがふり直せになったと言っています。さすがですね。その他、5年計画をもて、希望を発信しろ、メンター、反面教師も含めてといっていました。

The 3 Biggest Career Development Mistakes

1.Not having a clear 5-year Plan

•Understand/document what you want to do

2.Not telling anyone what you want

•Tell Boss/mentors what you want to do

•Create a list of gaps and how you will close them

3.Not having a set of mentors

•Need more than one…but they don’t have to be formal mentors

•Have a mix of positive and negative examples

 

Tips/Strategies for Influencing at Intel Intel Confidential

1.Articulate your message clearly and concisely.

•Clearly communicate your intentions and expectations.

•Communicate like you have 5 minutes to explain the issue to a non-Intel person.

2.Be open and direct.

3.Do your homework, know the facts.

•Delegate and empower others liberally, but pay attention to the details.

4.Develop a common view and strategy with key stakeholders.

•Develop mutual trust and respect for each others strengths.

5.Define critical priorities.

6.Keep focus on the business.

•We are all here for one common cause.

7.Trying to get everyone to like you, or agree with you, is a sign of mediocrity, you’ll avoid the tough decisions and discussions.

8.Results matter.

9.Understand and utilize the people and organizational networks.

10.Role model integrity at all times.

11.Presentations: The important part of the presentation is the content, not how it looks.

•Communicate your key points.

 

気づきのキャリア(14) インテルからの卒業

先月で、21年勤めたインテルを退社するにあたり、これまでの挨拶文とキャリアをまとめたメールをつくり振りかえってみました。

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 卒業メッセージ

このたび、インテルを卒業することを決めました。公にご報告させて頂きます。

1994年01月に入社したので、約21年間を、インテルで過ごしました。

お世話になった社内の皆さん、OBの皆さん、パートナーの皆さん、本当にありがとうございました。

 

ということで、インテル人生について振り返ってみようと思います。ご関係者の皆様には突然のご報告となり申し訳御座いませんが、この度インテルを卒業する運びとなりました。思い返すとキリが無いという言葉が薄っぺらく思えて仕方無い程、この21年は濃いものでした。

 

送り出してくださったインテルの皆さんと、またすべらない面白い話しをし合えるよう、「継続は力なり」を忘れずに進みます。

 

◆なぜインテル入ったのか?

私は、新卒でJSR(当時日本合成ゴム)に入って8年、国連のUNESCOに2年いて、インテルに中途入社しました。

入社前のイメージは、IBMの55ノートを使用していたので、インテルってPCの部品を作っているなぁというのと、つくばのグローバル仕様の近代的なオフィスでのんびり働けそうというイメージを持っていました。入社動機は、3つほどあって、①つくばの経理採用だったので、環境がよかった。(すごく田舎だった、ファミレスもCOCOSしかなかった)、②会社のオフィスがきれいで、はじめての外資系で広かった。UNESCOは古い官庁のようなビルだったので、古くてほこりが多かった。③面接官が、日本の会社【富士通】をやめて中途ではいった人(今はトイザらスのCFO)で、自動車に比べるとPCはこれからですよと説明を受けて納得した。IT業界のことはあまり知りませんでした。

20年後の今から振り返ると、程度の差や時間差はあれど、ほとんど正解だったと思います。

 

◆インテルで何をしたのか?

今回、ざっと思い出して書いてみたのですが、日本を中心にアジアやUSでグローバルプロジェクトにかかわりながら、現場から戦略まで、幅広く仕事をしてきたなぁと思います。あまり、仕事に飽きることはなかった21年間でした。

▼つくば・US Finance

当時はJ5で、夜遅くまで働くときには、学園線のサウナ大学の泊まっている人がいました。ダニーパークという女性がコントローラーでいつもランチはアイスクリームでした。PORもエクセル1枚をOHPに焼いてテレコンです。それから、Rev.MAXなどはじまり、資料をFAXで八王子支店などに送りながら、だんだん忙しく(細かく?)なりました。コントローラーがフランス人だったときに、彼のお母さんからのフランス語の電話に出たのが気にいられ、彼がUSに帰った時について行って、USサンタクララの本部で、2年間営業マーケティング本部のファイナンスコントローラ補佐として、グローバル予算管理にたずさわりました。直属のマネージャーが二人やめたので、コントローラー直付けで年間予算やリストラ資料をつくることになり、説明の仕方の順序が悪かったようで、次期CEOから、Do not reformat my brain! と顔を赤くして怒られたのはいい思い出です。その当時のマネジメントは非常に激しい人が多かったです。

 

▼カスタマーオペレーショングループ」

USファイナンスではあまり目がでなかったので、日本にもどされて、CBOマネージャになりました。ここで泥臭い営業窓口となり、大学でたばかりの若い新人にかこまれて、金八先生のようでした。2000年問題などを無事に通過したころ、供給ショートが発生し、3カ月ぐらいすべてラインダウンと始末書対応になり、若者・中途採用者からもたくさんメンタル負傷者がでたのですが、代わりが全然こず、前線で孤立する隊長の気持ちがわかりました。先を読む本部長(今はCPUと同じくレシピが大事だということで、パン屋で成功していますが)が在庫を極限までもてという命令をまもり、半年分のコミットをkeepして、なんとかスワップでしのいでお客にも非常に感謝され、最後にはすべて完全に0になるまで使い切りました。

 

▼アジアeビジネスグループ B2B推進

その後、eビジネスが全盛になり、インテルもアジアでB2BツールであるRosettabetを実装しようと。シンガポールのガンガン上昇志向部長の下で働き、アジアのサプライヤーとカスタマーと、業界活動に携わり、初めて、IAA(インテルアチーブメントアワード、社長賞)を獲得しました。台湾でのイベント中に911の事件があり、なかなか日本にかえれなかったのが思い出されます。

 

▼コーポレートテクノロジーグループ 技術・標準推進

今度は、CTGグローバルチームの日本repになり、無線技術(UWB、ワイヤレスUSB)などの技術標準推進や、産学官連携、技術マーケティング、IDF(インテルデヴェロッパーフォーラム、予算1億円、来場者2千人)の企画・実行などをすごく自由におこないました。CTO同士の会議をセットするうちに、世の中には本当の天才がいるなあと会議の際に思えるほど、レベルが高い話し合いをそばでみました。

 

▼事業開発 デジタルヘルスとWIMAX

IDFから今度は、新しいいITソリューション(教育、デジタルヘルス、ブロードバンド等)マーケティングと、WiMAXなど。今度は、震災IT支援隊でインテルヒーローアワード(ボランティア活動世界一に授けられる、日本では初)を受け、サンフランの表彰式ではじめてスタンディングオベーションを受けました。ここらへんがハイライトで、大きなお花ももらい、WiMAXでもお金も一杯つかいました。https://plus.google.com/u/0/116655968784642517116/posts/eHuKVejiAVK?pid=6054022316927648354&oid=116655968784642517116

https://plus.google.com/u/0/116655968784642517116/videos?pid=6054024260159534242&oid=116655968784642517116

*Hero award video

 

▼サービス・ソフトウエア戦略

SW/Application/API/application/web storeのパートナーマーケティング、実装、新規開発で、Tizenにall inしてつぎ込みましたがみのりませんでした。

 

▼戦略企画室 現在IOTのアイデアソンや、スタートアップと起業家とネットワークなどから、新規事業、M&A等を計画しましたが成果でず。ここで終了。最後に「結局、事業をスケール成長させられなかった自分の責任」という力不足をズシリと感じました。

 

 

◆インテルで何を得たのか?

得たものは「知識」「ノウハウ」「能力」「機会」「経験」「人脈」「気付き」等。更に細かくすると、たくさんあり過ぎて切りなく出てきます。本当にありがとうございます。

その中でも「圧倒的な当事者意識」が一番に来ます。私の中では「WiMAX」というブランドをたちあげるのが一番の想い出です。あの瞬間は、この仕事をやれるのはユニークで、自分がやらねば。と強く思って取り組みました。その他にも上で書いた通り、何度も強い当事者意識を意識する場面がありました。「当事者意識」、その熱量が出せる"環境"こそがインテルでした。なんというか、そういうエネルギーを出ている人を応援・支援してくれる環境がインテルなんだと。だから、その当事者意識を発揮できたし、その経験が自信になって積み重なって「圧倒的な当事者意識」まで持ち上げることができたと思います。

 

先月、最後の上司の宗像さんと最後のサシ飲みに行きました。その場で「空気読まない力」について評価して頂きました。違う表現では「違和感を大切に」と理解しています。私は、周りの皆さんに受け止めて頂いたから、無邪気に「空気を読まず」インテルで21年を過ごせました。それが当事者意識に繋げられ、本当にありがたい原体験ができました。これは経験しないとやれないこと。逆に、一度経験しているから、もっと行けると高みを目指せられると考えます。そんな意味で、やっぱり「圧倒的な当事者意識」が、インテルから頂いた最大の財産だと思っています。

 

◆インテルをなぜ卒業するのか?

卒業後にどうするのか?というと、転職先については、然るべきタイミングで、また広報させて頂きます。一方で、なぜ卒業しようと考えたのか?の理由は書いておこうと思います。

 

1つ目は、インテルはKeep movingな方針を取っており、50代の人は殆どいません。私もその方針は正しいと思っています。しかし、その意味は、他の会社よりも、椅子取りゲームの椅子が少なくなる年が早いということです。そろそろ、活き活き働けていないかも?というのを避けたいと考え、であれば、まだ当分しっかり働けて、次に繋げられる環境に身を置きたいと考えました。最近、聞いた話では、私たちの世代は80歳まで働く必要があるらしく、そう考えるとまだ2クォーター中盤(本当か?)でしかないので、ゴールを感じている場合ではないと考えたのが理由です。早期退職に応募しようと考えました。

 

2つ目は、コーチングをきわめたいと考えました。最近の仕事においても、質問をなげかけることで、非常に自信と成果を出されるクライアントが増えたので、これをきわめて世界一の気づきを最短で最大に与えられるコーチになることを目指します。サイトも準備しました( http://www.kizukihack.com/ )。自分自身で「昔取った杵柄」的な違和感がして、55歳になって、45歳の仕事の成果を話すのか?と思い始めたのもキッカケです。その課題感をベースに、上記のWiMAXで顧客の事や提供価値や競争を考えていた時にパワーが溢れ出した経験をもう一度と思うWANTな気持ちと、55歳になって今後は新しい稼ぐ力がないと労働市場で生きていけないというSHOULDな気持ちが明確になってきました。勿論、インテルこそ新規事業が可能なのですが、アジアのポストは限定的なのと、上記のKeep movingで50代の自分に回ってくる可能性が高くないと見立てたのが理由です。

 

3つ目は、単純に退職金の上乗せです。早期退職というプログラムに合わせて、退職金が上乗せされる人事制度があるのですが、それが、今回適用され、私は、ちょうど、今年の1月末で75ルールという(在籍年数と年齢をたしたものが75以上)が適用されるのです。複数回転職している身としては、通常の退職金は期待できないので、頂けるならば頂いておきたいと考えたのが理由です。

 

4つ目は、卒業にはネガティブな理由が無いわけではありません。それは私が歳をとっても大人になりきれていない面もあるかもしれません。ただ、とにかく、快活というか元気で前向きで一生懸命な人ばかりのインテルが、いつも「Future of Intel starts from me」と言ってくれるIJKKが、何か違ってきたかも?と想ったのも理由です。

 

気づきのキャリア(15) 戦略と行動両方ありますか?

