気づきのキャリア(55)日本のエリートはただの高級作業員! マッキンゼーOBが語るglobal社会の生き残り方
気づきのキャリア(55)日本のエリートはただの高級作業員! マッキンゼーOBが語るglobal社会の生き残り方
彼は著書の中で「グローバル化の影響で、ヒト、モノ、サービスが急激にコモデティ化(均質化)し、新興国との価格競争により賃金は下がる厳しい未来において、求められているのは、『自分の労働をコモディティ化させないこと』だ」と説いています。
彼の二冊の著書から、これからの時代を生き抜く戦略を一緒に考えていきましょう。
グローバル社会を生き抜く4つのタイプ
これから、現代のグローバル社会で生き残れるタイプを4つに分類しています。
1.商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売ることができるマーケッター
2.まったく新しい商品や仕組みをつくりだすことができるイノベーター
3.起業家として事業を起こし部下を束ねるリーダー
4.投資家として市場に参加するインベスター。(バイト先の株を買うことで資本家になる)
その中でも、革新できる人材=イノベーターになるためには、「リベラルアーツ(教養)」が必要なのだそう。
「哲学や芸術、文学、自然科学全般について学ぶことにより、物事をさまざまな角度から考え、能力や問題を発見し解決する能力、多様な人たちとのコミュニケーション能力が身に付く」と説いています。イノベーターになるような人は、単なる雑談の中にも知性があふれている必要があるのですね。
「平均的に日本人が注力しているのは、戦術レベル、せいぜい作戦レベルになりがちだ。日々の業務を頑張ろう、目の前の仕事に打ち込むべしと言った、よく強調される美徳は、典型的に戦術レベルの話である。「戦略を考える」というのは、今までの競争を全く違う視点で評価し、各人の強み・弱みを分析して、他の人とは全く違う努力の仕方やチップの張り方をすることなのだ」
引用 「戦略がすべて」瀧本哲史 新潮新書
日本人が日ごろ注力しているのは、戦略ではなく単なる作戦、というのは耳が痛い話です。
今日本人に必要とされるのは、既存の情報を疑い、商品やサービスの意図を読み取る『裏をかく』戦略的思考法。最新の著書「戦略がすべて」では、日常的に身の回りのことを「戦略的思考」で考える習慣を鍛えるための、具体的なケースをあげています。
では、そのためのケースを以下で見ていきましょう。
プラットフォーム化する
AKB48を例にとり、『人』を売るビジネスには、『成功の不確実性』『稼働率の限界』があるということが述べられています。
このような短所を理解したうえで、人材をまとめ売りする「プラットフォーム=システム」を作りました。その中で様々なチャレンジさせて優劣を決めることで、リスクを回避し利益を最大化することに成功したのです。
不確実な中で解を見つける
ロールプレイングゲーム=RPGの中には、環境に合わせた方針転換、攻略法による近道を探すことが組み込まれています。これらの経験を通して、チームでの役割を認識し、「解」を見つけ出しパフォーマンスをあげることができるようになります。
また、様々な選択肢の中から最適解を見つける訓練という意味では、麻雀も良いそうです。
ロンドンオリンピックでの過去最多のメダル獲得
ロンドンオリンピックで過去最多の38のメダルを獲得したのは、単なる幸運ではありません。ロンドンオリンピックのはるか前から、「日本人にとってどんな競技種目最もメダルがとり易いか」を分析し、その分析に合わせて適切な投資を設備(ナショナルトレーニングセンター)と人材配置(コーチ陣、マルチサポートハウス、共同コーチ化)を行った結果なのです。
つまり、徹底した分析による選択と集中が功を奏した結果と言えます。
「ほとんどの日本のビジネスマンは「高級作業員」にすぎない。いくら大企業に努めていようとも、テンンプレート化された仕事をより早く、より効率よく行うルーチンワーカーなのだ。だから戦略的思考を実践する機会も演習量も圧倒的に少なく、深刻な問題が発生した時に非定型的で非連続的な解を出すことができない。」
(引用:「戦略がすべて」瀧本哲史)
戦略を立てる達人は「身の回りに起きている出来事や日々目にするニュースに対して、戦略的に勝つ方法を考える習慣を身につける訓練」を行うことで、自分に必要なスキルを高負荷かつ効率的に鍛えているそうです。
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福澤諭吉は、「学問のすすめ」で、「人間は平等だが、学ぶ事で差が生まれる」と説きました。現代は学問の意味づけが変わり、IT、会計、英語などを学ぶだけで仕事が貰える時代ではありません。あなたの成功戦略ための独自トレーニングを見つけましょう!
参考:
「戦略がすべて」瀧本哲史 新潮新書
「僕は君たちに武器を配りたい」瀧本哲史 講談社
リーダーたちの名言DB|瀧本哲史