キャリアの成長には、今後必要な新しいスキルの獲得(戦略)と、その習慣化(行動)の両方が必要です。実践ワークとして、フォローできる仕組みがエグゼクティブ・パーソナルコーチングなのです。自己啓発は今ブームだし、個人の能力・思考力向上関連のビジネス書籍においては全盛です。その一翼を、コーチングと経験値共有の仕組みで補えると考えています。個人の思考力・能力の向上を、現象から抽出した本質で考え・行動する、その仕組みが経験値共有のプロセスです。吉田松陰のように『考えるだけではなくて実践する』ことを重視しています。スマホやタブレットなどのオムニチャネルと組み合わせることで、フォロー活用と実践を習慣になるまで徹底させることでスキルとして身につけることができると思います。

 

 

気づきのキャリア(16) 英語1 「まず2 things といえ。」

私がまず言われたのは、英語で質問されたら、まず自分の考える答えを二つあると言えということです。一つだと少ない、3つだと最後をも思いつかない場合や、忘れてしまうときもある。だからいつも2thingsと言ってから考えろといわれました。これは、英語では、まず結論を言って、それから完結に理由をいわないと通じないんですね。よく日本人は、まず背景の説明からはいってしまうので、それでおこられるんです。また、エグゼクティブは自信があるので、自信のある人の言うことしか聞かないいんですね。最初に 2 thingsとずばっと言ってしまう。これは、私の社会人経験の中でも非常に役立っている教えです。

 

気づきのキャリア(17) 英語2 大きな声で自信をもって

よくどうしたら英語がうまくなるかとか、うまく伝わるかとかの質問があります。よく見ていて損だとおもうのは、非常によいことを言っているのに、声が小さくて聞こえないとか。自信がなさそうなので、インパクトがないのです。3倍大きい声で、3倍ゆっくり、特に自信をもってソラでいえるように何回も準備して練習する。私もプレゼンのワークショップで、ビデオで録画したものを一緒に見て目線やテンポを確認してもらいます。声を大きくして、自信をもっているふりをしないと、現実派の自信のある人たち(特に経営層)はそれだけでイライラして聞いてくれないのです。

 

気づきのキャリア(18) 英語3 食事のときには先に酔う

「仕事の話はできるのですが、食事のときの会話が難しいです。何を話せばよいですか?」という質問を良く受けます。日本人は真面目なので、日常のつまらない話題や、なんとなくよく知らないことばを話すのは難しいと感じてしまうのです。そういうときには、お酒を飲める人なら、先に軽く酔ってしまうことをおすすめします。そうすると、はずかしいという気持ちがなくなって、どんどんはなせるようになるので、英語もすごく上達します。思いついたことがすごく簡単に口からでてきます。

 

気づきのキャリア(19) 気づいていない強みを探す

誰でも自分にはまったく気づいていない強みがあります。特に若い人ほどそれに気づきません。一番よい方法はなんでしょう。付き合う人、職番、環境をかえることです。あたらしい責任を負うことなどもよいです。やってみてむいてなければ他にいけばいいし、むいていれば自分のあたらしいスキルになります。まったく思いもしない分野で自分の強みがいかせる場合があります。まったく格闘技にみていない人間が、背が伸びて手足がながくなったので、高校や大学から初めて、寝技や蹴りを手中的にやるトレーに具を受けて、柔道や憲法で全国レベルになるのをみてきました。自分のしらない強みを教えてくれる人や環境は非常に重要です。コーチングもその一つです。

 

気づきのキャリア(20)誰も気づいていないあなただけの真実はなにか

誰も気づいていない、誰も同意しない、あなただけの真実はなにか(ピーター・ティール)。環境が激変し、昔の成功体験が意味をなさなくなるなかで、この真実を自信をもっても言えるかが、これから非常に重要でしょう。私が、インテル時代非常に尊敬するマーケティングのディレクターがいました。日本人ながら、はじめてアメリカの本部で事業部長になった人間です。彼は、そのあとも外資系の要職を経た後、60歳近くでパン屋になったのです。2年間のパン学校やパン屋の修行をはじめ、ブランドをつくり、今では鎌倉駅の前にビルをたてました。彼の確信は、CPUもパンもレシピ(配合)が命であり、最高の配合で最高の素材さえつかえば最高のものができるという信念です。パン屋に参入するには、機械などの資本がいるのですが、それは彼はストックをもっていたのと、マーケティングの知識がある人間がパン屋には少ないので競争に勝てるというのが、彼の分析でした。彼がパン屋を始めた当時は、みんな「なんで?」とおもったのですが、彼には勝算があったのです。

 

 

気づきのキャリア(21)生産性第一ですか? 意見衝突回避ですか?

グローバル企業では、生産性をあげるのための議論では、意見の衝突を気にしない傾向があります。これが日本人、特に最近の若い人は、衝突すると空気をよめないやつと思われてしますので、つい躊躇してしまいます。また年功序列を超えて、意見をのべることにも慣れていません。生産性をあげるために、意見を戦わせることがよしとされている風土なのか。それとも、まず和をもって実行納得できるものだけをすすめていく風土なのか、よく観察しないと、がんばっても評価されない場合がります。

 

気づきのキャリア(22)旗は降ろすな

現在でも大きな通信会社の社長を続けられている会社の社長と一緒に、合弁会社設立の仕事をしたことがあります。度重なる技術上の問題や、生産体制の遅れから何度も当初予定していたスケジュールでサービス開発ができない可能性がでてきました。私の会社の外人部隊は、リスクを恐れて何度もスケジュールを遅らせようとしました。その仲介としてに私も何度も説明したのですが、そのたびに、「旗は降ろしちゃっダメなんだよ。そうするとみんな動揺するんだよ。そして何回も後ろ倒しになってスケジュール通りいかないんだよ、ぼくはそれを何回も経験していてね。こういう場合はまだ旗は降ろしちゃだめなんだよ。まだできるよ。なんとか他の策を考えようよ。」確かに、このケースでは、スケジュールを守り、サービス開始のプレスも大成功でした。まだ社長をやられています。

 

気づきのキャリア(23)つまづきの数と学びの数は比例する。

最初は「何をしてるんだろう俺は、つまづいてばっかりで。」みたいにうんざりします。でも、その現象ろ反応をじっくりかんがえると、「自分がやっていることがうまくまわっていない」と分かります。そうすると別のやり方を試してみる。それで「これはうまくいったな」と自然と学んでいきます。でも何もしないで、考えすぎると、最初の1歩がいつまでもでません。アップルや、Googleでも、英語で「Fail faster、早く失敗しろ」という言葉があります。失敗を早めにおこなうことで、いろいろ試行錯誤を繰り返す回数が増え、そのトライの短所を知り、より確度の高い試みができます。早めに失敗することで、学びの数が増えるのです。

 

気づきのキャリア(24)桜は美しいから接ぎ木される

ソメイヨシノって接ぎ木でしか育たないと聞きました。ではなぜ種がないのに、自然に増えたりはしないのにいたるところでみかけるのでしょう。ソメイヨシノは一斉に花を咲かせ、一斉に散るように人間が作り出した品種であるため、接ぎ木でしか増やせません。あまりに美しく、一斉に咲き一斉に散るという特性があるので、「接ぎ木をしてでも増やしたい」各地の観光地や名所で植えられるのです。特別の価値があれば、自然と増やす動きを自分でやらなくても、パートナーが広めてくれる。唯一無地の価値をつくること、誰もしらない自分だけの常識をみつけること、それが遠回りのように見えてキャリア開発の近道です。

 

気づきのキャリア(25)GEのウェルチ氏が語る―MBA教育に欠けているもの

米GEの元CEO、ジャック・ウェルチ氏は、伝統的なMBAに欠けているものがあるとすれば、(個人の強みや弱みを考慮する)「ヒューマン・イクエーション」の多くが欠けていると言っています。「これはチーム作りで必要になるほか、部下の成功を喜び、成長に意欲的な心の広い経営者になることにつながる。よいリーダーは従業員を引きつけることに長けている。」MBAよりもコーチングが重要なところはそこにあります。部下の気づいていない強みを見つけてあげるには、対話法で意図をもってたずねるコーチングが最良で、その講座MBAにはないのです。

 

気づきのキャリア(26)イーロン・マスクの元妻が「成功する秘訣は強迫観念にも似た強い執念」と質問に回答

「どうすればビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、イーロン・マスクやリチャード・ブランソンのような偉大な人物になれるのでしょうか?」 という質問に、イーロン・マスク氏の元妻ジャスティンさんは、「あらゆる困難に喜んで挑み、やり遂げたいと思える、強迫観念にも似た強い執念が必要」だと答えました。「ああいう人達は、変わり者で社会のはみだし者であることも多い。尋常じゃない程チャレンジングな方法で生きて行かざるを得ないのです。彼らは、自分自身が生きて行くための戦略を練り、成長するに従って、今度はその戦略を他のことにも適用する方法を見いだします。そうして独特で強烈な優位性を身に付けていくのです」“Be obsessed. Be obsessed. Be obsessed.” インテルのアンディグローブも “Only the paranoid survives.”  “Bad Companies are destroyed by Crisis; Good Companies survive them; Great Companies are improved by them.” 執着心が必要という意味では一致していますね。

 

気づきのキャリア(27)チームメンバーのタイプを理解していますか。。

チームを任されたり、タスフォースのリーダーになると、自分よりもメンバーのタイプを理解して、そのメンバーにあった励まし方、仕事の頼み方をしいないと最後には分裂してしまいます。特にそのメンバーが成果型だったら、話を手短かにしたり、友好派だったら頼む前に、今気持ちの準備・時間があるか聞いてから、アレコレ頼まないなどタイプ別の「気分を害しない頼み方」を理解して、自分サイドを変えていくしかありません。リーダーとして、メンバーのきづいていない強みを探して、そこを生かした頼み方をする。特に初めてマネージャーになる人が、なんでも自分が過去に成功したやり方でやらそうとして失敗する例が多いです。

 

気づきのキャリア(28)部下の360度評価をもらったことがありますか。

エグゼクティブコーチングの最初のスタートは、部下の方から360度評価をもらうことです。リーダーの強み、弱み、改善するところを直接聞くのですが、みんなリーダーを成長させるためですので、率直に話してもらえます。リーダーの方は、私も含めて、最初に見たときは、ほとんどが眠れないほど腹が立って起こります。そのあと、落ち着いて、自分でなおせるものならばなおしてみようとじ考えます。そのときの上司が、「俺もそうだったんだよ。簡単にはいかにあけど、2年ぐらいかけるつもりで直していけばいいよ。」言ってくれました。この言葉に助けられました。

 

気づきのキャリア(29)自分の時間をもつ

部下やチームをもつようになると、処理と会議で参加、顧客訪問などが増えて、自分で時間がとれなくなるリーダーが増えてきます。1週間で1回ほど、なにもいれないで、中長期のこととか、大きな目標などを考える時間を、自発的に優先していれないと、すぐなくなってしまいます。朝の散歩などを習慣にしてそのとき考える人、一人でバーに行く人、スターバックスにいつも逃げているので、見つかったという人もいます。

 

 

気づきのキャリア(30)まったく違うことにトライする

経験が増えてくればくるほど、なかなかこれまでと違う経験をすることをためらう傾向があります。時間もかかりますし、新しいことをまなぶのも億劫です。しかし、新しい発見もあります。わたしも今回30年ぶりに、ウィンドウズからMACに変更しました。これまでにも、機会はあったのですが、オフィスの移行や、お気に入り、入力システムなどがかなり時間がかかるのかなと考えていました。やってみたら、時間は当初かかりましたが、みんながすばらしいといっているところが実感できました。スピードも速いし、見た目がすごくきれいです。移行作業も1日で終わりました。パスワードの移管もスムーズでした。これまで、まわりの人がよいということにやってみたのが、コーチングとスタイリストでしたが、MACもそれに匹敵する、自分の偏見をかえる出来事でした。

 

気づきのキャリア(31)現場の人とご飯を食べていますか。

ポジションが上がると、自分の直属の部下以外とはあまりご飯を食べる機会がなくなってきます。送別会や歓迎会などをのぞけば、向こうも気をつかいますし、自分も億劫になります。こういったケースでは、しくみとして一人ずつランチなり、朝飯などを食べる機会をいれるのがよいです。どうしても自分が話しやすかったり、飲みやすい人ばかり誘ってしまうので、フェアーに対話する機会をバランスすると、ビジョンをかたっても、腹落ちしてくれるのです。部下が多くなるほど、これがむずかしくなります。

 

気づきのキャリア(32)余裕がありますか。

これもポジションが上がった場合ですが、わざとゆったりと余裕があるようにみせることを心がけたというひとがいました。バタバタしているようにおもわれてしまうと、話しかけにくかったり、問題を相談できないような雰囲気になってしまうのです。ゆっくり歩いたり、「忙しと」いうのを控えたりすることで、まわりがうける印象もかわってきます。特に部長から上のポジションのひとには気をつけるべき点です。

 

気づきのキャリア(33)才能よりもスキルよりも自信が大事

コーチングしていると、すごくスキルも実績もあるのに失敗したときのトラウマや、過去の経験や失敗からくるみちの挑戦へ恐れが大きい人がいます。特に女性と若い人に。これまでにできていること、うまくいったこと、ちいさくできることなどを理解してもらって、「そこの部分はできている」、「できるんですよ」と自信をもってもらいます。根拠なく自信をもってもらうことができるような、自信づける「コーチングの言葉を使えれば、こういったクライアントには有効です。

 

気づきのキャリア(34)キャリアのFailcon

Failconは起業家がさまざまな失敗や苦労の中で、どう乗り越えてきたのかを共有して、研究し、今後の成功につなげていくカンファレンスです。日本でも、失敗学とい学問や、ヒヤリハットから本当の原因をさぐる研究があります。自分のキャリア構築にも、他社の失敗の分析、自分への応用は大切です。挑戦する数と失敗の数は比例しますし、地雷の発見には地図が必要です。

 

気づきのキャリア(35)ブッコミ力とふっかけ力

若い人ほど、最近は必要以上に気を使って、自分の意見をいわずに抑える気味にはなす傾向があります。その方がよいと思うのと、変な見当はずれのことを言って、まわりの人の時間を無駄にしたくないという気持ちなのですが、率直に「空気を読まずに」疑問をぶつけることも大事です。ほとんどの上司は、アンテナの高い人ほど、自分の知らない視点を大切にしています。短い質問で、上司の思考の枠を広げてあげる「ブッコミ力」、まったくできそうにないことを考えてみる「ふっかけ力」を、若い時代からもっている人は、1段、2段成長がはやくなります。

 

気づきのキャリア(36)報連相していますか?

エグゼクティブのコーチングをしていると、よくあるのが、部下からの報連相に満足していないことです。特に、経営者に近い人ほど、相談してくれたり、よいタイミングで情報をくれる人が信頼されています。その部下の人は、もっと重要なレベルにならないと、報告しても上司の時間を無駄にしてしまうと思って、自分がそれほどでもないと思っているうちは、報告しないのです。このケースは非常に多く、簡単に報告できればいいのですが、認識のギャップがあるとどうしてもなかなか、上司の気に入るようにできないのです。

 

気づきのキャリア(37)インテルリーダーのキャリア戦略1 ゲルシンガー 「常に次の準備を」

ゲルシンガーは今では、vnwareという仮想化技術の会社のCEOですが、インテル在社中は、最年少の32歳でVPになりました。彼は、7人兄弟のオランダの移民の末っ子ですが、短大卒でインテルに入り、インテルで働きながらの会社からの学資補助で、学士、修士をとり、補助金の個人最高記録を持っていると話していました。彼は、アンディ・グローブの弟子といわれるほど、ハングリーで自分にも相手に激しく仕事を要求しました。私も、日本に来る時1週間ほど、アテンドしたことがありますが、朝6時から、最後の夕食まで、まったく無駄な時間のない、お客との会議、社内打ち合わせ、講演などみっちり全部スケジュールしていました。彼のキャリアに対する戦略は二つです。

–1. Do a great job at whatever you are currently doing, even if you do not like it.(仕事では成果を出せ。その仕事が好きでもきらいでも。)

–2. At the same time, be learning the skills you need in order to do your next job well- wherever it is you want to be next.(同時に、次にの仕事に必要なスキル準備しはじめよ。いつなりたいとしても。)

常に、この姿勢を続けているそのハングリーさは変わっていません。

 

気づきのキャリア(38)インテルリーダーのキャリア戦略2 パラメッター 「まず二つのことを」

パラメッターは、イスラエル出身で、製造・開発の責任者になりました。イスレエルの人間はすべて、軍隊出身なので、日本人のようにいつもきっちりとまじめにとりくみます。彼がいつも言っていたのは、すごくたくさんおやるべきことがある。全部はできない。いつも一番大事な1−2のことに集中しよう。それが一番生産的だから。単純ですが、周りを納得ささえるのに非常に効果的です。

 

 

気づきのキャリア(39)インテルリーダーのキャリア戦略3 オッテリー二 「横にも移動を」

ポールはイタリア系移民アメリカ人ですが、もともとはファナインスのシニアポジションでしたが、マーケティング系のポジションに横移動しました。ファイナンスのCEOなど、もっと上のポジションも目標にできたのですが、ラテラル(横移動)は給与や条件がよくなるわけでもないし、未知への挑戦でもあるのだが、この経験がすごく自分のキャリアの幅を広げたと言っていました。営業統括の責任者であったときは、非常に怖く、激しいリーダー(brutal managemen)でした。赤のすごい大きいフォントで、「I do not understand.」、「Do not reformat my brain.(そんな説明の仕方ではわからない。)」などのメールを送ったり、顔を真っ赤ににしてよく部下を怒っていました。しかし、晩年は、すごく柔かくなり、「自分がされていやなことは人にしない。」というのをフィロソフィーとして持ち、昔は「work hard」で、宇宙飛行士などのように、「Up or out」だったが、今はそれでは、若い世代はついてこない。リーダーにフォロワーシッップが必要だと激変しました。

 

気づきのキャリア(40)陳腐化するスキルと新しく生まれるスキル 

先日全国の情報科の高校の先生に、IT業界のトレンドについて講義する機会がありました。これで3度目ですが、今回は初めてインテルをやめてからの講義なので、20人ぐらいの先生に今考える課題を聞きました。みなさんが、一番悩んでいるのは、HWやSW、OS、プログラム言語などが変化が速すぎて、今生徒におしえていることが、結局役にたたないでのはないかという心配でした。PCやタブレットもすぐ古くなってしまうので、維持したり、新ソフトを買う予算がないとのことでした。私もスキルや知識はすぐに陳腐化するので、毎年3割ずつ陳腐化して、3年でまったく価値がなくなる気がします。貪欲にあたらしいスキルを学んで、古いスキルは惜しまず捨てること、そればこれからのキャリアにすごく大切です。

 

気づきのキャリア(41)インテルリーダーのキャリア戦略4 ルネージェームズ 「テフロンのように」

一番最近のCEOで女性ですが、彼女は女性がリーダーとして必要なのは、テフロン加工のように、批判に強く気にしないことだと説いています。テフロン政治家とは、厚顔であつかましく前にすすむ政治家のことですが、女性のリーダーは特に自分のせいでないことや、不可能なことを悩んで時間を無駄にしてしまう傾向があると言っています。非常に厳しいアンディグローブ社長補佐として4年間働いた彼女ならではのノウハウです。

 

気づきのキャリア(42)インテルリーダーのキャリア戦略5 CMO 「あなたが火事を消して」

Chief Marketing Offcierとして、アップルの営業部長の実績から昇進したのですが、彼女のポリシーは、仕事を愛し、課題解決を喜びなさい(Love your job, enjoy issues to resolve.)です。大きな問題や、事件をみずから進んで解決していくことで、信頼を得て、もっと大きなタスクを任せられるとして期待値があがっていきます。火事を消すのを愛しなさい、誰かが消さないといけない。それなら手をあげてそれを楽しむことが、あなたの実力が磨かれます。

 

気づきのキャリア(43)インテルリーダーのキャリア戦略6 CSO キルロイ 「みんな先先」

営業部門のトップであるChief Sales Offcierはエリートポジションです。歴代のCEO候補が勉強のためにまず経験します。しかし、非常に出張も多く、ストレスなどで激務のため身体を壊す人が多いです。彼は、現場からのたたき上げで、人間力でトップまで登り詰めた非常な人格者です。実績を築きなさい。集中して。( Build track record. Be direct. Stay focus.)。学びなさい。同僚や部下からも学ぶところはあります。ネットワークして関係を広げなさい。( Be set up to learn. You can learn not only from managers but also from peers/subordinates. Intel has brilliant talent pool. Take the opportunity to network internally/externally)。誰からも学べるというところは、松下幸之助のようですね。

 

気づきのキャリア(44)リーダーとしての技術は、リーダーになる前に学ぶ! 『インフォーマルリーダーシップ』とは。

Study Hackerのへの寄稿文にのりましたので、引用します。

若手のうちからチームやタスクフォースのリーダーに抜擢される。

近年そんな機会が増えています。

しかし、いかにプレーヤーとして優秀な人でも、リーダーとしても同じように優秀でいられるとは限りません。リーダーに就任した途端に周りがうまく行動してくれず、悩んだ末に潰れてしまうという例も少なくないのです。

今回はそんな時の準備のために参考になる本をご紹介します。堀氏のこれまでのリーダーシップに対する思い、知見がつまった良書です。『リーダーシップの本質 改訂3版』堀紘一著 

リーダーには状況判断能力、意志決定力が重要。しかしそれらは、リーダーになったからと言ってすぐに発揮できるものではありません。しかし一方で、それはリーダーになる前から行使できる種類のものでもなく、したがってその能力は育ちにくいものです。

それらの能力は、リーダーになる前の段階でインフォーマルリーダー(非公式なリーダー)として学び、準備しておくべきものなのです。よく、「課長にしてくれたら、こういう仕事ができるのに・・・・・・。」ということを言う人がいますが、そうではありません。

そういうポジションに就く前から、インフォーマルリーダーとして周りから信頼を得られるような行動や態度を取り、リーダーになるための下準備をしておくことがたいせつです。

本書の中ではさらに、「リーダーは明日を語れ」、「相容れない意見を認めろ」など、周囲の信頼や期待感・安心感を得る具体的な方法が語られます。 

著者の掘さんは、「組織の責任はすべてリーダーにある。」と語ります。

組織には目的があり、リーダーはその向かうべき方向を考え、最も効率的な方法を組織の構成員に指し示して、目標達成に向かわせる必要がある。

(引用元:「リーダーシップの本質」掘紘一)

 その場合、問題となるのは、「どのように目的を理解させて、自発的に行動してもらうか」ということです。

理論的に最良の方法がメンバーに理解されないこともある。技術と経験が豊富な人々をも含めたメンバーが理解できないことは、たとえ理論上正しくてもうまくいかないケースが多い。そのとき、メンバーを教育する一方で、彼らを納得させていく、その両方のスピードを同調させずにリーダーだけが理で推し進めていくと、決して成功は得られない。そのさじ加減は非常にむずかしい。リーダーはつねに、最良の条件で可能な、目的への最短の道を探りつづけなければならない。同時に、組織の成員の許容し理解する範囲を把握し、理想現実のバランスをとっていく必要がある。(引用元:同上)

そのときに、リーダーができることは、メンバーが気づいていない強みを発見し、伸ばしてあげることです。

人をほめることはリーダーとしてかけがえのない大切なことなのである。褒めることは難しいが、それができなければいいリーダーにはなれない。リーダーが人を褒めるとき大事なのは、結果よりもプロセスを褒めることである。人間は理解をもとめる動物である。一所懸命工夫したことや、今までとは違うやり方をしたことは、結果よりもプロセスに現れる。失敗事例の中に褒める要素を見つけ出すのは、リーダーにとって大変な労力を要する。(引用元:同上)

映画『イミテーションゲーム』では、コンピューターの前身となる「チューリングマシン」を作った、アランチューリングがリーダーとして苦闘します。

彼はあまりにも頭が良く、自分の方法がベストだと信じて疑いません。そのせいで、彼のチームはうまく機能しなくなってしまうのです。彼に足りなかったのは、どのようにチームを動かしていくのか、どのようにチームのメンバーひとりひとりに気配りをしていくのかということへの理解でした。

そのことの重要性に気づいたかれは、メンバーにリンゴを配ります。単純ながらも、その行為に彼の気持ちの転換を見たメンバーはそのことを喜びます。

都市伝説ですが、アップル社のロゴであるリンゴは、青酸カリ入りリンゴを食べて自殺したとされているチューリングへの敬意を表しているそうです。

***

いかがですか?

リーダーになる前から、リーダーとして信頼されるよう、行動を意識する。できることから少しずつ初めて試してみましょう。

リーダーシップは素質ではありません。スキルとしてみんな学べるのです。

参考

「リーダーシップの本質」堀紘一 著 ダイヤモンド者 2009年

映画「「イミテーションゲーム」

 

気づきのキャリア(45)21世紀のリーダーは英語やMBA よりも「コーチング」を身につけよ

元インテル株式会社 執行役員 板越 正彦

フライヤー×サーキュレーションの「知見と経験の循環」企画第5弾。
経営者や有識者の方々がどのような「本」、どのような「人物」から影響を受けたのか「書籍」や「人」を介した知見・経験の循環についてのインタビューです。

今回登場するのは、元インテル株式会社 執行役員の板越 正彦さん。
インテルに21年間在社された経験を活かし、2012年にBCS認定ビジネスコーチングの資格取得。経営者だけでなく、学生や若い起業家にもコーチングやワークショップを行ない、現在はエグゼクティブ・コーチングを行うビジネスコーチ株式会社の顧問や、インターネット広告のベンチャー企業である株式会社ヒトクセのアドバイザー、新規事業開発のメンターなどを兼任。これまでの受講者・コーチングクライアントは累計で約700人を突破し、絶大な支持を集めておられます。
「英語やMBA よりも、コーチングが21世紀には重要」「コーチングは訓練次第で身につけられるスキル」と語る板越さん。
コーチングがなぜ重要なのでしょう? ビジネスパーソンがコーチングの考え方を人生に活かすにはどうしたらいいのでしょうか?

コーチングは漫才に似ている
相手の心が動くポイントを見極めるには?



――「英語やMBA よりも、コーチングが21世紀には重要」とおっしゃっていますが、その理由をお聞かせいただけますか。

板越 正彦さん(以下、板越):英語もMBAももちろん必要ですが、多様性の時代において、自分とタイプや価値観が違う相手とチームと一緒に、どれだけ気持ちよく仕事ができるかが一番大事になってきたんです。相手のタイプに合わせて対処することが求められるようになった。その人がどんな性格で、何が好きで、どんなときにモチベーションが上がるのか。それを知ってはじめて信頼関係を築けます。

日本人の場合、コーチングのスキルをちょっと勉強するだけで、相手に気づかせる質問する力が伸びやすい。日本人は人の話を聞きますから。アメリカ人も中国人もインド人もなかなか聞かないでしょ(笑)相手の話を、相手の理解しやすいアナロジー(たとえ話)に言い換えたり、具体論や抽象論をまじえたりして整理してあげると、相手は喜ぶし、話に説得力がでるんですよ。

コーチングは漫才と似ているところがあって、「あ、これはこういうオチかな」とパターンがわかると、返しがはやくなる。若いうちから意識してやれば、対応できるパターンが増えていきます。世の中の人はいくつかのタイプに分かれます。成果を求める人、データを求める人、新しいことが好きな人。色んな人がいますが、日本人の6割は「相手やチームを幸せにできることが自分も幸せ」というタイプです。このポイントを見極めて、どうチームをつくっていくかが大事なんです。



――そうした力を高めるにはコーチをつけるのが一番だと思いますが、20代の若手にはなかなか敷居が高いのかなと。そんなときには、どうやって鍛えればいいのでしょうか。

板越:コーチングのスキルは、英語力や雑談力と同じように、「試す」ことで自分でも身につけることができます。ポイントは、相手が何に関心があるのかを、色んな着眼点から探っていくこと。これは就活でも営業でもクレーム対応でも非常に効果的です。面接官に「今までの仕事で何が面白かったですか?」と質問をふって、反応を見ればいいんです。

昨年、地元の地域の区長をしたんですが、地域のルールを守らず、近所の人が手を焼いているおじいさんがいました。僕はまず相手の話を聞きにいったんです。そしたら、そのおじいさんが過去に柔道をしていたことがわかり、「柔道、強かったんですね~!」と話すうちに打ち解けて、最後は地域のルールを守ってくれるようになりました。

 

リーダーは「テフロン」を身につけよ

 

気づきのキャリア(47)『ムーアの法則』を人生に活かす? テクノロジーの進歩に学ぶ人生を加速する方法 

Study Hackerのへの寄稿文にのりましたので、引用します。

 

『ムーアの法則』を人生に活かす? テクノロジーの進歩に学ぶ人生を加速する方法

― 2015年9月16日

 

コンピューター業界は、PCからスマホ、そしてウェラブルや、クラウド、IOT(Internet of things ―もののインターネット)と、その変化はすさまじいものがありますね。その中でも、コンピューターとネットワークの進歩を支えてきた、二つの法則を見てみましょう。

コンピューターそのものの発展は半導体の進歩無しには成し得ませんでした。まずは半導体の進歩を支えた「ムーアの法則」です。

ムーアの法則

ムーアの法則とは、「1年半ごとに性能を2倍(スピードを早め、省電力、省スペースにする)に改良することを40年間続けると、100万倍の性能の進歩になる」という考え方。半導体業界ではこの法則こそが長年製造プロセスのバイブルでした。

半導体の集積密度は18~24カ月で倍増し、チップは処理能力が倍になってもさらに小型化が進むという法則。~中略~法則は現在でも成立しているとされている。

(引用:コトバンク|ムーアの法則)

簡単に言うと、定期的な見直しを行うことで、倍々ゲームのようなすさまじい速さで成長していく、というもの。これを自分自身の成長に当てはめて考えてみましょう。

1,2年に一度、習慣を見直すだけで可能性は無限に広がっていきます。それは何も、そんなに大層な習慣でなくて良いのです。例えば、「人の話を遮らない」「怒っているときに話さない」「勇気をもっていつも最初に質問する」「知らない人にアドバイスを求める」「朝早起きする」「毎日散歩する」などで十分。

ちょっとした意識で変えられるような簡単なことでも、これが習慣になってしまえばその後の人生にプラスの影響を与えているのをたくさん見てきました。新しい習慣にするには、最低でも半年、だいたい1-2年かかります。人生90年の時代と考えると、まだまだ何十回ものチャンスがあります。

ある開発責任者は、ムーアの法則についてこのように話します。

「ゴールははっきりと明確ではない。霧のようなものだ。そばまで行くと少し道が見える。少し行くともう少し見える。そうやってすこしずつ進んでいくと40年たったのだ。」 目標やゴールへの道筋も、はじめはきれいに見えないものです。しかし、霧の中ではじめの一歩を踏み出さなければ、進歩を始めることはできないのです。

 

メトカーフの法則

もう一つの法則は、ネットワークの法則である、「メトカーフの法則」です。

メトカーフの法則(メトカーフのほうそく、Metcalfe’s law)は、通信網に関する法則。「通信網の価値は利用者数の二乗に比例する。また、通信網の価格は利用者数に比例する。」というもので、例えば通信網に対し現在の3倍の費用をかけると(利用者を3倍にすると)、その通信網の価値は9倍になるという考え方である。

(引用:コトバンク|メトカーフの法則)

メトカーフの法則というのは、「ネットワークの価値は利用者数の二乗に比例する」というもので、例えばネットワークに対し利用者を3倍にすると、そのネットワーク網の価値は9倍になるという考え方です。こちらも、やはり倍々ゲームで価値が上がっていく様子を示しています。

私も、パートナーやコーチの集まりに参加し、自分の課題や決めかねていることについてアドバイスをもらうことがあります。その際には、多くの人の意見を聞くほど、自分の決定についての自信がついてくることを感じます。また逆に、自分のアドバイスや行動で相手に影響を与えることを理解すると、いろいろな人にアドバイスをもらうことへの抵抗がなくなります。着眼点が広がり、気づきを得ることも増えてきます。

これはまさに、人的ネットワークが拡大することにより、その価値が増大しているということを示唆しているのではないでしょうか。

***

いかがでしたか?

小さな動きを継続していくことでその効果は無限大に広がります。これらを応用して、自分のスキルを上げてスピードを加速することで、これからの人生の可能性を最大化しましょう。

 



――仕事だけでなく地域の活動でもコーチングを活かしておられるって、素晴らしいですね! 人を動かす場面では非常に役立つのですね。

板越:誰かに何かをやってもらうには、相手のモチベーションが上がるポイントを探ることが大切です。そのためには、まず自分から相手に質問して、話を聴かないといけない。

ですが、人に近づくことを恐れている人が多いですね。昔は飲んで悪口を言ってもそれっきりでしたが、今はSNSの時代だから、悪口が文字で残り、それを見た本人は心を痛め続けるわけですよ。僕なんて嫌なことを書かれたらすぐ「ブロック、削除、拒否、フォローしない」だから(笑)建設的でない嫌な批判は自分から遮断しないとね。

今後リーダーになっていく人は、「テフロン」を身につけていったほうがいいですね。テフロンというのはテフロン加工という言葉のとおり、「何を言われても傷つかない」という意味。特に女性には、相手の言葉を気にしすぎる人や、完璧主義を目指す人が多い。女性のリーダーのコーチングでは、「人の言うことをいい意味で気にしないで」「自分の意見を言う勇気をもってポジションをとろう」というメッセージを伝えています。この二つを意識してできることをコツコツするだけで、すごく自信がついて、伸びる人が多いです。



――どれだけトレーニングをしても、変わらない人もいらっしゃるんですか。

板越:もちろんいます。時間をかけて、相手の成功体験や長所を探し、「できましたね!」と伝えるようにします。ただ、中には、どうしても変わらない人もいます。高齢の親にいくら「健康に悪いからタバコやめて」と注意しても変わらないでしょ?(笑)でも、もしかしたら「タバコやめないと孫に嫌われるよ」と言えば響くかもしれない。そのポイントをいかに試行錯誤して見つけ出すかという長い旅ですよ。

 

バケットリストで常に未知の世界へ飛び込む



――相手に響くポイントを探ることが大事なんですね! 板越さんが新しいトレンドをつかむために実践されていることは何ですか。

板越:バケットリスト(※注)をつくって、常に新しい挑戦をするようにしています。例えば今週末はhtml/CSSのスパルタキャンプに行きます。IT業界を目指す人にとって、なぜhtmlを学ぶのが大変なのかを知りたいと思って。2週間に1回くらい、無理のない程度に新しいことをやってみるのが秘訣です。
(※注 「死ぬまでにやりたいことリスト」のこと。棺桶リストとも呼ばれる。)



――無理のない程度に、新しい世界に飛び込むのが、挑戦を楽しむコツなんですね。こうした挑戦を続けていて、ご自身にどんな変化がありましたか。

板越:変化はいっぱいありますね。僕は毎年目標を立てていて、富士山に登るとか、違うタイプとゴルフするとか、伊勢神宮のそばで滝に打たれるとか、色々やっています。例えば、これまで地味な安物•ダブダブの服ばかり着ていたので、思い切って50万円かけてスタイリストをつけたら、見違えるように変わったと言われました。

あとは、平日ゴルフに行くと、70~80代の元気なおじいさんたちと世間話することができて、これが実は勉強になるんですよね。炎天下で動き回ってもピンピンして、「家でじっとしてるほうが熱中症になるんだよ。」と言う彼らの姿から、「健康への投資が人生では一番ハイリターン」なんだなと教わりました。



――周囲のどんな人、ものからも学んでおられるのですね! 板越さんは、これまで自己啓発の本を千冊ほど読まれ、ブログでも多くの書評を書かれています。中でも、ご自身のキャリアの転機を支えた本は何でしたか。

板越:一つあげるとすると、カーネギーの著書『道は開ける』ですね。20~30代に営業で大変だった時期を支えてくれた本です。「潜水艦は水を遮断する」という一節があって、「過去や未来を心配するのではなく、今日1日だけを考えよう」という内容が印象に残っています。くよくよ悩んで、無駄なことにエネルギーを使ってはダメなんだと学びました。もちろん全く悩まないわけにはいかないけど、ちょっと違うことをして、立ち直りまでの時間をはやくするのが大事です。それから、自己啓発の本を読み、仕事に活かすようになりましたね。

一流の営業パーソンは、ダークサイドを持っているんですよ。顧客の社長のおじいさんにわざと「生きてる?」って電話したりとか(笑) 無礼で叱られる気がしますが、慇懃無礼すぎるといつまでたっても懐に入れず、距離が縮まらないんですよね。



――板越さんは、最初に入社した会社で英語力をメキメキ伸ばし、MBAにまで行かれています。英語力を磨きたいというビジネスパーソンはいっぱいいると思うのですが、おすすめの学習方法は何ですか。

板越:カジュアルな場でどんどん英語で話しかけることです。特に一緒にご飯を食べるとき、先に少し酔っておくと、ミスを気にせず質問できる(笑) プールバーはいい練習になります。暇そうな人に話しかけていました。“Would you ?”とか“That’s great !”って言えば、会話は弾みます。最近ではスマホで撮った写真も話を広げる小道具として使えますよね。

文法を気にするより、すべらない話をストックしておくほうが大事。国内にいても、観光客に“May I ?”と英語で話しかけてみれば、相手は喜びますよ。流暢に話す必要なんてないんですから。



――それなら今日からでも試せそうですね! なんだか私も気が楽になりました。英語学習もコーチングも「失敗をおそれず気楽に試すこと」が大事なんですね。ありがとうございました

 

気づきのキャリア(46)「ポジションをとることを恐れない」

―コーチングでは自信を与えることが重要―

 

ビジネスノマドジャーナルさんにも記事を書いてもらいました。

 

「ポジションをとることを恐れない」 ―コーチングでは自信を与えることが重要―

キャリア

2015年09月11日

 

フライヤー×サーキュレーションの「知見と経験の循環」企画第5弾。

経営者や有識者の方々がどのような「本」、どのような「人物」から影響を受けたのか「書籍」や「人」を介した知見・経験の循環についてのインタビューです。

今回登場するのは、元インテル株式会社 執行役員の板越 正彦氏。

インテルに21年間在社された経験を活かし、2012年にBCS認定ビジネスコーチングの資格取得。経営層だけでなく、学生や若い起業家にもコーチングやワークショップを行ない、現在はエグゼクティブ・コーチングを行うビジネスコーチ株式会社の顧問や、インターネット広告のベンチャー企業である株式会社ヒトクセのアドバイザー、新規事業開発のメンターなどをされています。

これまでの受講者・コーチングクライアントは累計で約700人を突破し、絶大な支持を集めておられます。

板越氏はどんなキャリアの転機を経て、今の働き方を選ばれたのでしょうか。

勝つためには、まずは先制攻撃―柔道とアイスホッケーが教えてくれたこと―

-まずは、これまで歩まれてきたキャリアと、どのようなスキルを培ってこられたのかをお聞かせいただけますか。

板越 正彦氏(以下、板越):

小さい頃にさかのぼると、実は体が弱く頭でっかちのいじめられっこだったんです。ですが、柔道をやり始めてから逆にいじめっこに近くなった(笑)柔道のおかげで、どんな相手でも寝技や締め技など、戦略を立てれば勝てるようになり、根性と自信が身につきましたね。

高校時代に上京への憧れを持つようになり、一浪して東京へ。それも一つの転機だったかな。大学には優秀な人ばかりいて、どうすれば自分の強みを活かせるかなと考えていた。

そこで始めたのがアイスホッケー。勝つためには相手よりも先にフォアチェック(体当たり)にいかないといけない。率先して攻撃にでるマインドの大切さを学びましたね。

社会人としてのキャリアですが、実は就活のときに、しくじってしまったんです。当時はバブルだったこともあり、面接で面白い話を披露したら、面接官にどっかんどっかんウケて、少し天狗になっていたんでしょうね。大手テレビ局の内定もいただきました。ところが、前の日に合宿から帰ってきて疲れていたので、身体検査の日に寝坊して、内定を取り消されてしまいました。それまで寝坊なんて一度もしたことなかったのに...!

結局は親切にも「ダメだったらうちにきてよ」と内定をいただいていた化学メーカーのJSRに入社を決めました。この経験から自分のなかで「先に決まったところに行く」というポリシーができました。その後も、他社や他部からより好条件のオファーが後からきても、先に約束した会社やポジションを優先したことが、最終的には良い結果につながってきたと思います。

JSRでは、英語の研修センターに派遣されたんですが、僕は当時TOEICも400点くらいで、一番低いレベルのGクラス。Aクラスの800点クラスからすると、Garbage(生ゴミ)クラスと呼ばれるくらいでした。(笑) 最初の授業で、オモチャの赤電話もらいましたから。でもそこから一年間、英語を勉強し、海外でMBAを取れるまでになった。この経験からは「最初できなかったことも、コツコツやっているうちにできるようになる」というポリシーが生まれました。そんなとき、国連のようなグローバルな世界に惹かれ、パリのユネスコ(国連教育科学文化機関)で2年間働く機会を選びました。ユネスコでは「ちゃんと実績を示せれば認められる」ということを学びました。任期も終わり、再雇用されず、失意の失業中に新聞で偶然出合ったのがインテルの求人広告。元々コンピュータが好きだったし、面白そうだなと応募してつくば勤務になりました。

こうした経験の中で、英語を使えるようになったことや、ちょっとやそっとでめげなくなったことが、その後インテルでの約20年に活きていったわけです。

アンディ・グローブがプロジェクターをぶん投げた。インテル時代の激しいマネジメント

-インテルでの約20年間で、板越さんのキャリアを導いてくれる方はいらっしゃいましたか。

板越:

一番影響を受けたのは、僕を駐在員としてシリコンバレーの本部に連れていってくれたフランス人の上司ですね。ユネスコ勤務のおかげでフランス語が話せたので、上司のお母さんの電話を受けた縁で、仲良くなり、かわいがってもらいました。

異端児ともいえるインテル創業者のアンディ・グローブと仕事で直接話せたのも、貴重な経験でした。彼は非常にハングリーでマネジメントも激しい人。会議中にプロジェクター(当時はOHPというかなり重いもの)を投げつけてぶっ壊したエピソードもあるくらい(笑) 彼もふくめて、ずば抜けた起業家たちはハングリーな移民が多いのですが、シリコンバレーには海外からやってきた天才をサポートする仕組みができているんです。

-板越さんは、そうした異端児をサポートされてきたのですね。その後のキャリアはどうだったのでしょうか。

板越:

2000年に帰国し、インテルの部署で実績を積み上げていきました、経理部長という肩書をもらえて頭でっかちになっていたのか、そこで大きな失敗をしました。失敗は昇進や成功のあと、傲慢さや自分の万能感が出てきたときに起きるんですよね。

チームが仲良く仕事をできるようなケアを一切せず、成果主義だけに走った僕は、優秀な社員をたくさんやめさせてしまい、部下からの信頼がガタ落ちでした。「これはまずい」と思い、部下たちに積極的に声をかけ、チームの輪を第一に無理強いしないようにしたらなんとか信頼度が上がっていきました。しかし、また10年後に、社長賞などをもらって天狗になると、同じような失敗が待ちかまえていました。360度評価で部下からの評価がたった20点になってしまったんです。人の意見を聞けるようにならないと、現場を自発的に動かせないと痛感し、コーチングの資格を取ることに決めました。すると1年後には80点ぐらいまであがりました。「なりたくてなる天狗はいない」とオリエンタルラジオが言っていましたが、その通りですね。

インテルは元々、「Up or Out」などの気性の激しい人たちの集まりでしたが、それだとジェネレーションX(※板越さんの一つ下の世代に当たる1961年から1981年までの20年間に生まれた世代のこと)はついてこない。だから、チームのことをまず考えられる人がリーダーになる会社へと転換していったのは必然的な流れだったのでしょう。

天才的かつ激情型で有名だったインテルのゲルシンガー氏が豹変 コーチングの威力

 

-インテルで様々な経験を積まれる中で、コーチングのキャリアを選ばれたのはどんな理由があったのですか。

板越:

アメリカだと上級経営者はみんなエグゼクティブコーチをつけていて、コーチングがリーダーになるための必須スキルとされています。現場の相手の話に耳を傾けなくては本当の情報がわかりませんから。悪い情報を話しかけやすい雰囲気がないとリーダーはダメなんです。このコーチングスキルを日本の経営者や政治家も身につけないといけないのですが。

実際、天才的かつ激情型で有名だった元インテルのエグゼクティブ、パット・ゲルシンガーがコーチをつけたことで、1年でガラッと柔らかくなったのを目の当たりにして驚愕しました。彼は猛烈な働き方をする超合理主義者で有名で、部下にもかなり厳しい人でした。ところが、ある日空港で、彼が非常にいそがしいのに、タクシーの中で新人の質問に1時間以上ずっと丁寧に答えている姿を見て、その変わりように驚いたんです。コーチングの威力を目の当たりにするとともに、コーチングは上に立つ人間にとって必須のスキルだと再確認しました。

コーチングでは、研修と違って「(目標達成のためにやるべきことを)ちゃんとやってる?」と定期的に尋ねるので、傾聴するなどの行動習慣が定着するんです。

それに僕自身が元々、激しいタイプなので、自分がコーチになることによって「激しく怒らない」という抑止力にもなっています。

「ポジションをとることを恐れない」―コーチングでは自信を与えることが重要―

-コーチングは訓練次第で身につけられるスキルなのですね。Business Nomad Journalの読者の中には、独立を考えている方々も多いのですが、そうした方々にはどんなことを伝えられますか。

板越:

独立や起業を目指す人には「本当は何をしたいの」「何から始めるの」と質問しています。成果を上げている人をさらに引き上げるのがコーチング。彼らには意思決定のための着眼点や、自信を与えることが非常に大事です。失敗を恐れている人が増えていますが、たとえ賛同する人が少なくても、「ポジションをとることを恐れるな」と言いたいですね。

特に起業家や経営者のように人を動かす立場にある人は、ビジョンを語り、社員個人の目標とすり合わせることが非常に重要です。例えば、小さな飲み会など、仕事外の場で一人一人にビジョンとその思い、日々の活動との関連を聞くのも手です。

-ビジョンを語り、相手とすり合わせることができるリーダーが今後求められるのですね。最後に板越さんのビジョンをお聞かせください。

板越:

顧問という働き方をスタートさせたばかりですが、今後はコーチングのクラウド化を実現したいと思っています。日本の企業では、「実践値の共有」が足りていません。例えば一流営業パーソンの営業会話や、よくある失敗例をクラウドや動画で速く広く共有すれば、成功の最短距離を学べるし、無駄な地雷を踏まなくて済みます。

シニアが説教や昔話、自慢話ではなく、次世代の役に立つ知恵やノウハウをわかりやすく伝えていけば、若い人たちも耳を傾けてくれます。その意味でも、サーキュレーションがやっているような、顧問の知見とそれを求めている人や企業とをマッチングしていく仕組みがもっと広がっていけばいいなと思いますね。

本の要約サイト フライヤーのインタビューはこちらから!

「21世紀のリーダーは英語やMBA よりも『コーチング』を身につけよ」と語る板越氏。ビジネスパーソンがコーチングの考え方を人生に活かす方法をお届けします。

 

気づきのキャリア(47)『ムーアの法則』を人生に活かす? テクノロジーの進歩に学ぶ人生を加速する方法 

Study Hackerのへの寄稿文にのりましたので、引用します。

 

『ムーアの法則』を人生に活かす? テクノロジーの進歩に学ぶ人生を加速する方法

― 2015年9月16日

 

コンピューター業界は、PCからスマホ、そしてウェラブルや、クラウド、IOT(Internet of things ―もののインターネット)と、その変化はすさまじいものがありますね。その中でも、コンピューターとネットワークの進歩を支えてきた、二つの法則を見てみましょう。

コンピューターそのものの発展は半導体の進歩無しには成し得ませんでした。まずは半導体の進歩を支えた「ムーアの法則」です。

ムーアの法則

ムーアの法則とは、「1年半ごとに性能を2倍(スピードを早め、省電力、省スペースにする)に改良することを40年間続けると、100万倍の性能の進歩になる」という考え方。半導体業界ではこの法則こそが長年製造プロセスのバイブルでした。

半導体の集積密度は18~24カ月で倍増し、チップは処理能力が倍になってもさらに小型化が進むという法則。~中略~法則は現在でも成立しているとされている。

(引用:コトバンク|ムーアの法則)

簡単に言うと、定期的な見直しを行うことで、倍々ゲームのようなすさまじい速さで成長していく、というもの。これを自分自身の成長に当てはめて考えてみましょう。

1,2年に一度、習慣を見直すだけで可能性は無限に広がっていきます。それは何も、そんなに大層な習慣でなくて良いのです。例えば、「人の話を遮らない」「怒っているときに話さない」「勇気をもっていつも最初に質問する」「知らない人にアドバイスを求める」「朝早起きする」「毎日散歩する」などで十分。

ちょっとした意識で変えられるような簡単なことでも、これが習慣になってしまえばその後の人生にプラスの影響を与えているのをたくさん見てきました。新しい習慣にするには、最低でも半年、だいたい1-2年かかります。人生90年の時代と考えると、まだまだ何十回ものチャンスがあります。

ある開発責任者は、ムーアの法則についてこのように話します。

「ゴールははっきりと明確ではない。霧のようなものだ。そばまで行くと少し道が見える。少し行くともう少し見える。そうやってすこしずつ進んでいくと40年たったのだ。」 目標やゴールへの道筋も、はじめはきれいに見えないものです。しかし、霧の中ではじめの一歩を踏み出さなければ、進歩を始めることはできないのです。

 

メトカーフの法則

もう一つの法則は、ネットワークの法則である、「メトカーフの法則」です。

メトカーフの法則(メトカーフのほうそく、Metcalfe’s law)は、通信網に関する法則。「通信網の価値は利用者数の二乗に比例する。また、通信網の価格は利用者数に比例する。」というもので、例えば通信網に対し現在の3倍の費用をかけると(利用者を3倍にすると)、その通信網の価値は9倍になるという考え方である。

(引用:コトバンク|メトカーフの法則)

メトカーフの法則というのは、「ネットワークの価値は利用者数の二乗に比例する」というもので、例えばネットワークに対し利用者を3倍にすると、そのネットワーク網の価値は9倍になるという考え方です。こちらも、やはり倍々ゲームで価値が上がっていく様子を示しています。

私も、パートナーやコーチの集まりに参加し、自分の課題や決めかねていることについてアドバイスをもらうことがあります。その際には、多くの人の意見を聞くほど、自分の決定についての自信がついてくることを感じます。また逆に、自分のアドバイスや行動で相手に影響を与えることを理解すると、いろいろな人にアドバイスをもらうことへの抵抗がなくなります。着眼点が広がり、気づきを得ることも増えてきます。

これはまさに、人的ネットワークが拡大することにより、その価値が増大しているということを示唆しているのではないでしょうか。

***

いかがでしたか?

小さな動きを継続していくことでその効果は無限大に広がります。これらを応用して、自分のスキルを上げてスピードを加速することで、これからの人生の可能性を最大化しましょう。

 

 

気づきのキャリア(48)『グロースハッカー』に学ぶ、自分の人生の成長をハックする方法

Study Hackerにのりましたので、引用します。

皆さん、「グロースハッカー」という仕事を御存知ですか?日本ではまだあまり聞き馴染みが無い職業ですが、今アメリカのシリコンバレーでは、データサイエンティストと並んで最も人気のある仕事の一つであると言われています。

グロースハックとはどんな仕事か?

 グロースハック(成長請負)とは、最近のWEB系の製品やサービスの開発用語です。改善のモニタリング速度と頻度を究極まであげることで、潜在顧客の開発やサイトを訪れるユーザーの増加、そしてダウンロードするトラフィックの最大化などを図ります。

引用元:『グロースハック 予算ゼロでビジネスを急成長させるエンジン』 ソーテック社2014年刊 梅木雄平著

アプリやページのデザイン、ユーザーの声、ことばの表現、ボタンの大きさ、レイアウト、などを同時並行して毎秒単位で改善することで、最終的に100万人、1億人というユーザー獲得目標を最短で目指します。

プロダクトやサービスのプロモーションを行う際、通常であれば完成後に綿密なマーケティング計画を立て、それを実行していきます。

しかし、変化の激しいIT業界では、製品開発とマーケティングは同時に行われます。これを実行する人々が「グロースハッカー」と呼ばれる人々。様々な案件を同時並行しながら処理していくスピードのみならず、効果検証、さらなる改善、それらを多くの関係者にディレクションし、進行管理も行うなど、とても複雑な能力を求められます。

うまく機能すれば、広告費やマーケティング予算にあまりお金をかけずに、ユーザーを劇的に増やすことが可能。この仕事はマーケティングとエンジニアリングのハイブリッドとも言われ、今まで一般的に行われてきた手法よりも仮説・検証に重きを置くことが特徴です。

「グロースハッカー」はエンジニアとマーケッターの持つスキルセットを両方備えた、これまでにない人種であるということが改めてわかると思います。

グロースハックのプロセスを学習・勉強にあてはめるとどうなるの?

では、そのプロセスをみなさんの学習や日頃の業務に当てはめてみましょう。

1.自分の成長率や、成長のゴール目標を決める。

例 偏差値や、科目別得点、志望校目標、目標の営業利益などを決定する。

2.次に測定基盤・KPI ( key performance indicator、重要評価指標))を作り、仮説検証する。

例 合格可能性の判定率を測定し、ギャップを調べ、科目選択のポートフォリオで最高点をとる対策を策定する。

3.イテレーション(基本問題などの反復テストを何回もやりつづける) と A/Bテスト(どちらがよいかまよった時は、両方試してよい方を採用する。)を実行する。

例 参考書・講座・いろんな人からのアドバイスを試してよい方を続ける、今までの営業スタイルと同僚の営業スタイルの真似と、両方を試してみる。

4. シュリンク(縮小・成長の反対)ハックで、なにがうまく機能していなかったかを解析して改善する。

例 まちがった問題の原因とボトルネックを分析し、同様の問題ができたときにできるようにする。

どうでしょうか。イメージはわきましたか?

グロースハックで大事なのは、あきらめない気持ち。

最初にグロースハックの仕事を説明しましたが、まるで何でもできてしまうスーパーマンのように感じたかもしれません。しかし実際には、グロースハックで行う施策の9割は、最初は効果がでないと言われています。それでも決して諦めずに新たな施策を編み出し、PDCAサイクルをどんどん回していくことで、毎日少しの成長を積み重ねることこそがグロースハックなのです。

またグロースハックとはあきらめない気持ちであり、1日1%の成長でも一年では、なんと約40倍の成長に匹敵すると言われています。グロースハッカーが有名になったのは、前回のアメリカの大統領選です。ヒスパニック系などの裕福でない有権者がPCを持たず、スマホしかもっていない層であることを利用して、モバイルにターゲットしたグロースハックを行い続け、最終的に多額の献金と集客を成功させたそうです。

引用元:グロースハッカー 第2版

グロースハックでは、成長スピードが増すようにトライアルを続け、改善できるように結果と行動を常に見直します。柔軟に、チェックリストでなにが失敗かを分析して、気づきと自信、そして自分のスキルを成長させる機会を貪欲に探し続けることで、成長の加速度が増すのです。

あなたも人生のグロースハッカー(成長請負人)をめざしましょう!

 

気づきのキャリア(49)「まず2 things (それは二つあります)といえ」グローバル企業で学んだ英語のコミュニケーション術

大学を出て28歳になるまで、全く英語を話したことはなかったのですが、ひょんなことから国連とインテルで24年間働いて、なんとか定年まで務めることができました。若い人のの中には、英会話に必要以上に期待や恐れを持っている人が多いですが、グローバル企業で学んだ英語でのコミュニケーション上達のコツをお話します。

 

1.英語ではアカデミックスマートよりもストリートスマートを狙え

文法や、難しい単語・言い回しはあまり気にしないでください。映画やビデオ、テレビドラマなどで、簡単な言回しを使いましょう。海外のテレビでキャプションがついてあるものがあれば一番いいです。本や参考書の言回しは古いものが多くおかしいのもあります。

2.まず2 things (それは二つあります)といえ

私がまず言われたのは、英語で質問されたら、まず自分の考える答えを二つあると言えということでした。一つだと少ない、3つだと最後をも思いつかない場合や、忘れてしまうときもある。だからいつも2thingsと言ってから考えろといわれました。これは、英語では、まず結論を言って、それから完結に理由を言わないと通じないんですね。よく日本人は、まず背景の説明からはいってしまうので、それでは理解できないと、おこられるんです。なにかの理由をたずねられたら、最初に 2 things(二つあります)とずばっと言ってしまう。これは、私の社会人経験の中でも非常に役立っている教えです。

<h2>大きな声で自信をもって</h2>

 

よくどうしたら英語がうまくなるかとか、うまく伝わるかとかの質問があります。よく見ていて損だとおもうのは、非常によいことを言っているのに、声が小さくて聞こえないとか。自信がなさそうなので、インパクトがないのです。また、エグゼクティブは自信があるので、自信をもって強い語調で話す人の言うことしか聞かないいんですね。自信をもっているふりをしないと、現実派の自信のある人たち(特に経営層)はそれだけでイライラして聞いてくれないのです。

3倍大きい声で、3倍ゆっくり、特に自信をもってソラでいえるように何回も準備して練習する。私もプレゼンのワークショップで、ビデオで録画したものを一緒に見て目線やテンポを確認してもらいます。声を大きくして、自信ありそうにするのは、最初ははずかしいですが、ダンダンなれます。

3.食事のときには先に酔う

「仕事の話はできるのですが、食事のときの会話が難しいです。何を話せばよいですか?」という質問を良く受けます。日本人は真面目なので、しほと以外で、日常のつまらない話題や、なんとなくよく知らないことばを話すのは難しいと感じてしまうのです。そういうときには、お酒を飲める人なら、先に軽く酔ってしまうことをおすすめします。そうすると、はずかしいという気持ちがなくなって、どんどんはなせるようになるので、英語もすごく上達します。あと、写真をみせながら話すのは、よいので。スマホに犬の写真など入れておきましょう。思いついたことがすごく簡単に口からでてきます。そして自分のすべらない話のレパートリーを増やしましょう。

 

いかがですか?

まず自転車のように乗ってこいでみましょう。

 

気づきのキャリア(50)スターウォーズに学んでフォースを身につけよう。

今年は久しぶりにスターウォーズの新作がみれるということで、評判になっていますね。

これまで6部に渡る叙事詩では、いろいろなエピソードが語られています。特にヨーダは、未熟なルークに対して、いろんな困難やトレーニングを与えて、自信をつけさせます。フォースは念力や、予知能力などいろいろなことができるエネルギーレベルで、ルークは、ヨーダのトレーニングのおかげで、フォースを鍛えて、1人前のジェダイ(騎士)になり、帝国軍と戦います。そのほかにも哲学的指導で、ルークは人間的にも成長します。固定観念を捨てろ!(You must unlearn what you have learned)

やるか、やらぬかだ。ためしなどいらん。( Do. Or do not. There is no try.)

それに反して、ルークのお父さんで、強いジェダイでもあった、ダースベーダーは、彼のあまりの正義感と責任感の強さがゆえに、それが達成できないときの怒りから、悪の道に引き込まれてしまいます。かれは妻を救いたいという目標の強さのと、問題を早く解決したいという激情のために、自分の感情をコントロールできませんでした。若い人の中には、あまりに責任感が強すぎるために、チームの中の人の遅いペースに我慢できず、自分でやったり、他のチーム員につらく当たる人がいます。自分では正しいことをやっているし、他の人よりも責任感がつよいために、いい加減な意見には我慢できないのです。しかし、チームの中のタイプ構成(たとえば友好派が多い場合)が自分と違う人が多いと、チームから相スカンを食ったり、反乱されたりします。相手に求める要求の強さが、チーム構成によってはうまく機能しない場合があるのです。初期の、スティーブジョブズのように。

いかがですか?

あなたはダースベーダになっていませんか?

フォースと共にあれ!(May the Force be with you!)

参考

http://www.disney.co.jp/special/starwars_vote.html

スターウォーズ名言投票

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/フォース_(スター・ウォーズ)

ウィキペディア フォース

 

気づきのキャリア(51)秘書に聞きましょう。

なかなか部下からの評価やチームの一体感が、生まれなくて悩んでいた時に、長く勤めている秘書の人に聞く機会がありました。「ビジョンも話してるんだけどなあ」、「バーベキューとか、歓迎会もしてるんだけどなあ」、私がブツブツ言っていると、「月に1回、月次報告会をして、会社や部の状況を話しましょう。」「誕生会を毎月しましょう。」、など、具体的なアイデアが出てきました。そしてそれを続けていくと、部下の評価も、チームの雰囲気も良くなってきました。自分で考えていても、見えていない部分があります。女性はよく見て情報を持っています。

 

気づきのキャリア(52)学歴よりも学習歴。ノーベル賞・大村智先生に学ぶ生涯学習の極み

Study Hackerに寄稿しました。 

昨年は複数の日本人ノーベル賞受賞が大きな話題となりました。ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村教授(80歳)は、アフリカで年間数千万人が感染する「寄生虫病」に対する治療法の発見により、無償でこれまで10億人を救いました。

「人の真似まねはするな」「真似をしたらそれを超えることはできない」などのポリシーのもと、不可能を可能にしてきた大村氏の学習歴を見てみましょう。

 

研究への一念発起

 

大村氏は1935年、山梨県韮崎市の農家に生まれ、学生時代はスキーと卓球部の主将で国体選手になるほど活発でしたが、地元の山梨大学を卒業後、夜間高校の教師になります。しかし近くの工場で働いてから勉強に来る生徒の手が油まみれなのを見て、「自分は何をやっているんだ、このままではいけない。もっと勉強して、人を助ける人間にならなければ!」と、山梨大から北里研究所へ、米国での留学へと研究の道を進みます。

新卒で教師という職業を選んだ後に研究の道に入った大村氏は、「もし自分が東京大学へ進んでいたら、自分のような研究者は弾き出されてノーベル賞を貰えなかっただろう。東京大学でなくてよかった」と語っているそうです。

 

「研究費も含めて自分で稼ぐ」という、独自のスタイル

 

1981年、メルク社からの「特許を売ってほしい」という申し出を断り、特許出願して権利化し、管理する手間をメルク社に任せました。そして特許で生まれた製品の売上高に応じてロイヤリティ得る、という仕組みを作り出したのです。有名なイベルメクチンだけでなく、これまで26もの医薬品の商品化に成功し、ロイヤリティを研究費として北里研究所に還元する「大村スタイル」によってこれまでに支払われた金額は200億円を超えています。

研究者だから研究にだけ没頭していれば良い、という従来のスタイルから、研究費も自らの研究によって稼ぎだす、という新たなスタイルを確立したのです。

 

経営学の勉強と実践

 

大村氏はこの莫大な収入を、北里研究所の建て直しにつぎこみます。彼は、会計、マネジメントなどの本を片っ端から購入し、外部の会計専門家、経営者らに助言を求めながら経営学を勉強し、構造改革、人材育成に取り組むことで、赤字体質だった北里研究所を金融資産230億円以上の黒字施設に変身させました。

その後、今度は埼玉県北本市に40床を持つ北里研究所メディカルセンター(KMC)病院を建設します。その際も、土地の払い下げから建設計画、地元からの同意取り付けなどを自ら行い、研究者というよりもまるで経営コンサルタントのように辣腕を振るったと言います。

 

美術館病院のアイデア

 

病院建設の際にも、院内に絵画を展示することで来院者や入院患者、そしてそこで働く事務職員をも癒やす「美術館病院」にしようというアイデアが思い浮かびます。その考えに賛同して多くの名画が無償で提供され、壁面の素晴らしい絵画が並び、美術館病院として次第に有名になっていきました。これらの実績から女子美術大学の理事長も委嘱され、通算14年間も女子美術大学理事長を務めます。

さらに生まれ育った韮崎市の実家の隣接地に、韮崎大村美術館を建設して「その後温泉にでも入ってゆっくりしてほしい」とおいしい蕎麦屋まで作ってしまいました。

その後、韮崎大村美術館は市に寄付しています。

美術や芸術に対する造詣も深い上、それを寄付したり無償で公開したりと、独占したり利益を得るのではなく、広く開放して多くの人に喜びを分け与えようという思いが伝わってくるエピソードばかりですね。

 

 

人材育成の取り組み

 

大村先生の最大の強みは、卓越した人材育成の手腕です。大村研究室から輩出した教授が31人、学位取得者は120人余りに登ります。学生、研究者らに対し公平なチャンスを与え、支援を惜しまず「人の真似まねはするな」「真似をやったらそれを超えることはできない」「人のためにやることをやれ」ということが口癖だったそうです。

***

いかがですか? 一般の研究者からかけ離れた新しい道を切り開き、自分の研究で得た利益を色々な形で周囲に還元してきたことが分かりますね。与えられた環境の中で、アイデアを駆使しながら目標を達成していく。常に先のことを考えて、「研究費は自分で稼ぐ」という考えを実現し、学びながら可能性を追求していく。

そしてノーベル賞受賞時には、「私よりも微生物にノーベル賞を。」

素晴らしいですね。

参考

現代ビジネス|祝ノーベル賞受賞! ゼロから学ぶ、大村智教授が開発した「薬」のすごさ人類と寄生虫の闘いの歴史

読売online:ノーベル賞の大村智さん 多彩な顔持つ「日本のダヴィンチ」

wikipedia|大村智

Yahoo!|化学者、2億人を救う。「元高校教師」が生み出した薬

 

気づきのキャリア(53)「正解のない時代」は起業家に学ぼう! 未来を予測するスタートアップ思考

Study Hackerに寄稿しました

皆さんには、「賛同する人がほとんどいないが、自分にだけは重要な真実」がありますか? シリコンバレーの著名な起業家で投資家でもあるビーターティールは、新しい価値を作り出すには、こう言った考え方を持つことが必要だと説いています。

スタートアップとは、君が世界を変えられると、君自身が説得できる人たちの集まりだ。新しいゼロから1を生み出すための最も需要な第1歩は、自分の頭の中にある。ヒトはイノベーションを起こす『賭け』をしなければならないし、それが人類の発展に寄与する。起業家は小さくても人生の手綱を握るだけでなく、小さくても大切な世界の一部を支配することができる。

引用 「ゼロ・トゥ・ワン(君はゼロから何を生み出せるか)」ピーターティール著 NHK出版

著者のティールはオンライン決済サービス事業の「PayPal」を創業した人で、当時の仲間には、テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスク、LinkedInのリード・ホフマン、YouTubeを設立したスティーブ・チェン、などがいました。それが彼にとってのスタートーアップだった、ということですね。すごいですね。

一番良いやり方はベストではない。試されてないやり方こそベストだ。未来の世界はこうなるだろうって楽観的に予想する人がいるが、そうはならない。未来は自動的にはやってこない。素晴らしい未来は、あなたが動き出さない限りやって来ない。

引用 「ゼロ・トゥ・ワン(君はゼロから何を生み出せるか)」ピーターティール著 NHK出版

それでは、常に新しい道を切り開いて素晴らしい未来を引き寄せたであろうティールの戦略を見てみましょう。

 

ブルーオーシャン戦略(競合がいない市場で勝負する)

 

彼の信念は、「競合がいない小さな市場でスタートしてその中で独占市場にする。何かをコピーしてレッドオーシャン化(競合ばかりの市場)した既成産業へ入ることは認めない」ということでした。これはまさに、新たな市場を自らつくりだすということ。

また、一時は裁判官を目指すほどのエリートだった自らの経験から、「良い大学に入って競争に勝ち、一流企業に入ることが、幸せな人生を約束するわけではない」と説きます。多くの人が一流大学や人気ランキング上位の大学への進学を希望しますが、「そこに入れなければもうダメだ」と思う風潮を批判しているのです。

 

人生は宝くじじゃない

ティール氏はまた、自分の時間=人生についても「人生はたった一度きりの上に時間を分散投資することはできない。また人生はポートフォリオではないから、リスクヘッジを目的にしてはいけない」と述べています。

成功するために必要なことは、自分がとても得意でほかにやっている人がいないものに、信念を持って集中すること。「自分が一番信じる道である」ことと「競合相手がいない分野であること」を掛け合わせることが重要で、この一方が欠けていてもダメなのです。

もう一人、ベンチャーキャピタルのパートナー、ベン・ホロウィッツ氏は、「起業家に大事なのは、どんな困難に挫けないことだ」と言います。彼はネットスケープなどを経て、クラウド企業のラウドクラウド社やオプスウェアのCEOを務めました。IPO(上場)を目指すもののバブルが弾け、一番の大顧客から解約されるというピンチに陥ります。

しかしこのとき社員を解雇するなどして困難を切り抜けて、なんとか高値で会社を売却することに成功しました。

本当に難しいのは、大きく大胆な目標を設定することではなく、目標を達成できなかったときにレイオフ(解雇)することだ。全力を振り絞って、難題を切り抜ける覚悟を決め、果敢に挑むしかない。うまく行かなくなっても、気にしないことが正しいのだ。自分の惨めさを念入りに説明するために使うすべての心的エネルギーは、今の惨状から抜け出すため、一見不可能な方法を探すために使う方がはるかに得策だ。やればよかったと思うことには一切時間を使わず、すべての時間をこれからきみがするかもしれないことに集中しろ。

引用 HARD THINGS(答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか) ベン・ホロウィッツ 日経BP社

***

いかがでしょうか。起業家として成功してきた人々は、他人の意見に迎合せずに自分の信念に基づいて行動し、自分の頭で真実を考える。そして、どんな困難(Hard Things)にあっても諦めずにひたすら前に進んできました。

これらの起業家マインドは、生まれながら備わっている資質とは関係なく、自分で学んでいくしかないそうです。ということは誰でもこの資質を身につけることが可能だということ。皆さんもこれからの正解のない人生で、あなただけの真実を探しましょう!

参考

東洋経済オンライン編集部 |「負けない経営者」が持つ、たった1つの共通点米国のプロ経営者が明かす危機克服の秘訣

ほぼ日刊糸井新聞 |『ゼロ・トゥ・ワン』

引用 「ゼロ・トゥ・ワン(君はゼロから何を生み出せるか)」ピーターティール著 NHK出版

引用 HARD THINGS(答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか) ベン・ホロウィッツ 日経BP社

 

気づきのキャリア(54)即断、即行動で成長を加速させよう。「0秒思考」で考える

Study Hackerに寄稿しました。

皆さんは、「頭がモヤモヤする」「自分の考えるスピードが遅い」「迷ってしまってなかなか動けない」などの悩みを持っていませんか? メモ書きで有名な、元マッキンゼーの赤羽さんの『ゼロ秒思考』シリーズによると、頭の回転を良くして思考の質とスピードをあげるには、「即断・即決・即行動」が一番重要だそうです。

  マッキンゼーをはじめとするコンサルティングファームの出身者には、比較的、即断即決、即実行をできる人が多い印象だが、それには、彼らがオプションとフレームワークの2つのツールに慣れているということが大きいと思える。決して地頭がよいから、即断即決、即実行ができるというわけではないのだ。

引用 「0秒思考(行動篇)」赤羽雄二著 ダイヤモンド社

どうすれば、即断、即決、即行動できるようになるのでしょうか?赤羽さんは、「素早く情報収集をし、全体像を考え、代替案を立案し、比較検討し、決定後は強力に推進する」といった基本動作を習慣化させることだと説きます。では、そのための方法を見ていきましょう。

 

悩むときは、メモ書きする

 

悩んで無駄な時間を使うよりは、課題を短時間で明文化していくことで客観的に整理することができます。方法は簡単。

・A4用紙横書き(ノート、手帳、ワードでは整理しにくいそうです)

・感じたままに気付いたことを書く

・1ページ1分以内

・4-6行(1行20-30字)

・毎日10ページ

非常にシンプルですが、進捗や問題点をまとめるのに適しています。書き続けると思考がスパイラルして湧き上がり、高揚感がでてくるという人もいるそうですよ。

●「全体観」を持つ

「全体観」を持つと、仕事や課題の全体の道筋が見えて、重要なポイントかを理解できるそうです。表面的な業務の流れだけでなく人間関係を含めた全体を見て、部分最適の解でなく、ベストな案を選択できます。

●オプションを考える

「オプション」として、選択可能な施策を比較してそれぞれを評価します。仕事でも日常生活でも、選択肢をたくさん出すと「漏れがあるのではないか? 」という迷いやストレスが減り、生産性が上がります。問題を把握してどのような選択肢が可能なのかをリストアップし、意味や効果、自分の価値観などを明確にしていきます。

●フレームワークで考えを整理する

「フレームワーク」とは、物事を整理する枠組で、たとえば優先順位を整理する際に、縦軸を「緊急度」、横軸を「重要度」などで切り分けます。問題点を切り分けたりお客様をタイプ別に分類したり、あるいは新たな解決策を整理したりと活用でき、とても便利です。「フレームワーク」での分類を素早くできることによって、ストレスを減らして生産性の向上を体感することができるのです。

 

●情報を処理する、集めるスピードを上げる

Google Alertなどで、自分の気になる情報を自動で集めたり、ショートカットキーやブラインドタッチ、よく使う単語を200以上単語登録するなど様々な方法をつかって単純作業のスピードを上げていきます。重要なことに時間をかけるために、単純作業の時間を極限まで減らしていく、という考えです。

いかがでしょうか?

課題を明文化して、全体感から可能なオプションを考え、フレームワークと工夫でスピードと精度を上げていく。そうすれば、結果を予期しないで失敗して失望するケースが確実に減りますね。0秒思考で考える力を伸ばして、あなた自身の成長を加速させましょう!

参考

Yahoo! news|即断即決、即実行を実現する「全体観」と2つのツール ダイヤモンド・オンライン

「0秒思考(行動篇)」赤羽雄二著 ダイヤモンド社

「速さは全てを解決する―『ゼロ秒思考』の仕事術」 赤羽雄二著 ダイヤモンド社

「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」赤羽 雄二 ダイヤモンド社

 

気づきのキャリア(55)日本のエリートはただの高級作業員! マッキンゼーOBが語るglobal社会の生き残り方

Study Hackerに寄稿しました。

 

今回ご紹介する「戦略がすべて」「僕は君たちに武器を配りたい」の著者である瀧本哲史氏は、元マッキンゼー勤務で、現在は京都大学で教鞭をとる投資家です。

彼は著書の中で「グローバル化の影響で、ヒト、モノ、サービスが急激にコモデティ化(均質化)し、新興国との価格競争により賃金は下がる厳しい未来において、求められているのは、『自分の労働をコモディティ化させないこと』だ」と説いています。

彼の二冊の著書から、これからの時代を生き抜く戦略を一緒に考えていきましょう。

 

グローバル社会を生き抜く4つのタイプ

 

これから、現代のグローバル社会で生き残れるタイプを4つに分類しています。

1.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができるマーケッター

2.まったく新しい商品や仕組みをつくりだすことができるイノベーター

3.起業家として事業を起こし部下を束ねるリーダー

4.投資家として市場に参加するインベスター。(バイト先の株を買うことで資本家になる)

その中でも、革新できる人材=イノベーターになるためには、「リベラルアーツ(教養)」が必要なのだそう。

「哲学や芸術、文学、自然科学全般について学ぶことにより、物事をさまざまな角度から考え、能力や問題を発見し解決する能力、多様な人たちとのコミュニケーション能力が身に付く」と説いています。イノベーターになるような人は、単なる雑談の中にも知性があふれている必要があるのですね。

「平均的に日本人が注力しているのは、戦術レベル、せいぜい作戦レベルになりがちだ。日々の業務を頑張ろう、目の前の仕事に打ち込むべしと言った、よく強調される美徳は、典型的に戦術レベルの話である。「戦略を考える」というのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすることなのだ」

引用 「戦略がすべて」瀧本哲史 新潮新書

日本人が日ごろ注力しているのは、戦略ではなく単なる作戦、というのは耳が痛い話です。

今日本人に必要とされるのは、既存の情報を疑い、商品やサービスの意図を読み取る『裏をかく』戦略的思考法。最新の著書「戦略がすべて」では、日常的に身の回りのことを「戦略的思考」で考える習慣を鍛えるための、具体的なケースをあげています。

では、そのためのケースを以下で見ていきましょう。

 

プラットフォーム化する

 

AKB48を例にとり、『人』を売るビジネスには、『成功の不確実性』『稼働率の限界』があるということが述べられています。

このような短所を理解したうえで、人材をまとめ売りする「プラットフォーム=システム」を作りました。その中で様々なチャレンジさせて優劣を決めることで、リスクを回避し利益を最大化することに成功したのです。

 

不確実な中で解を見つける

 

ロールプレイングゲーム=RPGの中には、環境に合わせた方針転換、攻略法による近道を探すことが組み込まれています。これらの経験を通して、チームでの役割を認識し、「解」を見つけ出しパフォーマンスをあげることができるようになります。

また、様々な選択肢の中から最適解を見つける訓練という意味では、麻雀も良いそうです。

ロンドンオリンピックでの過去最多のメダル獲得

 

ロンドンオリンピックで過去最多の38のメダルを獲得したのは、単なる幸運ではありません。ロンドンオリンピックのはるか前から、「日本人にとってどんな競技種目最もメダルがとり易いか」を分析し、その分析に合わせて適切な投資を設備(ナショナルトレーニングセンター)と人材配置(コーチ陣、マルチサポートハウス、共同コーチ化)を行った結果なのです。

つまり、徹底した分析による選択と集中が功を奏した結果と言えます。

「ほとんどの日本のビジネスマンは「高級作業員」にすぎない。いくら大企業に努めていようとも、テンンプレート化された仕事をより早く、より効率よく行うルーチンワーカーなのだ。だから戦略的思考を実践する機会も演習量も圧倒的に少なく、深刻な問題が発生した時に非定型的で非連続的な解を出すことができない。」

(引用:「戦略がすべて」瀧本哲史)

戦略を立てる達人は「身の回りに起きている出来事や日々目にするニュースに対して、戦略的に勝つ方法を考える習慣を身につける訓練」を行うことで、自分に必要なスキルを高負荷かつ効率的に鍛えているそうです。

***

福澤諭吉は、「学問のすすめ」で、「人間は平等だが、学ぶ事で差が生まれる」と説きました。現代は学問の意味づけが変わり、IT、会計、英語などを学ぶだけで仕事が貰える時代ではありません。あなたの成功戦略ための独自トレーニングを見つけましょう!

参考:

「戦略がすべて」瀧本哲史 新潮新書

「僕は君たちに武器を配りたい」瀧本哲史 講談社

リーダーたちの名言DB|瀧本哲史

 

気づきのキャリア(56)元インテル役員が語る「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」 第1回:時代が変わるとリーダーシップも変わる。

ビジネスノマドジャーナルに寄稿しました。12回連載の予定(途中打ち切りあり)始めます。つかみと最初4回をインテル時代、次の4回をコーチング実話、最後の4回をスタートアップへのコーチングで行う予定です。フィードバック次第でコンテントを整理してまとめてみたいと思っております。(うまくコーチングの効果が伝わるように)————————

今注目を集めている、マネジメントコーチ(経営者コーチ)。

グローバル企業のインテル在社(21年)中は、オペレーション部門全般(管理/経理/予算)から、技術標準・新規事業開発など幅広く15以上の職務を歴任され、現在は複数の企業やエグゼクティブのマネジメントコーチとして活動される板越正彦さんによる連載です。

第1回は、「時代とともに変わるリーダーシップのスタイル」についてです。

大量生産時代は、商品もシンプルで、上に立つ人がなんでも一番よく知っているので、部下に対しては、指示・命令を出すだけでよかった。しかし、商品サイクルや顧客の嗜好がめまぐるしく変化する現代では、上司が命令するだけでは、現場に起こっている全てを把握できません。現場の人がその変化や最新の情報を自発的に、すぐに関係者につたえてくれないと、せっかく開発しても売れないものができてしまう。PCやITの世界でも同じことが起きました。

筆者が経験したインテルの中でのリーダーシップスタイルの変遷から話してみたいと思います。

経営スタイルの変化が組織に与える影響

私が約20年前に、入社した時期のインテルも非常に激しい経営スタイルの会社でした。

当時のCEOである、アンディ・グローブは、なんとハンガリーのユダヤ難民からハードワークでキャリアアップしてきたので、頑張りと執着心は半端なかったです。「偏執症(パラノイア)という心配性・妄想しか成功しない」、「ハイ・アウトプット・マネジメント」などの著作にもあるように、会社の戦略や方向性に対して圧倒的に厳しい経営スタイルで、部下に規律をもって行動させました。ある意味激しくて野蛮(Brutal)なマネジメントスタイルで、そのためエグゼクティブ層も似たように(いい意味で)激しい人が多かったです。

その中で私は、たまたま2年間のサンタクララ本社在任中に、予算やリストラ責任を受け持つ、ファイナンスコントローラの下で働く幸運に恵まれました。その時には、まさにその激しいマネジメントを目の当たりにする機会がありました。

例えば、そのコンロラーが受けとった、真っ赤な大きいフォントで、「I do not like your answer.」と書かれたVPからのメールをみたり、大勢の前で、「I do not understand.」と激しく怒られて泣き出す人のケースも見ました。「このポリシーに納得できないなら、バッジを置いて部屋から出て行け。」ということもありました。

When generation change, Management style change

しかし、そのインテルでも、10年ほど前から、 リーダーシップスタイルを変え、部下の意見を聞く時間を増やせとか、成果だけではなく失敗へのプロセスを評価するようにと人事政策が変化してきました。私は、その変化について直接CEOに質問したことがあります。

「昔の経営陣は激しかったじゃないか。なぜ最近部下に気をつかえと言い出したんだ」と。その時のCEOの解答は明解でした。「昔は、宇宙飛行士のように、上を目指すものはワークハードだった。それを期待する若者が、アップ・オア・アウト(昇進できなければ会社を去れ)も納得していたのだが、今の優しい若者は、それではついてこない。だから、When generation change, Management style change(時代が変われば、マネジメントスタイルも変わる。) だ。自分がされてイヤなことは、相手にもしないようなマネジメントに変わらないといけない。自分が厳しい上司にきたえられたから、自分がきびしい上司になってきたえなければいけないという考えはもう通用しない。それだと、今の世代の若者はついてこない。いい人も取れないのだよ」と説明したのです。

「あー、アメリカでさえそうなのか」と、ビックリしたのを覚えています。

成果主義が行き過ぎると現場の声が枯れる。

米国の有名なエグゼクティブコーチから聞いた話では、映画「ウォールストリート」の主人公のモデルにもなったあるトップマネジメントは、「部下をケアしているか」という項目についての部下からの評価は、100点満点中最初0.1点であるほど、ひどかったそうです。

給料はいいんです。何十億円もインセンティブだけでもらいますから。しかし究極の成果主義で、報酬やインセンティブだけで部下を管理すると、最終的にはその会社はつぶれてしまうそうです。

たとえば、リーマンショックの時のリーマンブラザーズの倒産です。ワンマンのトップダウン経営だと、部下が自由に意見をださなくなってしまうので、本当のリスクや失敗などの共有ができなくなってしまうのです。燃え尽きてしまって、働くことにモチベーションがわかなくなって、そして最終的にはチームや組織が壊れてしまうのです。

日本の年功序列志向もリスクがある。

「なんとかしろ」、「チャレンジしろ」、「利益をあげろ」。東芝のケースでも、実行の仕方については問わず、結果だけを出させると、うまくいかなかったときに最後は表面化します。

利益操作、コンプライアンス違反、クレーム対応、違法行為、みんな失敗を報告できない風土と、ギブアップできない習慣に原因があります。リーダー自ら、悪い情報や、本当のリスクを話させ、それを理解する度量をもつこと。今ほど、リーダーシップにガバナンスと部下から信頼されるコーチング力が必要な時期はないかもしれません。

負けず嫌いだけではチームをリードできない

私も、非常に激しい上司や「虎の穴」に育てられたので、上司や顧客以上に、部下に気をつかわなければいけないということが理解できるまでかなり時間がかかりました、(今でもイライラする時はあります)。

最初の5分で、企画書や提案書の意味が明確でないと、印刷したものを破いてしまうような上司だったので、同じように、最初で意味がわからないと、自分のやり方を押しつけたことがよくありました。インテル20年間の間で、2回ほどチームの雰囲気が悪くなり、リーダー失格であると評価されました。

リーダー失格。では、どうすればいいのか

しかし、インテルの中で、一番役に立ったのは、非常に優秀なグローバルリーダーと一緒に仕事が出来たことと、そのリーダーからのアドバイスや、反面教師です。

私は、特にその中でもキャリアとして成功し、信頼されていた人たちに、「あなたが自分のキャリア育成の中で、一番大切にしていることは何ですか?」という質問を好奇心から問い続けました。そうした質問を重ねることで、私自分のキャリアを見直せ、大事な場面で方針転換できました。

最も印象に残っているものは、高専卒でインテルに入社し、最年少でVPに、そしてCTOも歴任した、インテルでも伝説的なある上司(今では別の会社のCEOをしています)が答えた言葉です。それは次のようなものでした

「自分の仕事や上司が好きでも嫌いでも、今の仕事にベストを尽くせ。そして次の仕事の勉強・準備をしろ。ダイナミックに変わる環境ではそれが一番価値がある(1.Do a great job at current job, even if you do not like job or boss -2.Learn and prepare the skills you need for a next job - whenever it is to be. In a dynamic environment like Intel, this rewards you.)」です。

次回では、そう言ったインテルでのグローバルリーダーたちのキャリアについての成功哲学を、ケース別・タイプ別に振り返りたいと思います。

 

気づきのキャリア(57)リーダーこそ変わるべき。エグゼクティブコーチングの手法に学ぶ「イヤな自分の捨て去り方」

 Study Hackerに寄稿しました。

リーダーこそ変わるべき。エグゼクティブコーチングの手法に学ぶ「イヤな自分の捨て去り方」

コーチングについては、その手法も広く知られるようになり、またコーチングを受けたことのある人もだんだん増えてきました。そんなコーチングの世界で「コーチングの神様」と呼ばれるマーシャルゴールドスミス氏。彼は、GEのジャック・ウェルチ、世界銀行総裁、フォードのCEOなど世界のトップエグゼクティブをクライアントにもち、「360度フィードバック」と呼ばれる手法でリーダーシップ開発や経営者向けのコーチングを行っています。

 

彼によると、エグゼクティブには自己中心的な人が多いということ。数々の競争をくぐり抜けた経験から勝利への意識が強すぎる上、地位を得るために時間やエネルギーを投資していることがその理由だそうです。

 

しかし、彼らがさらに次のステージ、つまり「次のリーダーを育てる」という段階にレベルアップするためには、自分が頑張るということに加えて「悪い行動をやめる」ことが大切だと説きます。

「成功した人ほとんどの人が常識を超えた行動をしたにもかかわらず、成功している。しかし、成功者は得てして、常識を超えた行動のおかげで成功したと勘違いする。」「私たちはリーダーに何をすべきかを教えるのに多大な時間を使うが、何をやめるべきかを教えるのに充分な時間をかけていない。私が今まで出会ったリーダーの半数は何をすべきか学ぶ必要はない。彼らが学ぶ必要のあるのは何をやめるべきかだ」

引用:「コーチングの神様が教えるできる人の法則」マーシャルゴールドスミス著 日本経済新聞出版社

では「悪い行動」とは一体何でしょう。そして、どのように「悪い行動」を改善して真のリーダーになっていくのでしょう。コーチングの神様、マーシャルのやり方を見てみましょう。

自分の行動に対する360度フィードバックをもらう

 「何を止めれば良いのか、自分の行動がどのような悪い反応を引き起こしているのか?」ということについて、周囲から率直なフィードバックをもらいましょう。

成功した人は、自分の強みを過大評価する一方で、自分の弱みを過小評価し、その観点から他人を評価する傾向にあります。得意分野の領域で自分と他者を比較し、自分が優れて相手が劣っていると思い込みやすいのです。

 

組織では上に行けば行くほど周囲から良い情報ばかり入るようになり、周囲も真実を伝えにくくなってしまいます。周囲がイエスマンばかりになると組織としては危険。だからこそ批判的な意見を伝えてくれる人、否定的な情報を大切にすべきなのです。

謝罪から始める

 彼のコーチングは、エグゼクティブに謝罪をさせるところから始まります。人の意見をよく聞かなかったり、全てに負けず嫌い過ぎたりしていたことについて自らの非を認め、自分は変わるということを、関係者に公言するのです。その上で、彼らにそのための助言を求めます。

過去の過ちを悔い、リーダー自ら変わろうとしている姿を見せることは、「自分の殻を破る」重要性を周りに伝える非常に良いメッセージになります。

 

 「フィードフォワード」をもらう

 「フィードフォワード」とは、過去の行動を振り返るフィードバックではなく、「私が変わるために役立つアイデアがあったら、ぜひ教えて欲しい」と、将来の改善点を自ら提案してもらう方法です。

率直に意見を言い過ぎるあるリーダーは、「話す前に、今ここで話すことが相手や会社にとって価値があることかを自問する」というアイデアを提案されました。その結果、相手にイヤな思いをさせる発言が劇的に減ったそうです。

トリガーを見つける

意志の力だけでは人は変われないので、行動を決定づける「トリガー(引き金)」を解明し、それを味方につけて改善するという方法もあります。トリガーにより改善を長続きさせる仕組みとして、以下のようなことが挙げられます。

・会議の前に自分の行動の注意点を確認するためのインデックスカード持つ。(怒って話さない、口を挟まないで聞く、など)

・受動的な質問ではなく、能動的質問を日課にする。(「今日は意義ある日だったか」ではなく、「意義ある日にするためにどのような努力をしたか」を問う。)

・会議の発表フォーマット(簡単にどうやって助け合えるかを表にする)を作る。

自分自身を振り返るために、「大人になってから変えた行動で、最も記憶に残っているものは何ですか?」というのも有効な質問です。

***

忙しいといって何もしない人は、いつまでたっても行動を起こしません。リスクをとって失敗に終わったことを年老いてから悔やむよりも、リスクを恐れて挑戦しなかったことを人は後悔するそうです。自己変革を実現するための決意と反省があれば、「仕事ができる人」から「人間としてすばらしい人」にきっと変われます。まず周囲から率直なフィードバックをもらってみましょう。

参考

名言DBマーシャルゴールドスミス

「トリガー 自分を変えるコーチングの極意」』マーシャルゴールドスミス著 日本経済新聞出版社

「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」 マーシャルゴールドスミス著 日本経済新聞出版社

「コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方」マーシャルゴールドスミス著 日本経済新聞出版社

 

 

 

 

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